対立
エルシーはどうすれば国を変えることが出来るか常に考えていた、しかしながらいくら王女とはいえ16歳の少女に一人で国を変える方法などそうやすやすとは思いつくはずもなかった。
そんなある日事態が急変した。
オーガンが隣国のレイブンに大規模な侵攻を開始したのだ。シュトロームもレイブンも軍事大国、故に戦争が始まれば両国多大な被害が出るのは明らか、エルシーは意を決してオーガンに戦争を辞めるよう、民を苦しみから解放するよう願い出ることを決めた。
当然王女であれど貴族優遇制度に対して意見を公の場で口に出せば国家反逆罪で死罪。彼女は覚悟を決めていた。
王宮の王室にオーガンはいた。
「オーガン国王陛下、お話しがあります」
「久しいな、エルシー。話しとは?」
「レイブンと戦を始めれば多大な被害がでます。今からでも間に合います、何卒侵攻をお辞めください、叶うのならば...」
エルシーの話しを遮りオーガンは言葉を強く発した
「侵攻しなくともいつかは奴らが我が国に侵攻し争いになろう、ならばこちらからせめるのみだ」
「国と国が手を取り平和な世を作る道もきっとあります」
「今の世は混沌の動乱の中にある、そのような夢物語は絵空事でしかない」
立て続けにオーガンは言った
「お前に何が出来るのだ。夢物語などそこらのわっぱにも語れる、止めたいのならばお前のちからで止めてみせろ」
そう言い放ちオーガンは部屋を出た
話しを遮られたおかげでエルシーは死罪を免れたものの心に大きなキズを残すこととなった。