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遠距離恋愛

遠距離恋愛その3

作者: 何でも有屋(有屋 春)

遠距離恋愛その1、その2とは別の話です。


彼女と別れたのは3ヶ月前で

その原因が遠距離だったのか、相性の問題だったのか、、、とにかく理由は分からないけれど

離れ離れになったから別れてしまったなんて

もともとの愛情が足りなかった、ということなんじゃないだろうか


彼女とは3年付き合っていて正直、結婚を意識しはじめてて

いつ言うべきかなんて考えてたんだけど

そんな時に転勤の話が来て、俺は彼女と遠距離になった


離れ離れになんかなりたくない!って泣きながら言う彼女が、すごく愛しくて、俺と一緒にいたいと思ってくれてることがすごい嬉しくて

離れ離れになるけど、たくさん電話するし、なるべく時間作って逢いに来るからってなんとか納得してもらって。


それからは慌ただしかったなぁ

新しい勤務地でなかなか慣れなかったけど、頑張って時間作って毎日電話して、疲れてるけど、いつも元気にふるまって。

連休ができればいつも逢いにいって。


そうやって離れてる距離を気持ちじゃなくて行動で補おうとしたのがいけなかったのかな、、、


ある日、上司に呼ばれ何事かと行ってみると

来てもらって申し訳ないんだが、また前の職場に戻ってほしいと言われた。

理由は前の職場の人が何人か立て続けに辞めてしまったとかどうとか言ってたけど俺の頭はそんなことよりまた彼女の側にいれるんだということで頭がいっぱいだった。


付き合って3年の月日を思い出してみた


遠距離になってから、なかなか会えない辛さを思った


ここ最近ずっと忙しかったけど、離れ離れだったけど、いつも考えてしまう彼女の事を思った。


そうやって思い出してみて、俺はその時には決めていた

有給をとり、彼女には何も言わずに住んでいるマンションへ。

駅からマンションまでの徒歩の間、歩く度に内側の胸ポケットにある四角い箱が、コツコツ胸にあたってなんだか落ち着かない


この時間だと彼女はまだ仕事中だけど、他の事をする余裕もないためドアの前で待つことにした

それから待っても待っても彼女は帰ってこない

ただでさえ緊張していて時間が経つのが遅く感じるのに、会社の人達と飲みに行ってるんだろうか?

あまりに遅いので諦めて電話しようとも思ったが一生に一度の事だからと踏みとどまる


まあ、一生に一度じゃない人もいるのかもしれないが。


そんなことを考えてると彼女が帰ってきた

ただし、男とセットでだ。

しかもイチャつきながら。

理由を問い詰めると

淋しかっただの、側にいてくれなかっただの

聞いていて、俺は悲しくなった


淋しくならないようにと毎日電話していたのに

側にいれないぶん、会える時はきつくてもいつも逢いに来てたのにと。


そんな色々な言葉が頭に浮かんだけど、俺はただ一言、別れようと言った

こんなだめな女と付き合ってたんだな

こんな浮気するような女を好きだったんだなと

そんな自分が嫌になる


帰り道にイライラしながらそんなことを考えていると、フッと苦笑が漏れてしまった。

今日、彼女に会う前に考えてた言葉を思い出したからだ


まあ、一生に一度じゃない人もいるのかもしれないが、か。


なんだか急に肩の力が抜けてしまって俺はもうどうでもいいやという気持ちになる

もう彼女のことは忘れよう、そう心の中で呟き続けながら歩いてる俺に

コツコツ、コツコツと胸ポケットでなにかがあたっていた


遠距離恋愛その1、その2とは別の話です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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