episode3
インフルエンザ辛すぎ
文理選択episode3
薫から連絡があったのは午後九時過ぎだった
余計な返信も返ってきたが無視した。
「相川唯…ねぇ…」
国語女の名前
何がこんなにこの女に執着させるのか。
俺はわからなかった。
だが名前を知ったところで特に何がある訳でもないし、彼女にするつもりもない。
彼女、ね。
少し嫌な気分になった。
思い出したくもない事を思い出し、その面影を国語女に重ねる。
そんなのは仕事の出来ない奴がやる事だ。
俺のやる事じゃない。
…いや、俺は有能でもないな
更なる自己嫌悪に陥いる。
俺にとってはどうでもいいこと
だった。
中学の時のことなんてもう忘れろよと自分でも思う。
そんな時、国語女の顔がよぎる。
相川と言ったか
似ている部分が無い訳でもない。
だがその都度あの光景が蘇る。
8月の蒸れた空気がじわりと染み込む
俺は寝ていた。
時計の針は夜中の1時を回ったところだった。明日提出の宿題をサラッとすませた後の2度目の睡眠は少し浅かった。
朝
黙ってたって世界は進み
寝て起きれば陽は沈みやがて登ってくる。
夜も夜で好きでもないが
朝も朝で好きでもなかった。
昼はもっと好きじゃなかった。
晴天。
明るい空気が身を刺し貫く気がした。
体が重い。
なにかに救われたい
そう思いながら自転車に跨った。
インフルエンザ辛すぎやろ