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第二章:夢の中 11話

「今は、言いません」


「なんで?」


「何ででもです!」


 

彼女は意外に頑固なところがあるらしく、結局言ってくれなかった。


 

「でも、みんながみんないい加減だったら困りますけどね」


「確かに。真面目にしなきゃいけない時は真面目にしないとね。でもそうなると息抜きとかって難しいんだよね。そんなに要領よくないし」


「そういう人には、誰か一人でもその人のことをわかってあげられる人がいればいいんですけど。もしくは、気を張らなくていい場所とか、好きなこととか」


「それなら、俺はもう見つかった」


「・・・私もです」


「・・・そっか」


 

それから昨日のようにずっと長い間いろんなことを話した。


今まで一番恥ずかしかったこととか、読んだ本のこと、バイトでの失敗やサイのことも話した。


次の日も、その次の日もたくさん話した。


 

そして彼女と会ってから5日目、つまり有休最後の日。


 

彼女と話しながら仕事のことを考えた。


残業続きだった毎日に戻る。


それじゃ、何も変わらない。


 

「いいかげんなくらいが丁度いいですよね」


 

いいかげん・・・


彼女が言っていた通りにしてみるのもいいかもしれない。

さすがに仕事で“いいかげん”にすることはできないけど。


 


 


次の日、久々の出勤。


事務所へ行く足も、いつもとは違って少し軽かった。


 

でも、少し不安だ。


 

今まで何も文句も言わず、与えられた仕事をキッチリやってきたから、いきなりどうした?って思われるだろうな・・・。


 

だいたい、許してくれるのかもわからない。


 

でも、何かしないと何も変わらない。


 

自分自身も、周りも。




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