盲目の少女 二
前話はすみませんでした。
まさか投稿されていないとは…
アルゴーさんと旅に出て一か月が経った。
アルゴーさんはどうやら魔力猟銃を使ってモンスターを狩るらしい。
仕組みの説明はされなかったけど、なかなかの威力だ。魔力猟銃を撃つと魔物の気配は一瞬でなくなる。
そして私にも魔力の使い方を教えてくれた。
コップに水が入っているのをイメージして魔力の維持をするらしいのだが、私はコップを見たことないし、水が水がどういう色をしているのかわからないのでとても難しい。
魔法は見たことあるものをイメージして作り出すので、目が見えない私には出来ないことらしい。
村にも立ち寄った。どうやらとても小さい村のようで、村全体が一つの家族のようなものらしい。
誰もが人の家に無断で入るし、風呂も自分が好きな時に入っていいらしい。
とても私には我慢できない。いくら相手が見えなくても、下心ある人が入ってくればわかるし、子供相手に手加減は難しい。私?私はもう子供じゃないし。
というわけで私だけはアルゴーさんに言って見張りをしてもらっている。
そんな楽しい旅の途中で。
「ねえ、アマンダ。君は人の心を見ることができるのかい?」
突然だった。
「え?そんなのわかるわけないじゃないですか。」
そう私には人の心なんてわからない。あれ?でもなんで悪意や下心がわかるんだろう?
「いや、だったらいいんだ。」
そういってアルゴーさんは黙ってしまった。
そして――
―きゃぁぁぁぁぁぁ!!
悲鳴だ。女の人の悲鳴が聞こえてきた。
「アルゴーさん、行きましょう!」
そういって助けに行くが、私は方向を伝えるだけで、走ることができないのでアルゴーさんに担がれてアルゴーさんが走る。
「でやぁ!」
その掛け声と共に銃声が鳴る。
アルゴーさんによるとゴブリン二匹が旅の冒険者を襲っていたらしい。
回し蹴りからの猟銃で打ち抜いたらしい。
「あ、ありがとうございます。」
「アマンダがいなければ助けには行けなかったさ。」
そう。アルゴーさんに比べて私は耳がとてもいいらしい。
この耳でいくつもの危機を乗り越えてきた。
ある時は魔物の群れを回避したり、ある時は食料を調達したり。
「ワシはアルゴー。そこのアマンダと一緒に旅をしている。君は?珍しい恰好をしているけど。」
「あ、はい。私はユノと申します。これは東のジーパの装束なのです。」
どうやらジーパという国の出身らしい。
ジーパははるか東にある国らしくて、服はみんな一枚の布を巻くような恰好をしているらしい。下着もはかないらしい。なんて破廉恥な国なんでしょう。
ユノさんはどうやら私たちが立ち寄った村に行こうとしていたらしい。そこをゴブリンに襲われたんだとか。
「あともう少しで町につくからそこまで送っていくよ。」
「あ、あの、助けてくれたのにこんなことを頼むのは心苦しいのですが、仲間たちを弔ってくれますでしょうか?」
どうやら今の戦闘でユノさん以外の仲間は亡くなってしまったらしい。
また魔物は人を殺すのか。許せない。絶対に復讐してやる。
「えぇ、いいですよ。」
アルゴーさんは快く頷く。
どうやらジーパの国では遺体は燃やして骨にした後に埋めるんだとか。変わった文化をしている。
「ありがとうございました。では町までお願いします。」
思うところもたくさんあると思うのにこの人はすっぱり別れを告げることができるらしい。
「あの、憎くないのですか?」
「えぇ、とても憎いわ。でもこれは私たちが自分で冒険者をやっている以上いつでも起こることだから。」
「冒険者?」
「えぇ、冒険者。冒険者はね、魔物を倒したり、ダンジョンをクリアしたりしてお金を稼ぐ職業なの。だから、いつ死んでもおかしくないの。それが冒険者。」
冒険者。なんていい職業だろう。魔物を倒して生活をするためのお金も手に入る。私も冒険者になろう。
そう考えていたら町に着いた。
「ありがとうございました、アルゴーさん。では私はここで。」
ユノさんは去っていった。あとで聞いた話だが、ユノさんは冒険者は辞めて、宿屋で修行をしているらしい。
「アルゴーさん、私冒険者になりたいです。」
