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戻ってこい、


戻ってこいよ、おれのところへ。

そう言ったあなたは、誰よりも優しくて誰よりも救いがたい。



駄目ですよ、もう。

何もかも全てが遅いんです。

きつく言い放っても、あなたは引き下がってくれなかった。

悲嘆するあなたを、なんのために今まで慰めずに立ち去ったのか、分かるはずもないのだから、恨むのは筋違いなのだけれど。どうか俺のことなんて放っておいてと願いながら、俺をまっすぐ見るあなたの瞳に俺が映っているのを確認して安心している自分がいる。


あなたは強い。

俺がいなくても仲間がいる。

あなたは強い。

俺の支えなんか必要とせず、逆にこっちが支えられてしまうくらいに。

だから、俺の手なんて用済みでしょう。


「――――!」


何度も、何度も呼ばれる俺の名前。

あなたの口から呼ばれると、こんな自分の名前でもどこか特別であるかのように思えてくる。

何度も繰り返す別れ。

何の悪戯か何回も出逢ってしまうその度に、哀しげで恨めしげなあなたの視線が、俺をどうしようもなく責めさいなませる。



大好きです。

大切なんです。

でもだからこそ、あなたの側にはいられない。

俺がいる事であなたに迷惑をかけてしまうから。

それならいっそあなたから離れてとことん嫌われて、忘れられてしまえばいい。


だから、だから。

帰りたくなってしまうから、どうか戻ってこいなんて言わないでください。




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