大崩落
同日、午前九時三十九分。
アズティスが寝台列車を降りた頃のこと。
友人をして「心臓に特級育毛薬をぶっかけた女」と評された二級生の二位は、完全にやる気をなくしていた。
少々危険な任務演習だからあの先輩たちのどちらかが来るだろうと当然のように予想していたし、付き添いの一級生を選べるならアズティス先輩にならお願いしやすいかなと思っていたのに、当てが外れて残念だった。
この場にいるのは七十四人の二級生と、五人ばかりの一級生と、一人の教官だ。
目当ての先輩ではないけれど、一級生の中に運よく知っている顔があった。彼女は二位と目が合うと無表情で手を振ってくれた。アウルベアの乗っ取りの件をご一緒した眼鏡さんだった。
目の前に佇むのは、巨大な一枚岩を利用した洞窟遺跡。外観は想像していたほど大きくはなく、学生寮より小さい程度だ。けれど中には無数の通路が迷路のように張り巡らされていて、もちろん魔物も住み着いているという。
恐るべきはその深さ。
推定地下八千メルトルの深淵は、一度迷えば二度と出てこられないと言われている。
遺跡を背に、一歩前に出たマリアベルが「さて――」説明を始める。
一級生の三位が事前説明を行っているということは、一級生の二位もこの場にいないということだ。
「教科書にも書かれているでしょうが、『ノートリア・ガルナス遺跡』です。少し歩けばノートリア・カシャッサ塩湖がございますね」
ノートリアの名は、かつて崇拝の対象だった創造神と縁深いものに付けられる、と続けられた。聖堂育ちの二位にとっては一般教養だ。
「試験内容は非常に単純なものですわ。この遺跡に生える、指定の薬草三種『漂白草』『光彩草』『ソルトミント』を集めること、これだけです。原則四人から五人のチームで行動してもらいます。チーム分けはくじ引きで決めます」
一瞬の間、
「一級生も一人はつきますが、いないものと思ってください。一級生を頼った時点で探索は失敗とし、即時退却となります。それと鎖で塞がれた道の先は、正規の魔術師も確認していない未踏地です。その鎖に触れた者、先を行こうとした者も失格とします」
見た通り一級生は五人しか来られなかったので、人数調整のため演習には二泊かけます。
今から名前を呼ぶ二十四人はこの場に残ってください。
その他五十人は野外宿泊の準備をしましょう。
など細かい説明が続く。塩湖の周りに宿泊施設があるけれど、野営に慣れることも大事なのだそうだ。任務先で予定外の野宿を経験した二位も、心からそう思う。
それではごきげんようとのたまいそうな上流階級の微笑みで下がっていくマリアベル・カースエリスに、崇拝と礼儀の拍手があがった。
二十四人の中に二位がいた。
この場で箱に入った紙を引かされて、記されていた数字が同じ生徒を探す。三だ。
二十四人の中で、一人の男子生徒と目が合った。
「……げ」相手の声だ。
「うっわ」二位だ。
以前にアズティスとカイルと二位のお茶会の時に突っかかって来た男子生徒だった。あの場ではアズティスの魔力に制圧されてお互いに手も足も出ず、その後は関わらないようにやってきたのに、まさか協力して演習にあたらなければいけないなんて。
「足を引っ張らないでね、って言いたいところだけど……それどころじゃないわね、ちゃんと協力してね」
「上から言うな、レオタールの林檎磨き」
林檎磨きとは、東の国では『コシギンチャク』と言うらしい。腰につけるポーチ。
実を言えば、二位はアズティスのお茶会に初めて招かれてからも、あの不思議な集まりにたびたび参加している。そうしようと思っていなくても、なぜだか彼らは二位が暇な時に限って中庭で飲み食いしているのだ。雨の日は屋内にいることもある。彼らにだって他意はないだろうけれど。
