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買い取りの結果は?



 憧れの冒険者登録を済まして、今度は買い取りです。なにしろ、私のマジックバックには大量のゴブリンがありますから!


 それもこれも優秀なゴブリンの吸引剤であるところのオトエサのおかげですね。たいした金額にならないとしても財布すら持ってない私にしてみれば大変に助かりますよ。


 それでポイポイとゴブリンを出していったのですが……なんか呆れてるみたい。まあ、こんな小物ばかり好んで倒す冒険者なんていないんでしょうね、きっと。


 しかし、何頭あるのかと問われても、ねぇ。


 私の方は首を傾げるしかありません。だって100頭くらいまでは数えていましたが、だんだん面倒臭くなって……オトエサを適当に使い潰す予定だったのに、なかなか食べられなかったんですよね。まあ、ゴブリンが弱すぎて、あっさり私が倒してしまったのが主たる原因でもありますけど。


「さあ?」


 お喋りしている暇はありません。どんどんゴブリンを出していきます。


 ギルド職員は慌てて別のギルド職員に叫びました。


「おーい、ゴブリンの買取相場を限界まで下げておけ。それから、ここにいない商人にも連絡をまわしてくれ。特売だ!」


 建物内にいた商人たちは私のまわりに全員集合。ゴブリンの山を見ています。きっと呆れてるのでしょうが、同時にゴブリンの特売と聞いてビジネスチャンスだと思ったのでしょうね、きっと。


 全部で192頭。それが私のマジックバックに入っていたゴブリンのすべてでした。


 あと8頭で200頭いったのに残念。ちゃんと数えておけばよかった!


「相場の金額で買うが、これからは相場が崩れるほどの買取をするときに事前に相談してくれると嬉しい」


 ギルド職員にちょっと文句を言われてしまいました。


「買って欲しいと言っておいてなんですが……こんなのどうするのでしょうか?」


「このあたりの魔獣だと解体して肉屋に卸すことになるな」


「ゴブリンなんて食べれるのでしょうか?」


「毒がなけりゃ食えるだろ。ちゃんと処理してないとダメだけどな。あとは美味いか、不味いかしかない」


 ギルド職員の答えはなかなか哲学的だな、と思いますけど、食べますか、こんなのを。侯爵領でも討伐されたモンスターを食べることはありますが、一部の美味しいとされるものだけ。


 あとはサバイバル訓練みたいなもので、山の中で携帯食料が乏しくなってくると、そのあたりで手に入るものを鍋にどんどん放り込んでグツグツ煮えたら出来上がり。とってもワイルドな侯爵家の特製鍋の具材にしますけど、あんなもの喜んで食べたいわけではないですよ。


 そのあと馬を買い取ってくれそうな店を尋ねたら、ここでも買い取れると言われました。どうやら冒険者ギルドの買取はなんでも屋みたいなところがあるみたい。


 狩ったもの、拾ったもの、掘ったもの、とにかく少しでも換金できそうな価値のあるものは全部が冒険者ギルドで買取できるとのこと。


 とても便利ですね。


 馬車と、それを曳く馬だけは残しました。


 徒歩での移動では時間がかかりすぎますし、乗合馬車も路線が限られまして……路線バスの旅みたいでおもしろそうなんですけどね。いまの私は和平工作をやっている密使なので、旅を楽しんでいるわけにはいかないのです。


 内政チートを目指す転生者とか、どこかにいないですかね? リニアとまではいいませんが、せめて新幹線くらい作ってくれたら便利なんですけど。まあ、なんならどこでもドアでもいいですけどね。


 買い取りのギルド職員が登録証を出せというので渡したら、ペンでなにやら書き込んで受付に持っていくように言われました。


「ゴブリンばかりとはいえ、こんなに魔獣を狩れるならFランクはないだろう。1つ上げるように書いておいたから、新しい登録証にしてもらえ……本当なら2つ3つ上げてもいいのかもしれないが、さすがにゴブリンだけだといくら数が多くても、いきなりDランクはどうかと思ってな。また、なにか狩ったら持ってこいよ」


「高価買い取りしてくれますか?」


「ギルドは相場買い取りだ!」


 とても親切な職員にお礼を言って受付に戻りました。


 新しい登録証を作ってもらう間、掲示板でどんな仕事があるか見ておこうと思ったら、さっきの獣人族の冒険者がいました。こちらにもお礼を言って銀貨と売り上げの1割を差し出しました。


「おごってやったつもりなんだけどな……なんか、えらく多くないか?」


 まあ、彼が困惑するのも無理はないかもしれません。


 ゴブリンが192頭。これが1頭あたり銀貨4枚になりました。


 馬は馬車を曳く2頭を残し、誘拐犯どもが乗っていた12頭を1頭あたり金貨5枚で売りました。


 合計で銀貨が768枚。金貨が60枚。


 すべて銀貨に換算すると1368枚ですが、自分の足に使うために残した馬をギルドの馬屋で預かってもらったら銀貨8枚とられたので、彼には御礼を含めて136枚の銀貨を渡しました――銀貨1枚が1時間もしないうちに136枚になったら不思議な気持ちになりますよね、普通。


「ここにくる途中で手に入れたものを売ったので」


「冒険者登録にきたというから初心者かと思ったら、かなりの腕なんだな」


「本当は2割引かれるところでしたので、その分を山分けで1割」


「いいのかぁ……」


 獣人族の冒険者は首を傾げていますが、放っておいて依頼を見ます。もらいすぎとおもうなら尻尾の先っぽでいいので触らせて欲しいのですが、今日はじめて会った獣人族にもふもふさせろと頼んでも嫌な顔をされるだけですので、ここは我慢、我慢。


 まあ、頭の中の妄想では蹂躙しまくってますけどね、もちろん。












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