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分離選択  作者: 分離選択
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episode3

分離選択episode3


家に帰った後ご飯を食べて部屋に戻った。

五月の夜は風が温くて好きだった。

今頃高木君は何をしてるのかな

なんて思いながら森鴎外の「舞姫」を読んだ。

何回も読んだ作品だけど、読む度に意味が変わるのが楽しかった。

でも

「舞姫」みたいな恋愛は出来ないのも知ってたから、今回はそこまで感情移入はしなかった。

私は高木君の事が好きだけど

私は高木に好きになってもらいたいのかな?

嫌われるよりは好きになって欲しい。

でもそれは私の願望であって、

事実ではなかった。

文理選択を理数にしたからと言って高木と恋仲になれるわけじゃないし、そもそも顔も覚えられてない。まずはそこから!

…なのかなぁ…

「あいさつでさえ緊張するのになぁ」

面と向かって会話なんて

「死んじゃうぅぅ…」


中学の時は図書委員で、部活はやってなかった。3年間やった図書委員では最後は委員長を務めた。私の誇りでもある。

学校の本は大体読んだし、街の図書館にもよく行った。

中3になったとき進路を考え、単願で創明学園を受験した。

私立は設備がいいから、と親は言っていたが私は図書室にしか興味はなかった。

わくわくしながら行った図書室が中学とさしてかわらなかった時は少なからずショックだった。

高木君はどうして創明に来たんだろう?

自慢ではないが結構偏差値は高いはずだから並の成績では入れないと思うのだか、高木君の事だからサラッと合格するビジョンも余裕で見える。

考えれば考えるほど謎は増えていく。


お風呂から上がりベッドに大の字になると

そのまま寝てしまった。

夢を見た。

中学2年の時に告白された夢

断ってしまったのだが、何故かいつも心の中に出てくるのだ。

その時別に好きな人がいるわけでもなかったけど別に好きな人でもなかった。

さよこに断った事を知らせると、

「唯は胸が大きいから、それ目的じゃない?」

ちょっとショックだった。

゛私自身゛を見てくれてるわけじゃなかったのかな、と思うと少しだけ悲しかった。

もちろんそうじゃないかもしれないと思いたかったけど、後の話で本当にそれ目的だった事がわかった時は虚しくなった。


起床、朝7時半

母親に叩き起された。

急いで支度して電車に乗ると丁度ラッシュに巻き込まれた。

ムワッとする嫌な匂いも割と慣れてきたが

これだけは慣れなかった。

お尻の辺りでモゾモゾと何かが当たってる。

これで8回目の痴漢だった。

男性の荒くなる鼻息。

…気持ち悪い…

でも私がこの人の痴漢を告発すれば、この人の家庭や仕事は全て崩れ去ってしまう。

お尻を撫で回す位なら…

一時の魔が差したのなら許そうと思ったが、8回目となればもう見逃せなかった。

野茂田ー野茂田ー

とっさ降りた駅で


「おっさん、なにやってんの?」

若い青年の声。

バキッ

殴る音も聞こえた。

「jk痴漢するなんていい度胸してんなぁ」

おじさんの胸ぐらを掴む

何か言ってるようだが聞こえなかったが2発目は右ストレートを振り抜いた。

「やめてくださいっ!」

これで懲りてくれればそれで良かった

「あ?犯罪者だぞ、こいつ」

「でもっ、捕まったら仕事も家庭もなくなっちゃうんですよ?!」

「…少なくとも君と俺にはカンケーないね」

そうはいいつつもその場を去ってくれた。

おじさんは額を地面に擦りつけていた。

「…2度としないでくださいね。」

そう言って私も学校に向かった。



私を助けてくれた男性はうちの制服を来ていたけど…誰なんだろう…と校門前まで来てもわからなかった。

「唯ーっ、おはよ!」

適当に返信をした。

さよこより玄関口にいる高木君の方が重要だった。


「ヘースケ!もうチャイムなるぞ?」

馴れ馴れしく高木君に話しかける男。

「…薫か」

痴漢を殴り飛ばした本人そのものだった。


「あぁ、遠藤君?クラス違うけど高木君と仲いいよね!」

「中学一緒とか?」

「わからないけど、チャイム鳴っちゃうよ?」

8時29分、まずい。

急いで階段を駆け上がった。

…遠藤薫君、か

インフルかかりましたわぁ…

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