第二章:夢の中 8話
そんなことを時々考えながらもどんどん読み進めていった。
ちょうどその本を読み終えた頃、時刻は2時を過ぎていた。
昼飯、食ってない。
サイを見るとちょうど昼寝中だった。
昼飯はチャーハン。ちょうど出来上がったころにサイも起きてきた。
サイに餌をやって、チャーハンを口に運びながらこれからどうするか考える。
特にどこか行きたい所もないし。
テレビもまだワイドショーとかしかやってない。
知り合いもみんな仕事中だろうし・・・。
DVDでも借り行くか。
全部きれいに食べ終えてから、着替えてレンタルショップへ出かけた。
前から気になってたのと、今人気のと、アクションものの全部で3本、3泊4日で借りた。
レンタルショップを出て、そのまま帰るつもりだった俺の脚は、とある場所へ向かっていた。
この町にある少し小さな町立図書館。
話している時に彼女が言っていた本が気になったのだ。
俺の知らない本のタイトルだったから、あんまり覚えてないけど、一応探してみたくなった。
図書館に入ると図書館ならではの匂いが漂ってきた。
図書館なんて久しぶりだ。
学生の時以来ずっと使ってない。
というか、ここの図書館に来たのは初めてだ。
まずはカウンターに行ってカードを発行してもらった。
そのついでに、その図書館員の人に俺の覚えている彼女が言っていた本がどこにあるのかを聞いた。
どうやら結構人気の作品らしくて、その図書館員の人はすぐに案内してくれた。
しかも、その本と同じジャンルのお勧めの本も教えてくれた。
夢の中の彼女も、こんな風になるのかな。
ごく自然に、そんなことを思った。
一応勧めてくれた本も入れて3冊借りて帰った。
帰り際、ある疑問を抱いた。
・・・彼女はこの世界に存在するのだろうか?
彼女は夢の中にでてきた人であって、本当は存在していない可能性もある。
こんな根本的なこと、何で気がつかなかったんだろう。