青春だより 5回目の青春
その日の放課後、真子は翔に一緒に帰ろうといわれたが、用事があると言って適当にごまかした。
翔より先に、連と帰る約束をしていたからだ。
「真子、かーえろっ。」
「あ、連。今日のこと、誰かから聞いた?」
「ん?今日のことって何?」
「あぁ、知らないならいいの。帰ろっ。」
「え、なに?今日のことって?」
「いいの。連には関係ない。」
「なになに?知りたいよぅ。」
「うるさい。しつこい男はきらい。」
「ごめん真子。機嫌直して?」
「…。」
「アイスおごるからさぁ。」
「やったぁ、一番高いのがいい。」
「うわっ、単純。」
「何か言った?」
「いえ、何でも…。」
一方、真子と帰れなかった翔は、いつも通り帰り道がおなじ美亜と帰った。
「翔くん、そろそろあたしと付き合わない?」
「だまれ。」
「もしかして、本当にあの真子とか言う女がすきってわけじゃないよね?」
「真子の悪口を言うな。」
「真子っていう女のどこがいいわけ?」
「お前には関係ねえ。おれの前から消えうせろ。」
「そんな…。」
美亜は泣きながら走り去った。
「あーうぜぇ。」
翔はつぶやいて、美亜を目で追った。
が、翔の視線は美亜から曲がり角を曲がってきた真子と連に移った。
なんで真子は連と帰ってるんだ?