青春だより 1回目の青春
人生に1度はあるというモテ期というものに人それぞれの期限があるとしたら彼がダントツで長いと思われる。
彼の名前は望月翔。西蘭高校にかよう高校2年生だ。彼は西蘭高校のサッカー部に所属している。
彼が美形だからか、サッカーが神レベルで上手いからか、彼は幼少のころから女の子にモテモテだった。今はサッカーの試合にも、翔ファンの女子で結成された親衛隊が応援に来る。そして、翔がキックするたびに黄色い声援が飛び交う。
その親衛隊のリーダー的存在の島田美亜は、翔の幼なじみだ。その立場を利用して、まるで翔の恋人のようにふるまっている。もちろん恋人ではないが。
親衛隊の中には、校内五大美人のうち、先ほどの島田美亜、三森由華、桃川捺実もいる。にもかかわらず、翔には彼女がいない。それは時々親衛隊の中でも話題となる。
「そういえば、翔くんって、彼女いないんだよねぇ?」
「えっ?美亜さんが翔くんの彼女じゃないの?」
「それって、美亜さんが自分で言ってるだけらしーよ。」
「そうなのぉ?しらなっかたぁ。」
「あんまり、口に出してに言うことじゃないからね。」
「はぁい。」
みんな、翔の彼女になりたいと思っている。
しかし、翔が彼女を作らないのには理由があった。