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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

喰われます。

作者: あみあみ



 山脈に響く咆哮。

 山脈の谷間に動く巨大な影。

 小山ほどもある竜だ。

 その竜こそが、咆哮を上げた存在であり。小山ほどもある竜の前には、みすぼらしい鎧を着て、普通の剣よりも短い剣を構えた少年が立っていた。

 ただ、一人で。

 竜が吼え、少年は剣を構え突撃していく。


 「ぎゃぁぁぁ!」


 突撃して行った少年を竜はその巨大な口で噛みついた。体に噛みつかれ竜の口から上半身を出したままの少年は手にした剣で竜の頭を攻撃するが効いてはいないようだ。


 ーーゴリィガリィ。


 「ぎゃぁぁぁ!!!!!」


 竜の巨大な牙が喰わえた少年の血肉を切り裂き骨を砕き、そのまま上半身も一気に口へと入れる。

 手にしていた剣が持ち主を失い地面へと落ちた。

 少年の断末魔の叫びが竜の口から弱々しく響くが直ぐにその声は無くなった。

 少年の肉は相当に美味しいのか、竜は涎を垂らし何度も咀嚼を繰り返し喉を鳴らして飲み込んだ。


 『グギャァァァ』


 直後、竜は苦しみに満ちた咆哮を上げ、その巨体を崩し暴れ回る。

 振り上げ降ろした尾が谷を木々を凪ぎ払い破壊する。

 それでも竜は暴れるのを止めない。

 体を何度も何度も打ち付け、その巨体をお腹を上にしてひっくり返り。口から泡を噴いたかと思えば、突然痙攣と共に血を吐き出し動きが鈍っていく。

 そして、竜は動かなく成った。


 しばらくして仰向けの竜の腹の内側から刃が突き出てゆっくりと切り裂いていく。


 「くっ、痛ぇ。しかも、しんど・・・あー、死ぬかと思た。流石に予備のナイフだと厳しいな」


 竜の腹を切り裂き這い出てきた来たのは、喰われた筈の少年だった。


 「くそ!また痛み始めた!」


 当然、服はもう元の形がない程にボロボロだが、少年には竜の血で汚れてはいるものの傷一つ無さそうだが、少年は痛みを堪えている様で顔が青い。

 それでも徐々に痛みが収まっているのか、動きが良くなって来る。

 しばらくすると少年は問題なく動き出した。

 まるで竜に喰われた様子など何処にも無いように。

 これは少年のスキルによる恩恵のお陰である。

 この世界にはスキルがある。

 十五歳の成人の日、神々より授かる人よりも優れた能力。

 スキルはだいたい貰えるのは、一つ。たまに二つ貰える人がいるが、三つだと大きな街に一人いれば良いほどに珍しい。

 少年は貰えたスキルは二つだった。二つでも多い方で少年は喜んだ。ただ、貰えたスキルは、一つは完全再生。腕が切り落とされようが、首が落とされようが時間さえあれば生き返る。ただし、痛みは消えないから後で痛みの振り返しに苦しむが、怪我が時には引退に繋がる冒険稼業にとってはなかなかの当たりスキルと喜んだ。が、問題はもう一つのスキル。

 もう一つは、全身猛毒。

 得たときはそれが何の役にたつのかと思ったが、ハズレスキルは良くあることと聞いてその時は、完全再生が当たりスキルなので諦めたがどうやら毒を持つ食べ物は美味しいらしい。

 毒キノコにフグなどがそうだが、少年の肉は魔物にとってかなり美味しい匂いらしく。ただ、襲って来るだけでなく食べようとしてくる。いや、実際に何度もかじられ食べられ。そして、魔物たちは苦しみもがき死んでいった。

