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竜の肉


竜の肉でもとってこいよ と彼は投げやりに命じた

酔っているのか

寝ぼけているのか

無防備で隙だらけなのに どこか近寄りがたくて

俺はあなたに直してもらったアンドロイド

彼のためにならなんでもするけれど どうやって命令に従えばいいかが分からない



俺はなぜそれを望むのか聞いてみる

彼は鼻を鳴らした

不老不死になど興味がなかった

強化された肉体などほしいとも思わなかった

けれどお前を一人残して死んでいく事はどうにも耐えられそうにない


弱っている時にこそ出る本音が俺の胸に突き刺さる

大丈夫ですよ憎まれっ子世にはばかると言うじゃないですかなんて言ったけれど

主人はそんなに繊細なものだったと今更気づいて正体不明の気持ちが胸で渦巻く

そうだなと言いかけて

どういう意味だと

しどろもどろの口調で言い返す彼に

さっさと寝てくださいよと俺も返す



人間なんて嫌いだ

弱いくせに

すぐ裏切るくせに

ころころと心変わりするくせに

いともたやすく心というものの中に記憶を残して去ってしまう


でもだからこそ

一緒にいられるこの時間は

こんなにも素敵なのだろう




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