彼らと話す仲になって、たった四か月。
あの悪戯小僧みたいに輝く瞳で「おいでおいで」と招かれると、二位は逆らえないのだった。
二位はアズティスに気に入られた自覚はあるけれど、媚びへつらってはいないし、むしろ無礼な態度をとっているとすら思う。
けれど林檎磨きを否定したところで無駄だろうし、この男をまともに相手する気もなかった。
「ねえ知ってる? アズティス先輩って林檎好きみたい。カイル先輩がよく林檎の紅茶淹れてくれるんだって。林檎のクッキーも焼いてくれるの。とっても美味しいわよ。これで貴方も先輩博士よ、良かったわね」
「余計な知識を擦り込もうとしないでくれないか」
「はいはい、他の人探すわよ。演習に来てるんだから真面目にやってよね」
「ぐ……っ」
同じ数字の、残り二人を捜した。
一人は留年した女子生徒セリーヌで、もう一人も留年した男子生徒リトだった。毎年恒例の演習だけあって、どちらも経験者なのだそうだ。
リトは、カイルのルームメイトにして二級生の一位だ。二位と同じ班になると、他とのバランスが取れない。けれどこれもくじ引きの結果なので文句も言わずに従うことにする。
四人で、どこの入り口がいいかと相談する。なにせ入口が複数あるのだ。二位たちは右から二つ目を選んだ。
「わたくしがご一緒します」
ついてきてくれたのはマリアベルだった。
これには、マリアベル信者の男子生徒――モーリスというらしい――とリトが喜んだ。
二位の知り合いの眼鏡さんは、とっくに他の班に同行してしまっていた。
ぐら、
地面が揺れた。
けれど気にせず演習に取り掛かる。
マリアベルに格好悪いところを見せられないらしく、意気揚々と進みだすモーリス。彼もこの演習は初めてのはずだけれど、臆さず暗闇へ進んでいける度胸だけは認めてあげてもいいと二位は思う。
そう、暗闇。この洞窟遺跡に灯りはない。
「あたしが光だしていいかしら~? しばらくは魔物もいなくて安全のはずよ~」
経験者のセリーヌが間延びした調子で手を挙げた。皆が提案を受け入れて、
「それじゃあ、……よいしょ~~っ」
その場に程よい光が灯る。
ライト。光属性の基本的な魔術だ。
一級への昇級試験に通らなかったセリーヌもやはり二級生の中では優秀で、己の魔術に合った詠唱を使うようだ。
揺るぎのない光の玉が、五人を丸く照らした。
洞窟遺跡の通路は、岩を掘り進めてちょっと固めてみましたという程度の造りだ。ただ当時としては革新的な大事業だったはずだ。遺跡と聞いて真っ先に想像する神殿や王墓のように立派な意匠がなくたって、ただの巨大な岩を開発するのは骨が折れただろう。
横に三人並んでも余裕がある程度の幅があった。
先んじていたモーリスの隣に、照明役のセリーヌが並ぶ。その後ろにリトと二位。彼らを見守るように後ろへつくマリアベル。
リトが余裕そうに周囲を見回しながら、
「いやあ、これほど安心安全な演習もないですよねぇ。経験者二人と成績トップ二人とマリアベル様ですよ、爆速で終わるんじゃないです?」
「そのどれにも引っかからないやつが一人いるんだからちょっと遠慮しなさいよね。モーリスが可哀想でしょ」
「もしかして僕は虐めを受けているのではなかろうか」
二位は前方のセリーヌに訊ねる、
「指定の薬草って去年も同じでした?」
「ふたつは同じだったかな~。『漂白草』はわりとよく生えてたけど、『ソルトミント』はなかなか見つからなかった気がする。『光彩草』は初めて。リト君の方は~? 前回は違う班だったもんね~」
「俺の時もそんな感じでしたねぇ」
「魔物は?」
「奥の方で三体くらい? だったかも~。でもあたし、実戦ではあんまり役に立たないからみんな頑張ってねぇ」
