死の誓い
エルシーは自分の望みと希望をレインに伝えた。
レインは相槌を打つこともなくただ話を聞き、エルシーの考えを聞き終わった後口を開いた。
「君の過去を見せてもらうよ」
レインは立ち上がりエルシーのもとへ駆け寄り自らの額をエルシーの額へそっと近づけ5分程経った後額を離した。
「君の言葉に嘘がないことは理解した、ここ最近君はとても辛い思いをしていたようだねせっかくの奇麗な顔がこんなにもやつれるほどに」というとエルシーの手を握り自らの魔力を注ぎ込んだ。するとエルシーのやつれた顔は瞬く間に元へと戻り今まであった疲労間も嘘のように無くなった。
「君に協力しようしかし条件がある」というとポケットの中からレインはブローチのようなものを取り出した。それはまるで雪でできているかのような触れれば溶けてしまいそうな壊れてしまいそうな儚い美しさを持った花の形をしていた。
「これは雪月花という貴重な魔道具だ満月の夜にのみ効果を発揮する。このアイテムは取り込んだ人間は25歳の誕生日を迎えると同時に寿命を終わらせるというものだ、世界にただ一つ存在し一度のみ効果を発揮する。どんなことをしても呪いの解除はできない、エルシー君にはこの呪いを受け入れる覚悟はあるかい?」
エルシーは即答した。
「一度は死を覚悟しました。国と民を守れるのであれば命など惜しくはありません。」
「いっときの平和が訪れてもすぐにまた絶望に覆われてしまうかもしれないよ?人間とは絶望に耐え続けるより幸せが絶望に変わるほうが幾重にも辛い。それでも君は後悔しないのかい?」
「そうかもしれません。それでも私は。。。今私に。。。今起きている絶望を救う事ができるなら、もう黙ってみていることなどしたくはありません」エルシーは涙ながらに自分の意思をわがままに伝えた。
レインは若干の笑みを浮かべた後、窓を開け雪月花を満月に重ねた。するとレインの手にある雪月花はまるで月の光を吸い取るかのように発光した。エルシーは光を放つ雪月花を、それを手にもつレインを、その様を心から奇麗だと思った。
レインは雪月花をエルシーの胸元へ近づけたすると雪月花は体内へと消えた。その瞬間エルシーは意識を失った。