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反省しましょう




 なんとか伯爵邸から逃げ出して、ただいま帝都に向けて旅を続けております。


 今回のことは反省しなければなりませんね。


 むやみにフラグを立てない。


 好感度と攻略を間違えるな。


 自分の知らないキャラがいるかもしれない。


 ゲームキャラ以外でも落ちるときは落ちる。


 まあ、アルフレッド様も一時の気の迷いでしょうから、しばらくすれば正気に戻って私のことは忘れるはず……忘れてくれるよね?


 どうにもならなかったら最終兵器としてお父様に出撃してもらって、デカい剣を振りまわせば、たいてい相手が逃げていきます。


 そんなことを考えながら進んでたら、前方に魔獣の気配がしました。それだけでなく人の気配も――あるいは戦闘の気配といったほうが正確でしょうか。


 一気にペースを上げると、すぐにオーガに襲われている人たちが見えてきました。


 おっと、異世界テンプレいただきました! 襲撃されている人を助けると、それが重要人物だったり、なにかしらのイベントに巻き込まれたり、よくあるパターンですよね。これは助けないわけにはいきません。


 まあ、実際のところ、かなりマズい状況ですし。


 オーガは10頭以上います。


 それに対して襲われているのは馬車が5台。大規模というほどではなくても、まあまあの商隊なのに、護衛の冒険者は1台の馬車に1人か、せいぜい2人しかいません。


 もちろん、その全員が腕利きなら問題ありませんが、どうやらオーガ1頭を1人で相手できるレベルではない様子。3メートル近い巨体で、棍棒やら大剣などを振りまわす怪力の鬼ですから、かなり手強い魔獣として知られています。


 すでに2台の馬車がひっくり返っていて、護衛にも手傷を負って倒れている者が出ていました。


「助けがいりますか?」


「いる。俺は『黒十字血盟団』のリーダー、マレックだ」


「我が敵を穿て、雷の槍よ!」


 一番大きな棍棒を両手につかんで吠えているオーガに向かってサンダースピアを放ちました。


 頭にサンダースピアが刺さったオーガは体をガクガクと震わせて、すぐに崩れるように倒れます。巨体というだけでなく、皮膚が厚く、まるで頑丈な革鎧でも着ているような魔獣ですから、そういう防御力を無視してダメージを与える雷属性の攻撃魔法が有効なのでした。


「我が敵を穿て、雷の槍よ!」


 いきなり隣にいた仲間が倒れて驚いているオーガの胸に一撃。心臓直撃の高圧電流に体を硬直させ、魔法の効果が切れるのと同時に倒れました。


 いくらタフな魔獣であっても、心臓に高圧電流を流せば普通に死にます。いくら皮膚が厚くて硬くても、電気に対する物理的な防御力にはなりませんし。


「いまだ! 押し返せ!」


 チャンスとみたマレックがリーダーとして総攻撃を指示します。


 押され気味だった冒険者たちが攻勢に出ました。


「我が敵を穿て、雷の槍よ!」


 私も攻撃にくわわります。本当はもっと派手な魔法をバンバン撃ちたいところですが、フレンドリーファイアーが怖くて、単発のサンダースピアをちまちま放つだけでしたが、逃げ腰になっているオーガたちにはそれで充分でした。


 商隊の護衛が目的であって、魔獣の討伐ではありませんから。







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