「冒険者、それはまた急に。なんで?」
「だって、魔物を狩りながらお金が貰えるんだよ?それに、いつか町を襲った魔物を倒せるかもしれないじゃない。」
「なるほど・・・じゃあ冒険者ギルドに行くか。」
そういうわけでアルゴーさんと一緒に冒険者になるためにギルドへやってきた。
「あの、冒険者の登録ってどこでやってます?」
「はい、登録ですね。登録には試験を受けてもらいますがよろしいでしょうか?」
試験は剣、弓、魔法、盾、補助の五つのうち三つ合格すればいいらしい。
まずは剣。これは簡単。試験官と組手をして、合格するまで戦えばいいらしい。
そして弓。時間内に設置された的十個のうち八個に当てれば合格。
魔法。低級魔法でもいいから的を破壊出来たら合格。
盾。盾はいかに相手の攻撃を見切って防ぐことができるか。これも試験官が攻撃する。
補助。仲間の手助けやモンスターの解体。旅に必要な範囲の道具の使い方など。
まずはアルゴーさんが試験をするらしい。
剣はすぐ合格できた。いつも狩りでナイフを扱っているので、短刀を使用して、合格。
弓は後一つというところで時間切れ。不合格だった。
魔法はすぐ終わった。爆破魔法を使用して的を粉砕。
盾もいまいちだった。時々は防ぐことができていたけど、合格ラインには届かなかったらしい。
補助もギリギリ合格。炊事や解体ができるということで合格をもらっていた。
そして私の番。
剣はアルゴーさんと同じく短刀を使用したけど、心得があるわけではないのであっという間に降参。
弓はいい感じだった。訓練場内の空気の流れが変わったので、その位置に向かって打ったら当たった。
魔法は無理。そもそも発現できない。
盾は完璧らしい。空気の流れに合わせて盾を出すだけで防ぐことができた。
補助は私もギリギリだった。いつもアルゴーさんの手助けをしていたのでそこと、道具―テントを建てたり。
私たちは晴れて冒険者になったのだった。
「アルゴーさん、アマンダさん、合格おめでとうございます。これであなたたち二人は冒険者の仲間入りです。そして職業はいかがいたしましょう?」
どうやら合格した試験から適正職業を選ぶらしい。
職業に就くと能力が向上しやすくなったり、現時点から増加したりするらしい。
剣士なら剣術や体力、魔術師なら魔法威力や魔力など。
職業は自分で作ることもできるらしい。
ただし、その一人目では能力の向上はなく、一人目の能力を参考に、二人目以降にボーナスがつくらしい。
アルゴーさんは剣士、双剣士、魔術師、爆術師、解体士、コック。
私は弓士、盾士、サポーター。
アルゴーさんのほうが多いのが羨ましい。私も鍛えればできるのだろうか。
アルゴーさんは前衛をするので剣士、私は援護や雑用ができるようになればいいと願いを込めてサポーターになった。
ちなみにサポーターは筋力、体力、器用さが向上しやすいらしい。
「職業の登録は大丈夫ですね。それではスキルについて説明させていただきます。」
スキル。それは冒険を楽にするための物。常に発動するものや、自分で使用するものがあるらしい。
剣士ならヘビースラッシュ、二連斬が初心者用で、サポーターは筋力小上昇、体力小上昇など能力向上系が多いらしい。
スキルも職業同様自分で作ることができ、その際は新しいスキルを発明したということでギルドから報奨金がでるらしい。スキルの研究で稼ぐ人もいるらしい。
私たちは無事冒険者登録もして、これから新しい冒険が始まります!
のはずだったんですが。
どうやら私たちはまだ冒険者なりたてということで、初心者マークがついています。
これがついている間は薬草栽培や町の中での人探し、物探しくらいしかできないようで、この下積みを3ヵ月続ければ晴れて冒険者として依頼を受けることができるらしい。
これも魔物を倒すために必要なことだと割り切って下積みを終わらせた。
なんか消化不良感あるかもしれませんが、次から別の人物に移ります。
なんかファンタジー感ある人を作ろうと考えています。
「山の少年」と「盲目の少女」編はしばらくお休みします。
あ、小説の説明欄にちょっと付け加えました。