 巨大な竜さえ一分程で効く少年の毒は、通常の生き物なら解毒薬さえ間に合わない。

 噂に聞く。キュアのスキルを得た相手だと分からないが、未だキュアを持つ者に少年は会ったことはない。


 「うぅ、流石にこのままじゃキツイな」


 少年は裸に近い状態で竜の腹から出ると、落ちていた剣を拾い。森の中へと入って行く。しばらくして何処からか荷物を担いで竜の死骸の元に戻って来た。

 竜相手に単独での戦闘だったので最初から戦い方は決まっており、荷物を隠して置いたのだ。

 ボロボロの服のまま少年は荷物からノコギリを取りだし竜の角を切り落とし荷物に括る。


 「よいしょ!あー、収納欲しい。でも、スキル村は嫌か」


 収納系のスキルは複数ありどれも便利だと聞いた事がある少年は、文句を言いながら鱗などを剥ぎ。出来るだけ金に代えられ部位を取っていく。


 「このまま全部持っていけたらなぁ、超腕力とか物体浮遊でもいいが」


 竜の死骸は高値で代えられるが、少年に竜の死骸全部を持っていく術はない。

 それでも特に金になる部位と持ちやすい部位を取り纏めると、荷物を持って山脈を後にした。

 ここにいると竜の死骸を求め別の魔物と遭遇する事になり。余計な戦闘は避けたい。

 数日をかけて山脈から抜け出た少年は、途中の川で体を洗い。新しい服に着替え。山賊や盗賊が出そうな街道を避けながらも街へと辿り着く。

 知り合いの城門を守る警備員と少し話。街へと戻った少年は、その足で冒険者や傭兵に仕事を斡旋する組合へ向かった。


 依頼斡旋所。

 組合ではなく斡旋所。一般や政府からの雑用を受付、冒険者の能力を吟味して仕事を下ろす。中継ぎをする場所だ。

 やることは組合的で、依頼を受けるには登録が必要だがこれは冒険者の為ではなく。冒険が犯罪行為や依頼失敗時の責任を追及するために、斡旋所として必要性があるだけだ。

 また、斡旋所は素材の引き取りもしており、どちらかと言えば冒険からの素材引き取りの為にも登録がいる。

 当然、冒険の生死には関与はしない。


 「お、戻って来たか」


 受付には屈強な男が座っていた。

 冒険者や傭兵などという荒くれ者たちを相手にするので受付はどの場所でも元冒険や元傭兵等で女性がいても裏での業務がほとんどだ。


 「これが依頼書と素材と倒した場所の地図だよ」


 「おー、すげぇな。流石は二級、これで一級に上げても問題ないか?」

 

 「一級は止めてくれよ。俺の腕前じゃ無理だし」


 少年は自分の冒険者としての腕前をよく知っている。剣の腕前では少年はせいぜい四級。普通だ。

 あくまでも少年が竜を倒せたのは全身猛毒のスキルによる恩恵があっての事で、それは依頼を斡旋する受付でも分かっている話だ。

 少年はあくまでも単独で行動しパーティーは組まない。それは少年の戦い方が基本的に自爆だからだ。パーティーを組んだとしても、戦い方が変わるとは毛先程も思っておらず。

 どう考えても、少年の取り分が減る事しか考えられないからだ。

 本当は二級も嫌なのだが、二級でないと旨味が大きい仕事が受けられない。

 本来なら竜退治は実際は其ほど旨味が大きい仕事ではな。パーティーを組んでの退治が一般的だが、上位の治癒が出来るスキル持ちは、まず国に雇われるので冒険者などに成る者はいない。冒険者になる治癒スキル持ちはせいぜいが怪我が治せる程度だ。その為、多くの傷薬や医療具が必要になり。その他を含めれば準備にそれなりの金が掛かる。少年のスキルはそれを身一つで済ませられて、旨味が大きいモノにしてくれるのだ。


