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第二章:夢の中 16話

その疑問はどうやら顔に出てたらしい。



「なんでわかるのかってか。簡単なことさ、みんなそうだったからだよ。みんな同じように所長の所に頼みに行った。そしたらあっさりOKだった。今日のお前みたいにな」


「みんなですか?」


「あー、正確に言うとみんなではない。だが、今はまだ所長の所に行ってない奴も、いずれは必ず行くことになる」



進藤はコップの水を一気に飲みほしてから、話を続けた。



「石橋所長が一人ひとりの仕事量を全部チェックしてるのは知ってるだろ。あれはな、一人ひとりの仕事量がちゃんと足りてるのかを見てるんだよ。それで、まだこいつならやれそうだと思ったら仕事を増やすってわけ」


「でも、何のために?」


「一人ひとりが、できるだけ多く仕事をこなした方が、事務所にとっては良いに決まってるだろう。そいつがこれ以上仕事増やすのは無理なら、いずれそいつ自身が言ってくるだろ。まあ、お前の場合は頑張りすぎてたけどな」


「なるほど・・・」


「ちゃんと仕事こなした分給料もらえるしな。だからみんな文句も言わずにせかせか働いてる」



だからか、可哀そうってのは。


さっさと所長に言ってしまえばいいものを、無理して頑張って、何も知らない可哀そうな奴。



「はぁー・・・」



自然とため息が出る。


本当に早く所長の所に行っときゃ良かった。


でもま、ちゃんとその分もらってるみたいだからいいか。



「それと、平沢さんいるだろ」



まだ何かあるのか。

それは口には出さずにだた頷く。



「あの人はいっつも仕事押し付けてくるだろ。あれはな、石橋所長に頼まれてるんだよ。まだ仕事に余裕がありそうな奴には仕事を増やせって」


「俺、全然余裕ないのに頼まれてたんですけど」


「それは平沢さんの目がダメだったんだろ。お前は、人前では普通にしてるみたいだからな」


「・・・どういう意味ですか?」


「きついならきついって言わないと、損するってことだ。あと、人の目ばっか気にするのもやめた方がいい」



そう言って進藤は席を立って、会計を済ませに行った。


あの人は、どこまでわかった上で言っているのだろう?

いつからそういう風に思っていたんだろう?


いろんな疑問が浮かぶ。

なんだか変な気分だ。

胸がざわついている。

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