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私、人型に変身してみます

いつの間にかぐっすりと眠っていた私は、扉をコンコンと叩く音で目を覚ました。

いやはや、あの状況でも慣れてしまう自分の図太さに驚きを隠せないや。



「…誰だ。」



ノックの相手に声をかけると、そいつは「失礼します。」と扉をあけて入ってきた。




「おはようございます。ドラゴニカ様。

本日のお食事の準備が整いましたのでお伝えに参りました。」



蒼髪のその男…確かアガルス…って言ってたよね?

長身で蒼色の長い髪を携えている彼。その双眼もまた淡い青色をしていた。



「…あの、ドラゴニカ様?」



「…あぁ、もうそんな頃合いか。

よい、準備して向かう。先に行っていてくれ。」



「はっ、それでは失礼いたします。」



アガルスが部屋を出て行ってから一つ、欠伸をしのそのそと洗面台へと向かう。

っと、その前に色々と試したいことがあるんだった。

一眠りしたからか、頭は驚くほど冴えていて。

自分がなにができてなにができないのか、とか。

魔王になった経緯とか。そういった事はしっかりと理解できていた。

そしてそんな中で興味深いものがいくつか。


一つ目は自分がこの世界でも稀な二属性持ちだという事。

通常、魔物と呼ばれる類にはそれぞれ属性がある。大きく分けると火、水、木、闇、光。そこから色々とさらに小分けにした属性ができている。

そしてその属性にも相性がある。

先程のアガルスは氷属性。氷属性は水属性に分類される。その為、空気中にある水分と魔力を結合しなにもない空間に氷槍を作り出せた。

私は火属性と闇属性。二属性持ちに加え、その2つが5元素に含まれることから希少度は上がっている。

5元素を使える魔物はそれぞれ領地を持ち、それらを治める長として君臨する。

私ももちろん、2つの領地の長ということになっている。

まあこの話は追々整理するとして。


2つ目は魔力について。

私はどうやら底知れぬ魔力を持っているらしい。

ドラゴニカの記憶を振り返っても今まで魔力切れしたことはないし、どんな攻撃を受けても大ダメージを受けたことがない。

これ絶対ステータスとかあったらカンストしてるやつだわ。

そしてこの魔力っていうのがすごい大切みたい。

魔力が枯渇するということは魔物にとっては死に直結しかねないとんでもないこと…みたい。

これは昔読んだ本の知識。私自身は特にそういう経験したことないからわからないけど。


そんで3つ目、これが本当に気になっていたこと。

ドラゴニカは今までやったことないみたいだけれど…


「人型…」



これも昔、ドラゴニカが読んだ本の知識。

なんでも人に化けることができるらしい。

ドラゴニカは人間が好きではないから、人型にならないようにしてたみたいだけれど…私元人間ですし?どちらかというと人間歴長いから人間として生活したいし。っということで…


「やってみますか!」


ちなみにドラゴニカは誉れ高き?竜族?というやつらしく。竜族は基本的に両性らしく竜族の成人年齢である500歳(人間でいう20歳)を迎えた時に性別が決まるらしい。ドラゴニカは今の21歳。性別も決まっているが、なんせ竜族だからね。この見た目じゃ女か男かわからない。

でも、声的に男な感じだからなー…腰に布でも巻いておこう。


そうして挑んだ人間化。自分の体に魔力を巡らせるイメージ。そして、人型を保つことに意識を集中させて…


自分の体が形を変えていくのがわかる。そして



「…よし。完了。…ん?」



ん?待って。なんか、胸に膨らみが…?


勢いよく鏡に目を向ける。

そこには炎のように真っ赤な髪。少しつり上がった意志の強そうな朱の瞳。可愛らしい顔立ちの…



「ドラゴニカ…あなた、女の子だったのね…?」



まぎれもない女の自分が立っていた。

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