 「そうか?剣でも十分、三級程度はあると思うが」


 少年は、受付のおっさんの言葉に首を振り。依頼分の報酬を確認後。

 その殆どを斡旋所に預け、持ち込んだ素材を渡すと受付から離れた。

 大金を持ち歩かないのは、盗賊に襲われたり、スリ等で無くさない為の安全作だ。


 しばらく暮らすための必要最低限のお金を持って、少年は手近な酒場に入り。手慣れた様子で鳥料理とお酒を注文した。

 ハーブとワインで匂いを消し、ブイヨンと様々な野菜と一緒に煮込んだ鶏肉は甘く肉汁はタップリあり。旨味が凄くある。

 お酒は赤ではなく冷えた白。


 「うっまー!」


 少年は生きていることを実感しながら食べ進める。

 冒険の間はろくなものを食べれないので、街に戻りこうして美味しい物を食べられる事に喜びが溢れてくるのだ。

 久々の美味しい食事の後は、暖かい寝床の前に温かいお風呂へと向かう。

 少年はこれからの行動を思い浮かべながらウキウキと酒場を後にした。


 少年は、久々のぬくぬくで柔らかい布団で目を覚ます。

 竜退治は実に良い実りだった。

 素材もかなりの金額に成るだろうと、少年はベッドでニコニコしていた。

 多目に貯金しても十分であり。

 一月は何の依頼も受けなくても良いとさえ思っている。


 「さて、斡旋所に行って持ち込んだ素材の金額を確認しないと」


 一月は休むと決めたものの、しばらくはやることが多いのでノンビリはしていられない。

 素材の確認後、鍛冶屋に行って装備の補充と剣などの打ち直し。

 その後は衣類の洗濯に補充が待っている。


 宿を出た少年は道すがら手掴みで食べられる食事を取りながら、斡旋所へと向かった。




 「おう、来たか」


 斡旋所の受付に着くといきなりそう言われた。

 少年は、今までの経験から少し嫌な予感に顔をしかめる。


 「おう、来たぞ。こっちに来い」


 受付のおっさんは窓際にたむろっていた者たちに声を掛けると、窓際にいた三人組がこちらに向かってくる。

 三人組を見ると政府の役人の制服を着た男性が二人とフードとローブで全身を隠した少年とそう変わらない背丈の謎の人物。

 物凄く怪しいと警戒する。


 「そう警戒するな、一応、仕事の斡旋だ。まぁ、受けなくても問題はないが、ここも政府の機関なんで受けてくれると印象良いぞ!将来的にも!」


 「それ脅し、はぁ、で詳しくは?だが、本気で無理なときは印象が悪くても断るからな!」


 受けたくはない。受けたくはないが、こうもあからさまに言われたのでは受けざる得ない。


 「あぁ、それでいい。おい」


 「こ、こんにちは」


 受付のおっさんに促されフードを取ると赤毛を三つ編みにした女の子が顔を現す。


 「どうだ可愛い女の子だろう!」


 「いや、おっさん!冗談の意味が分からん。というか女の子が何で?」


 「彼女が冒険者を職業に選んからだ」


 ハッキリ言って女性の冒険者は物語のように多くはない。

 冒険者に女性が成るにはそれなりの技術や体力が必要であり。余程、恵まれたスキルを得たときくらいだ。だが、恵まれたスキルなら隣の役人が分からない。


 「彼女のスキルが、収納なんだ」


 「スキル村?」


 スキル村。

 安全や治安上問題に成るスキルを得た人達を収用する村。政府が管理して村から出ることは禁止されているが結婚も出来れば、仕事もあり。衣食住、仕事まで世話をしてくれる。

 望めば村での生活が条件だが。村外の異性とも結婚は可能らしく、移動の自由はないものの刑務所の様な施設ではないので脱走等は一先ず聞かない。ある意味では、恵まれた立場に成れる村だ。

 収納は、空間の隙間に物を入れて運ぶ事が出来るスキルだが、もしも、このスキル持ちが盗賊や泥棒に成った場合。証拠をあげるのが難しい等の問題があって、収納スキルはスキル村行きが普通だ。

 また、収納スキルは国に取っては有効なスキルでもあるのも理由ではある。


 「普通ならな。ただ、彼女の収納スキルは、収納能力が低くてな。収納能力は大袋一つ程度。収納スキルとしては三級」


 「ハズレスキルなのか?」


 「前も言ったがこの世にハズレスキルはない。スキルによって適切な場所さえ決まればそれは直ぐに当たりスキルに変わる。ここはそういったスキルを紹介する場所でもある」


 ハズレスキルが無いと言うのは、紹介所の職員が必ず言う言葉だ。紹介所は過去のスキルの情報を持っており、一般的にハズレスキルと言われてもスキルを使いたいと相談したなら適切な仕事を紹介してくれる。

