表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/29

たどり着く場所なんて何処でもいいから


 黒い影に向かって、手を差し出す。

 冷え切ってしまった手を取りながら、一目散に駆け出した。

 さあ、愛の逃避行といこうじゃないか。

 なんて、彼の軽口に思わず口元緩ませながら。


 どこに行きましょうか?

 彼はさあ、と返す。

 行きたいところはありますか?

 やっぱり、さあと返す。

 じゃあ何にも希望はないんですか、と苛立ち紛れに聞いてみたら。

 小さな声であるさ、と呟かれた。

 走るのはやめずに、続きを促そうと彼の顔を振り返る。



 どこだっていい、何日かかってもいい。

 お前がいる場所なら。



 その言葉に、私は耐え切れず足を止めた。

 恐らく胸に湧き上がったのは愛しいという感情なのだろう。




 腕の中で彼が苦しいと怒り出すまで、あと七秒。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