聞きようによってはただの他力本願だけれど、己の実力を把握しているのは好ましい。
ついでとばかりに皆で得意魔術を申告していく。魔術師らしく、己の手の内は明かさない程度に、
「僕は風を使う。攻撃は得意だが補助は苦手だ」
「わたしは電気。ほぼ攻撃しかできない」
モーリスに続いて二位。セリーヌが振り返って、リトに微笑みながら「あなたは~?」
「俺はまあ……色々と。攻撃と補助。推奨魔術ならなんでもある程度はいけます」
「あんた得意もないけど苦手もないやつだもんね」
「ええ、『優等生』なので」
魔術学園の学生が自称する『優等生』は、良い意味ではない。誰にでも簡単に扱える、教科書の推奨魔術を習得するだけで、己に合った魔術を未だ見つけられていないと遠回しに暴露しているようなものだからだ。
二位は鼻白んで「ふうん」と返し、セリーヌは「そうなの~」とほわほわ微笑むだけだった。
しばらく歩くと、『漂白草』と『光彩草』は見つけた。それを慎重に採取して保存容器に入れて、また奥へ進む。最後の一つ『ソルトミント』が見つからず、面白味のない通路を延々と歩く。
危険な任務だと聞いていたのに。
二位は既に飽きていて、雑談に興じる。
「マリアベル先輩」
「もう撤退ですか?」
「いえ、今日はアズティス先輩もカイル先輩もいないんだなって思ってまして。来るかと思ってたんですけど、なんでかなって」
心臓ふさふさ女がそれを尋ねると、モーリスが真っ先にぐるんと振り返り、
「この林檎磨き!!」
「あんたに話してないわよ前見て歩いてよ転ぶわよ」
「よりによってマリアベル様にあの女の話をっどわっ!」
躓いたモーリスに、二位は「だから言ったのに」と呆れている。
マリアベルはぱちくりと瞬きして、特に気にした風もなく応じる。
「カイル様は任務に入る予定がありましたので、そちらに。アズティスは来るはずでしたが、急な任務に借り出されましたわ。なんでも妖精関係で、ご指名だと」
任務内容を共有しているのは意外だなと思ったのが二位の顔に出ていて、マリアベルはとうとう笑う。
「ふふ。誤解なさらないでね、常日頃から彼女の任務を把握しているのではありませんわ。ただ今回は教室でささやかにガッツポーズなんてしていたものだから、訊ねてみたら少しだけ答えてくれて。機嫌が良いアズなんてなかなか見ないから、よほどここに来たくなかったのね」
「あの人って意外とわかりやすい性格してますよね」
(なんだ、そこまで敵視してるわけでもないんじゃない)
二位が見たところ、やはり周囲が過剰に配慮しているだけで、この義姉妹は内心はどうであれ、ちょうどいい距離感を保とうとしているのだ。
妙な空気が落ち着いてきた頃。
よりによってこの絶妙な――視界も不明瞭で、ほぼ逃げ場もなく、皆が油断していた――タイミングで、それは訪れた。
ごごごごごご、と遠雷のように低い音。
全員がそれを聞き取って、すぐに地面が揺れだした。いつもの地震ではないと瞬時に気付いた。
そして奥から凄まじい轟音が響いた。硬いものが重みに耐えかねて崩壊する音と、ほぼ同時に迫りくる低くざらついた音。細かい砂をかき混ぜるのにも似て、けれどさらに重い、これは。
――水。
一瞬の静寂があった。その束の間に、皆が大方の状況を理解した。
この遺跡にごく近い、どこかの水源が崩壊したのだ。
「演習は中止します。退避しますわ」
即座に決断したマリアベルに反論はなく、皆が粛々と退避を開始する。幸い水音は別の階層から聞こえてくるようで、落ち着いて逃げれば外に出られるものと思われた。
地震は収まっている。
そこまで強い揺れでもなかった。