 少年の全身猛毒スキルも使い方を提案したのは、今話している受付のおっさんだ。

 痛みは伴うがと言いながら。


 「なら、他の使い方があるんじゃないのか?」


 大袋一つくらいの収納では、一般的な物資の運搬には向いてはいないだろう。それこそ屈強な男なら大袋二つ三つは運ぶ。それでも危険物を運ぶなら重宝しそうだが。

 レッドスライスの核とか。

 スライスは核を潰すと倒せるが、レッドスライスの核は衝撃を与えると軟体状の身体を巻き込んで大爆発する。この為、倒すだけなら大型の弓でも出来るが、レッドスライスの依頼の多くはその核の獲得が主な上に、レッドスライスの核は衝撃で爆発するために運搬には大変気を使うし。受け取り規制があり、街中には持ち込めない危険物だ。


 「それは危険だ止めとけ。一つや二つなら問題はないだろうが下手に複数入れると爆発の危険が伴う。一つや二つでは稼ぎにならんだろうが」


 聞いて見るとそう言われた。

 確かにレッドスライスの核の依頼では最低でも十数個単位だ。

 一個二個ではお金には成らない。


 「でも、お前なら彼女の能力を活かせるだろう。昨日、持ち込んだ素材とかな」


 つまり斡旋所として彼女のスキルの使い方に少年を選んだわけだ。

 それも彼女の望みを優先し、少年の意思や思惑は後回しで。

 どうやら、やっぱりスキル村の住人ではあるようだ。


 「それで受けてくれるか?」


 「いや、それでも収納スキルだろう?良いのか外に出して」


 「まぁな、だからお前に預けるんだ。それにだ、上位の冒険者が初心者に教えるのはよくあることだぞ。どうだ受けてくれるよな」


 何だろうか?

 えらく押しが強く気になるが、此れあまり聞いては行け無いのだろうか?


 「・・・了解」


 「話はついたか?」


 「あぁ、コイツが彼女を見る」


 「そうか、なら、ほら挨拶しなさい」


 受付のおっさんと少年のやり取りを見ていた役人たちは、少年を少し訝しげに見ながらも。少女を促し、少女はモジモジしながら一歩前に出ると。


 「テルリアです。大楯を使えます」


 「大楯?」


 「はい」


 テルリアがローブをめくるとまるで亀の甲羅のようにその背中に大きな楯を背負っていた。

 まさかの防御職だった。


 「それでは彼女を頼んで良いかい?」


 「そりゃ良いけど、彼女、本当に良いのか?」


 少年は、役人たちに確認するが頷くだけだった。


 「よし、そっちも話は終わったな。なら、いい仕事を回すぜ」


 ニコニコ顔で受付のおっさんは、一枚の紙を差し出す。

 少年がいつも依頼を受ける時に使われる質の悪い紙ではなく。薄く丈夫な上質の紙を使った依頼だった。


 「巨眼?」


 「あぁ、目玉魔物の一種だな。三級の魔物だが、主な攻撃方法は目玉の発光と体当たりだ。大きさも樽程度だからお前が苦手だという剣で倒せるはずだ。しかも、金額も良い条件だぞ」


 「確かに、三級魔物にしては良い条件だ。おーい、テルリアさんはこの依頼受けるが良いか?」


 「え、私ですか?」


 「嵌められた気はあるが、一応仲間に成ったわけだし意見を聞くのは普通だろう?」


 少年は、テルリアにも意見を聞くが、テルリアの方はまさか自分に意見を聞いてくるとは思ってはいなかった様だ。


 「えーと、すみません。よく分からないです」


 「む、そうか。それなら依頼書の読み方を教えておくよ。文字は読める?」


 少年の言葉にテルリアは頷いた。そして、少年はテルリアに依頼書の読み方を教えて、改めて聞き直す。


 「そうですね。条件は良いと思いますし、この魔物なら私の楯も役立つと思います」


 テルリアは少年に依頼書の読み方を教わったとはいえ、当然の事ながら自信は無さそうに答え。

 少年は、依頼書を受付のおっさんに受ける事を言って更に細かい条件を積める。

 その様子にテルリアは戸惑っていたが、側にいた役人たちはお互いを見て頷きあい。テルリアにボソボソと耳打ちして、テルリアは頷くが、受付のおっさんと話している少年は気がつくことはなさそうだ。


