第二章:夢の中 15話
懐かしみながら店内をじっくり見回してから、進藤の方を見ると、進藤は片肘をついてまっすぐ俺を見ていた。
何か考えているような、真剣な表情。
進藤にそんな風に見られるのは、少し気持ち悪い。
「な、何すか」
「・・・」
何かある。
「こうやって食事誘ったのも、何か話があるからなんですよね?」
そう問い詰めると、進藤はため息を一度ついてから腕を組んだ。表情はさっきまでとは逆で、なんだかニヤニヤしている。
「お前にさ、あること教えてやる」
「あること?」
「なんかお前、可哀そうだからなー」
は?可哀そう?
「どういう意味ですか・・・?」
「そのままの意味だ。でもま、もう違うのか」
「違うって何がですか?」
「可哀そうじゃなくなったってこと」
「はい、お待ちどお様」
ちょうどその時、頼んでいたうどんが来た。
湯気が辺りに立ち上る。
「さ、食うか」
進藤がパキッと割り箸を割ってから、うどんをおいしそうにすすった。
食べるよりも話の続きをしたかったのだが、仕方がないから俺もうどんを食べ始めた。
何の会話もなく、二人して黙々とうどんを食べていた。
「可哀そうじゃなくなった」と進藤は言っていた。
平沢さんの仕事を断ったからだろうか?
それにしても、進藤は今まで俺を可哀そうだと思っていたのか。
そんなことを考えながら食べていると、うどんはもう後わずかになっていた。
進藤の方も、もう後はつゆだけになっていた。
「お前さ、事務所来てすぐ所長の所に行ったろ」
「なんで知ってるんですか?」
「まぁ、なんとなくな。で、何話に行ったんだ?」
「・・・仕事の量を減らしてもらいに」
「やっぱりそうか」
やっぱり?
「所長、あっさりOKしてくれたろ」
「・・・はい」
どうしてそんなことがわかるんだ?