けれど通路の壁にも床にも、深刻な罅割れが生じてしまっている。ぴしぴし、からり。どこかが割れていく音が止まらない。通路全体に走る亀裂。
そしてすぐに、進路の奥からそれがやってくる。
マリアベルがわき目もふらず、
「急いで!」
ほとんど悲鳴だった。もはや演習どころではないのだと誰もが一発で悟って、その場で全速力を出す。ぴしぴしぴし、と背後から聞こえる音に追い立てられるように、必死で足を動かしていく。
先へ先へ急ぐ中、二位は後ろを振り返った。
照明の丸い光の中でそれを視認した時には、すでに手遅れだった。
地割れだった。
恐ろしい速度だった。
逃げ切れるわけもなく、足下に深い亀裂が到達し、
「っ……!」
追いつかれた班員から、足場の地面ごと落ちていった。
瓦礫に紛れて落ちていく二位は、消えていなかったライトで己の行く先を見た。
真っ暗な視界の先には、ライトの小さな光を微かに照り返す水面があった。真っ黒でさざ波立って、底がまったく見えない。絶望的な広さの空間に満ちた、水。水。水。
そしてすぐに、頼みのライトも消えた。
魔物が相手なら、まだ打つ手はあったかもしれない。
けれどそれは強大で、人間にはどうしようもない、大自然の脅威だった。
滞空時間は、体感で三十秒。しがみつく場所もない。すぐ傍を巨大な瓦礫が落ちていく気配だけがして、班員たちの声はすでに聞こえなくて、もしかしたら自分はすでに死んでいるのかもしれないとすら思った。
あまりの恐怖に声も出せないまま、ちっぽけな二位は暗闇に飲まれた。
どぼん。
もうダメかと思われたところで、
(……あれ?)
冷たくない。濡れてもいない。それどころか重力を感じる。
呼吸も――できている。
瞼を閉じても開けても真っ暗な空間の中、ごく間近で知っている声がした。
「こちらマリアベルです。緊急事態ですわ」
呆然としながら、二位は自分でライトを出す。
透明な球体の中に、班の全員が二位と同じようにぽかんとしながら、マリアベルを見ていた。
マリアベルは落ち着いた様子で腕章の裏に指を当て、地上に救難を要請している。
「遺跡の通路が崩壊し、おそらく最下層に落下いたしました。先の地震でどこかの水源が決壊したと思われ、水中におりますわ。こちらには班員の四人とわたくし、マリアベルがおります」
透明な壁の向こうに、濁った水が流れている。
「結界を張り、皆を保護しております。何事もなければしばらく溺死の心配はございませんが、保障できるのは二十四時間程度です。申し訳ありません。余裕があれば、できるだけ早く救助をお願いいたします」
こうして呼吸ができているのはマリアベルの結界のおかげだった。
一時的にでも、最悪な事態を免れているらしい。半泣きのモーリスがマリアベルへ濁点混じりの感謝を述べながら、結界の底に額を擦り付ける。この見事な球体の中でよくそんな器用な姿勢ができるものだと二位は思った。
(助けが早めに来てくれればいいけど)
腕章での通信は一方通行なので、返答は期待しないらしい。「遺跡の入り口周辺に緊急用の拡声器が設置されているのです」とマリアベルは二級生たちを安心させるように言って、優雅に座り直した。
果たして。
二位の班の通信は、問題なく地上の彼らに届いていた。
下層に落下したのは五人のみで、残りは地上に逃げおおせていたのだった。
だからすぐにでも救助に動けるかといえば、そういう状況でもなかった。
逃げてきたのは人間だけではない。
遺跡の一部崩落と、地下に流れ込んだ大量の水により、遺跡の先住民もまた地上に溢れ出していた。
火を吹く獣キマイラ、人の顔と獣の体を持つマンティコア、タランチュラ、アーミーアント、凶悪度も種類も強弱も一緒くたの大群になった、無数の魔物。