 「じゃ、それで」


 「話はついたか?」


 「そうか、それではテルリアを頼む。我々はここで失礼するとしよう」


 役人たちはそう言って斡旋所を出ていってしまい。少年は、少し困った様子で残されていたテルリアを見る。


 「そ、それじゃ、図書館に行こうか」


 「図書館?」


 不思議そうなテルリアを連れて少年は紹介所を出て、図書館へと向かう。

 元はこの地の支配貴族が持っていた書物を、貴族や王族が倒れた時に回収や接収を行い。貴族に付いていた騎士の屋敷を接収し改修して、今では国民なら誰でも使える図書館に成っている。


 図書館に着いた少年は、国民証を受付に見せて、テルリアと図書館に入る。

 元は騎士の屋敷だった為に、部屋の扉を取っ払ただけの図書館はそれぞれの部屋にどんな本があるのかプレートが掲げられている。が、少年は慣れた様子で、迷わずに二階へと向かい一室に入る。

 プレートには、魔物と書かれ。大きな棚の半分ほどを本が占めていたが、残りはスカスカだった。


 「これらの本は貴族達から?」


 「寄付もあるけど、ほとんどはそうだと思うよ。でも、元貴族達は接収される前に売ったりしているからこの図書館の棚いっぱいに本が貯まるには時間がかかるんじゃないかな?」


 少年はテルリアと話をしながら一冊の本をテーブルに置く。


 「これは?」


 「アーベスで発刊された魔物の研究本」


 少年はテルリアに説明しながら本を開き、目的のページを開く。

 そこには丁寧な絵で魔物の姿が書かれ、説明書きも書かれていたがそれはアーベス語であった。


 「アーベス語が出来るのですか?」


 「当然、アーベス語は冒険者用語の塊だよ。平民の語学をさせていなかったこの国とは違い、アーベス語の辞書は平民にも昔から採用されていたのも理由だけどね」


 だから、かつて貴族たちはアーベス語は平民語としては蔑み、この国の文字を読み書き出来る者こそが貴族だと言っていた。

 それなのにこういった本の多くがアーベス語なのは、この国の発刊する能力が以下に低いか示している。


 「ま、今ではそれも無いんだけど、それでもアーベス語は大事だよ。先ず、この国の言葉とは違い、どの国でも通じるからね。だから、アーベス語のこの本も読める。で、巨眼だけど・・・」


 少年はテルリアにアーベス語で書かれた魔物の説明をしながら、アーベス語を習得する意味を伝え。テルリアは、戸惑いながらも頷く。


 「あー、厄介じゃん」


 「何がです?」


 「こいつ進化型だよ。進化型て言うのは成長すると共に上位種に変化する魔物だ。例えで言うなら、竜は卵から生まれたときから竜の姿のまま大きく成るだけだが、こいつはバックベアードという別種に変わる」


 バックベアードは目玉魔物の上位種だが、巨眼とは違い。体から複数の触手を這わせ、体当たり以外に怪光線などの攻撃方法が追加され大きさも巨眼の倍に成る。

 少年はそれらの情報を雑紙に炭で書き写していく。

 そこまで少年がする理由は、少年がスキルを信じていないからだ。

 スキルは確かに強力な武器と成るも、決して信頼していい力ではない。

 例えで言えば、少年の完全再生などはもしも少年自身が地中や水中に閉じ込められた場合など、後に残るのはまさに生き地獄だ。甦っては苦しみもがき死ぬの繰り返しが永遠に続く。

 スキルを信じるな。

 それは冒険者に向いたスキル持ちが必ず教わる言葉で、軽んじればいざというときにスキルは使用者に牙を向く。

 そうやって死んでしまう冒険者は多い。

 冒険者は只でさえ致死率の高い職業だ。

 百人の冒険者が居たとして一年後には十人生き残れば良いと言われている。その内五十人は遺体さえ回収されることはない。

 増える人間の口べらしの仕事だとさえ言われる。


 






 ま、やってみるしかないか。

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