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なんでも鑑定してみましょう



 盗賊の一味には逃げられてしまいましたが、オヤブンは捕縛しましたので鑑定魔法を使ってみることにします。どうせ尋問しても、あるいは拷問みたいなことをしたとしても、本当のことを言うはわかりません。


 なにか喋ったとしても、それが真実なのか、苦し紛れの嘘なのか、私には判断できないんですね。


 しかし、鑑定の結果は嘘をつきません!


 ならば、尋問or拷問よりは鑑定です。


 で、その鑑定の結果ですが……なんですかね、コレ。

 


   


『○○○○○・○○○○○○○


 HP ○○○/○○○○


 MP ○/○○


 槍術成分過多


 剣術成分も多い


 王子様成分の残滓あり』


 


 あきらかに隠蔽していますね。普通なら名前が出てきて、体力(HP)と魔力(HP)の数字が表示されて、あとは主な能力がわかるはず。


 私が私を鑑定したとして(当然、私も自分の能力は隠蔽していますけど、そういうことがないとして)こんな感じに出ます。



 


 『ルイーズ・カサランテ・ラクフォード・エラ・ストレリツィ


 HP  109/136


 MP 1689/1854


 


 短剣術   29


 火属性魔法 125


 風属性魔法 88


 雷属性魔法 136


 水属性魔法 96


 土属性魔法 69


 氷属性魔法 145


無属性魔法 219


 属性外魔法 899


 


  侯爵令嬢


  ストランブール王国学園1年生』


 


 他の人の鑑定魔法がどういうものかわかりませんが、私の場合、基本的に100が一人前となります。例えば剣術が100と表示された人がいたとしたら免許皆伝くらいの腕前ということになりますね。逆に名人や達人なら150とか200なんてことも。


 そのあたりを歩いている普通の人を鑑定したら全体的に20とか30前後の数字が並んでいて、1桁が行進しているようなステータスだって珍しくはありません。


 なにしろ私の作ったオリジナル魔法での鑑定なので戦闘能力がどうしても中心になってしまうのですよ。だけど、普通の村人とか、商人などは戦闘力はほとんどありませんからね。


 私は魔法の天才ですから、護身用に習った短剣術の29を除くと、後はいろいろおかしな数字になっていますが、こういうのは例外。他にも得意な氷属性は100を超えていますし、身体強化などの無属性魔法はさらに上。さらには時空魔法やオリジナル魔法といった属性外の魔法も結構やってて、これはおかしいを通り越して規格外が過ぎる仕様となっています。


 しかし、盗賊のオヤブンは数字で表示されるところが、フレーバーテキストみたいな表記が出てくるだけとは……これはこれでありえない現象。どんな隠蔽魔法を使っているのやら?


 王子様成分の残滓に至っては意味不明すぎて。


 名前はわからず、HPもMPも数値が出ず、能力もわけわからん!


 フル鑑定を使えばもっとわかるかもしれないのですが――あれは頭が痛くなるんですよね。自宅など安全な場所でやるのなら問題ないとしても、味方が1人もいない森の中でやるのはちょっと。


 まあ、どうでも名前が知りたいわけではありませんし、たとえフル鑑定を使ったとしても、さすがに『×××から依頼され誘拐作戦中』などと出てくるほど便利な魔法でもないですし。


 兜を剥いでみると、ふわふわのプラチナブロンドで、彫の深い顔立ちをした二十歳をいくつか過ぎた程度の若い男性でした。私の婚約者である第一王子と顔立ちに似たところがあって、つまり王子様系イケメンだったのですが、もちろん無視。


 乙女ゲーなら攻略対象になりそうですけど、いまの私はRPGモードですし――じゃなくて、ゲーム脳を封印したリアル思考でいってるところですから、顔面偏差値より敵か味方かのほうがずっと大事。


 とりあえず顔は見覚えないです。一度も会ったととない人か、会ったとしても幼い頃か、まったく記憶にない顔でした。


 知らない人で、HPはすごくて、おそらく槍や剣が得意で、魔法はまとんど使えないということだけはわかりました。直接的な暴力に注意しておけば、こっそり魔法を使って逃げ出したり、反撃するようなことはしないと思っていいようですね。


 おっと。


 ついでに兜を鑑定してみましょうか?


 なにかわかるかも。


「これ、なんですの?」


 同時にバチンとなにかが跳ね返ってきた衝撃をもろに喰らってひっくり返りそうになりました。魔法無効化は私のオリジナル魔法であるはずの鑑定も弾くようです。


 それも、解析とか調査みたいな魔法を使うと、対抗して跳弾が術士に飛んでいくという極悪仕様とは、かなり性格の悪い魔法士がかかわっていますね。


 剣も鑑定しようと思いましたが、やっぱりやめておきます。ただし、しかるべきところで調べてもらうことを心の片隅に記憶しておきました。


 ここでやれることは、これくらいでしょうか?


 馬車の御者みたいな使用人の仕事はやったことなかったのですが、乗馬はそれなりに得意なので馬の動かし方ならわかります。試しに御者台に乗り込んで馬車を動かしてみました。


 なんとかなりそうです。


 私の馬車はいってしまいましたし、この馬車や馬の持ち主である誘拐犯たちはどっかに移転していったのですか、新しい足として貰ってあげましょう――剣と同じく戦利品です!


 それから兜も貰っておきましょうかね。剣と一緒にチーフに収納しておきました。












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