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第二章:夢の中 7話

彼女はとても楽しそうに本のことを話した。

きっと本当に本が好きなんだろう。

そんな彼女の楽しそうな顔を見るのは好きだった。


俺たちは長い間話し続けた。

どのくらい話したかわからないくらい話した。全然疲れなかったし、退屈にもならなかった。


こんな楽しい時間を過ごしたのは久しぶりだ。


この時間がずっと続けばいいのに・・・


そう願っていたのだが、そういうわけにはいかなかった。

彼女はいつの間にか消えていた。

俺が瞬きをして、目を開けた時には跡形もなく消えていた。


 

まるで、最初から存在しなかったみたいに。


 

でも別に寂しくなかった。

かと言って、悲しかったわけでもない。


 

だって、きっとまた会えるから。


 

そうだ、今度は何の話をしよう?

彼女は本の他に何が好きなんだろう?

 


まるで子供みたいに、そんなことを考えるのが楽しかった。


 

しばらくして、俺もその世界から姿を消した。


 


 

―――いつもと同じ目覚め。


目覚まし時計を見る。今の時刻は・・・9時か。

ちょっと寝すぎた。


ニャーニャー


いつの間にかサイが俺のお腹の上に乗っている。


 

「ああ、餌か。ちょっと待ってな」

 


サイを床に下ろし、ベッドから出て伸びをする。

いつもと同じ目覚め、さっきそう言ったけどそれは撤回。いつもより何倍も、すがすがしい目覚めだ。


 

「さ、朝飯だ」

 


サイと俺の朝飯を終え、昨日買った本を読みはじめた。


 

やっぱり、本は良い。

自分のことを考えなくていい。

将来の不安を抱かなくていい。

本の世界はここじゃない。

俺の見ている世界じゃない。



彼女の見る世界はどんな感じなんだろう?



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