未探索の階層からもあぶりだされた大型魔物だって、何十体と見て取れる。攻撃魔術系の魔術師一人で一体を相手取れる程度の個体が、ぞろぞろと群れをなしている。
なんの悪夢だよ、と二級生の誰かが呟いた。
遺跡を遠巻きに囲うように、学生たちが立ち竦んでいる。演習中だったのに這う這うの体で遺跡から逃げ延びた者も、呑気に野営の準備をしていた者も。魔物を外へ逃がすまいとその場に立っているけれど、だからって勝てる見込みはなかった。
逃げ道で運悪く魔物に遭遇し、やられてしまった生徒もいる。道中で二級生を庇って魔物の毒爪に背中を引っかかれた一級生は、おそらくもうあまり動けない。
この場に、正規の魔術師は教官のエリオットだけだ。
まだ未熟な生徒を守りながら戦えるとは思えなかった。
少し待てば、この事態を知った他の魔術師が来てくれるだろう。
けれど。
敵は目の前にいる。
一級生も学生だてらに覚悟する。
マリアベルほどではないけれど結界を張るのが得意な女子生徒が、魔物を覆う結界を張った。
「気休めだけど」
眼鏡だった。範囲が広すぎるゆえに薄くなった自分の結界が、五分か十分かの儚い時間稼ぎでしかないこともわかっている。
「がんばろ、あたし」
ぽつりとつぶやいたその顔は、流石に引きつっていた。
今年最初の雪の一粒が、ぴとりと眼鏡に張り付いた。
このあと間もなく、広大なノートリア・カシャッサ塩湖の湖底の崩落が確認された。
運悪く大量の水が張っていて、崩落した穴から湖水が流れ落ちていた。水の行く先は言うまでもない。崩落直前までの水深は二十センチあるかないかだった塩湖。その広大な面積分の水が一気に流れ込んでしまっては、人間に成す術もない。
五人は地下の水に閉じ込められて救助を待ち、その他大勢はやがて魔物の大群と衝突する。
*
季節外れの雪を見上げながら、アズティスは白い息を吐き出していた。
同級生たちとは大違いの平穏な地域にいる彼女は、屋外で曇り空を眺めていた。
彼女の頭と両肩には、かごから出した妖精三匹が座っている。前侯爵夫妻が飼っている妖精も周囲にまとわりついて、ざわついている。
あぶない
あっち
こわい
あっちのほう
その声を聞きながら、アズティスはどうしたものかと考えこんだ。
何かが起こっている。
けれど妖精は逃げない。ということは、ここら一帯は安全地帯なのだ。
(北の方向か……)
例の任務演習が関係しているとも限らないのに、どうにこうにも消化しきれない、嫌な予感がしている。胸がざわついて、いてもたってもいられなくなる。
玄関のドアが開いた。杖をついた前侯爵が、
「あちらで何かあったのかね」
「何かがあったのはたしかなのでしょうけれど、詳しいことはわかりません」
このまま大人しく情報が流れてくるのを待つのがいいか、自分から動くべきか。
アズティスには、あちらの様子を確かめる手段があった。
(これをすると、もしかしたら色々とバレるかもしれないけど)
その手段を知られれば、今後多くの任務を押し付けられる可能性が出てくる。緊急事態と見るや声がかかるようになるだろうし、通常の任務だっていま以上に引っ張りだこになってしまう。
だからアウルベアの任務でだって、その方法を誰にも教えなかったのに。
「んー……」
唸って、考えて、アズティスは決意した。
「ちょっと様子でも見とこうかな」
こくり、頷いた。どうせこのまま任務を終えて帰るにしても、夜は気になって眠れないだろうし。魔術師の直感は侮れないという通説がはびこる世の中で、これほどの悪寒を無視する選択肢はどうしても選べなかった。
とりあえず情報だけでも集めようと思った。
アズティスなりの、正しい妖精の使い方で。




