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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

今日から学校と仕事、始まります。①莞

大好き

作者: 孤独

『あたし、空くんのこと大好き!』


みたいに微笑ましさ、健気さ100%の告白があろう。

幼少という短い時の中、甘酸っぱい台詞と仕草。ときめくなんて知りもしない、そんな純真な子供達よ。


そんな心も、時と社会、世界の場で変わりゆく、学んでいく。


『あのね、そのね、竜彦のことがね……好き……なの』


恥じるも覚える。

それはどーいう気持ちなのかなって、考え出す年頃になって、伸びやかに成長していく。


『俺は酉さんの事が大好きです!!結婚してください!一生のパートナーにしてください!』


別に女性だけじゃない。そーいう被写体の方が萌えるというか、絵になるというか。でもしかし、男が好きだ惚れたを語るなら叫ぶことがインパクトになる。

世の中、一個人の生命が動くきっかけの一つは、やはり、好き嫌いの判断。好きならば選び、嫌いなら選ばない。そうした選択と選択を繰り返して、今生きている奴がいる。


”大好き”なんて恥ずかしい事かもしれねぇが、誇りの一つかもしれない。世間の目を気にして、我慢して何になるというか……。

やはり、自分が生きる上で1つか2つ、自由に、好きに、自分を振り回すべきだろう。



◇      ◇


「三矢、僕は女子高生が大好きになったよ!!」

「瀬戸!警察に行け!!」


長い前振りからの素晴らしい発言をする者。潔し、変態。瀬戸博。そして、その変態と話をしているのは三矢正明。仲間であるが、こーいう時は仲間だなんて言いたくない。職場で話をするな、女性陣の目もあるというのに……。



「三矢、分かるだろう。女子高生の素晴らしさを!」


瀬戸博は社会人であるが、とっても低身長なデザイナー。その身長故、子供扱いを受けていた人生。生まれた体型や技量は、好き嫌いの選択と違ったものだ。


「可愛さと大人びる姿を併せ持ち、成長していく胸に、見違えて綺麗になる顔と手先。何を着させても絵になって若さというフレッシュを揃えた。最高の年代を持つ女性ですよ!!時よ止まれ!!って何度、女子高生を見て思ったことか!」


そこで否定を、秩序を、風紀を、……なんて言うとしたら、この年頃の男として良くない。瀬戸より年上だし。”変態ではないんだがな”っと、心の中で付けたして


「気持ちは分かる。そんなもんだ。学生時代ってのは、ホントに時が止まって欲しい女子高生っているもんさ。俺も戻りたいあの頃があるし」


瀬戸をフォローした、良い回答である。

社会人から学生を見てしまうと、そーいう本音の羨ましさがある。良い青春を送ってるなーって思って、自分の人生は自分で楽しめって気付けよと、心を押して。きっかけ的な、年齢的なことはいつの事やらと願う。

俺はそんな、これからの学生さんや子供達に、先のことより自分のことを思って生きてくれりゃと、良く思ってゲームを作ってる(三矢は管理職と営業だから、大半作るのは瀬戸達だが)。


「僕、虐められた経緯あるから、女子高生は敬遠しがちだったんだけど」


学生時代。それは色々、人生様々。みんな一緒だなんて諭す奴もいるが。そんなことはありえない。忘れてーもんも、逆にあったからそーなったもん。色々、ひっくるめて生きてやがって


「なんで僕は高校時代、女子高生を好きになれなかったのか。最近、凄い後悔したんだ。ご褒美だったんだよ」

「お前、エロ方向に前向き過ぎるだろ!?」

「放置プレイも、打たれるのも、冷たい視線と溜め息も、嫌悪する表情でさえ、女子高生からだったらご褒美だったの!」

「お前にとっては……。いちお、女子高生ってのは良いもんだが、精神的には大人と子供の中間だ。そりゃ大人っぽい、理知的な子もいる」


三矢は瀬戸の虐められた過去をまたフラッシュバックさせないようにと、気遣いながら話をまともな方に持っていく。すでに最初からおかしな方向に動いていることを忘れているのが残念。


「女子高生ってのは女の汚い心が養われる期間だ。言うなら、不安定な状態だ。被写体として完璧だが、人としては不安もある。夏の熱さにやられて、カップルになる奴等もいるがな」

「……三矢って現実ばかりだね。クリエイターに向かないよ」

「お前みたいな変態魂はさすがにいらねぇ。悪かったな、夢が貧相でよ」


そりゃ夢や希望、好きってくらいの気持ちで、現実を生きていたら、楽しいことばかりか?でも、楽しいことで苦しんでちゃ、意味ねぇだろって俺は、俺の小さくても割れるわけにいかねぇ器だから思うことだ。辛い人生に一つの楽しみで生きていくくらいだよ。


「よし!更なる女子高生を描くために、女子高生の日常を取材したいよ!三矢!レベル高い女子高に取材できるか、交渉してくれない!?アポ取りも仕事でしょ!」

「お前は出禁な!俺だけ行くようにしてやる!!」

「あ!ズルイぞ!三矢もやっぱり、女子高生大好きなんでしょ!?」

「残念だな!俺はちょっと年下が好みだ!女子大生ぐらいが一番の華なんだよ!勉学しながらバイトするマジメな女性が好みかな!」

「嘘だー!結局、若い女の子が好きなだけでしょ!職業や学生で誤魔化してるよ!三矢だってそーいうの……」


瀬戸のしつこい言葉に、三矢もマジ切れで


「あるわ!ボケ!!若い女が大好きで悪いのかーー!?」


職場で吼える……女性陣がいる職場の中で。


「男ってホントに馬鹿ね……。デカイ声出すんじゃないし、若いってなんだし」

「でも、いいんじゃないですか?私だって、男の子が大好きですし。だから、ゲーム会社にいるわけで」

「三矢もあーいうタイプだったか~。彼女いない男は辛いねぇー」


瀬戸は当然であるが、三矢もしばらく。女性陣から敬遠された扱いを受けるのであった……。

瀬戸と話すとロクなことにならない。



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