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1話:目覚めの朝
(………ふぅ)
重い身体を起こし、周りを見渡しいつもの光景に安堵した。いつも通りの質素なベットに飾りげの無い部屋。
安くも高くもない平凡な宿の2階にある部屋である。
(しかし久々に昔の夢を見たな…)
忘れたくても忘れなれない過去の遺産。
(もしかしたら忘れないように夢に出てくる呪いかもな)
俺が人生を掲げても叶えたい夢。いや、叶えなければならない夢である。
(まぁこんな呪い意味は無いがな)
夢に出てこなくても忘れるはずがない。例え俺の存在が滅んだとしても生まれ変わってでも成し遂げる。
(それに呪いなんてものは信じていないがな)
この世界には魔法や魔術類のものは存在しない。それでも占いやまやかしの類のものは存在する。
(それにしても腹が減ったな…)
正確な時間までは分からないが、窓から太陽を確認するとほぼ真上にある事から昼前後だと思われる。
気だるげな身体に鞭を打ち、1階の酒場へと向かったのである。
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