運命の出会い
夜明け前、エルシーとマリーはシュトロームの国境付近にある眠りの森と呼ばれる場所にいた。
この場所は一度はいれば帰っては来れぬと人の近づかない土地である
エルシーはマリーに導かれるまま森の中へ足を進める、どの程度歩いただろうか同じような場所が続き居場所はおろか時間の感覚も薄れていた。それからしばらくののち古びれた大きな洋館の前でマリーは足を止めた
エルシーは不安に思った、外観を見るに築500年は建っていて人が住んでいるとは思えなかったからだ。マリーは古びれた洋館の扉を開けエルシーを中に誘導した。エルシーは色々な不安を感じつつも洋館の中へ足を踏み入れる。するとどういうことだろう外観からは想像もできないような手入れの行き届いた内装、そして豪華な装飾品が見事に飾られていてその中には王宮の書物で目にしたことのある歴史的価値の高い絵画などもあった。あまりの美しさに唖然として立ち止まっているエルシーに「こちらです」とマリーに一階の奥の部屋へと案内された。
「こちらへはおひとりでお進みください、私のお仕えする方がこちらにおられます」
と言い残しマリーは消えた。
エルシーは中へ入る。すると一人の少年がいた、月明かりに照らされてまるで光りを帯びているかのような銀髪に目鼻立ちの整った奇麗な顔にエルシーは見とれていた。すると少年が口を開いた。
「はじめまして、僕はレイン。」
「お初にお目にかかります、レイン様。私はシュトローム王国33代国王オーガンが娘エルシー・シュトロームでございます。私は今の国のあり方を変えるためレイン様のお力をお借りしたくこちらへまいりました」