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異世界の愚か『もの』 ~世界よ変われ~  作者: ahahaha
デルト王国 ~望んだ望まぬ名声~
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68話 それぞれの思い



 何についての否定かは明言しない。

 だが、不思議と誰もがわかった。


 ガイアスが、令と手を組むことを拒否したのだと。


 次いで、自然と申し出を断られた令へと目が行く。


「成程。それはまたいったいどうして」


 なぜか、愉快そうに笑っていた。


「理由を言う必要があるのか」


 ガイアスは憮然と返す。

 その返しにまた笑みを深める。


「そう言うということは問題なさそうで」


 令は首を数度鳴らし、左肩を回す。

 そして、左手を鳴らす。


 頭上に陣が浮かび、水球を形成する。


 それ自らに落とし、前髪に付着した血を洗い流す。


 水を吸い、重みで垂れた髪を軽く直し元の髪型に戻ると、眼帯を取り出し右目に装着する。

 

 そして、再び陣が立ち上がり、《偽装》により髪と肌の色をグランドのものへ変えると立ち上がる。


「では、今日のところはこんなところですね。―――何か言っておきたいことはありますか」


 ガイアスはその言葉に目を細め、暫し考え込む。


「……お前に用ができたら、また連絡させてもらおう」


「どうぞご自由に。いつでも構いませんよ。適当な雑談でもなんでも。符でなら会話出来ますからね」


「ああ。―――また今度な」


「ええ。―――近いうちに、ね」


 余人には唯の会話。

 だがその実、裏事情をたっぷりと含んだ応酬。


 そして立ち去ろうとしたところで、立ち止まり振り返る。


「あ。腕返していただけますか」


 ガイアスは無言で、念のために用意していた布に包まれた凍った令の右腕を放り投げる。

 それを令は受け取る。


「その氷、いったいどうなってるんだ。時間がたっても溶けないんだが」


 令の右腕は氷に包まれているのだが、待てども暮せども、一向に溶ける気配がなかった。

 うっすらと赤みがかったその氷は冷たく、どこか重みがあった。


「ははは、なんだっていいじゃないですか。所詮氷です」


 令は上辺だけ答えると腕をを左手でくるくると回す。


 すると、氷は徐々に霧散していく。


 溶けるのではなく、まるで初めから存在しなかったかのように。



 そして、むき出しになった右腕と右肩の切り口を合わせる。


 と、令の右腕を有機的な光の線、模様が覆う。


 その光が消えるころには、令は右腕を自由に動かしていた。


「ふむ。特に問題なし」


 過ぎたことには意識を向けず、令は床に放置されていた装備を身に着けていく。


 その様子を周囲はただ眺めるしかない。


 腕があっさりとつながったこともさることながら、彼らの処理を超える勢いで事態が進んでしまう。


 なぜ、ガイアスは断ったのか。

 なぜ、令はそれを受け入れたのか。


 それを理解しているのは、令、ガイアス、ガルディオル、そしてこの場にはいないディックだけ。

 

 それ以外の人物は、理解が追いつかず困惑する。


 そして令は準備を整える。


「そうだ。ガイアス殿、最後に一つ、忘れていました」


「今度はなんだ」


 令は苦笑いを浮かべ―――


「―――忠告を、しておこうかと」


 ―――いつの間にか背後に回り、ガイアスの首を掻き抱いた。 


「………………」


 ガイアスは身動ぎ一つしない。

 できなくされた。


 力は籠められていない。


 まるで幽霊のように彼の感覚をすり抜け肉薄され。

 まるで恋人を抱き留めるかのように優しく、首に左腕を回された。

 それが逆に、いつでも自分の命を奪えるのだと宣言されているように感じ、彼の危機感を煽り背中を冷や汗が伝う。


 当然回りの<四剣>も、ここまで主君に近づかれては下手に動けず、息を呑んで固まるしかない。


「ねえガイアス殿。『王』と『人』は、べつものですよ」


 そのまま令は、耳元でささやく。

 言葉が彼の心に染み込む。


「何が言いたい」


「またまた。分からない振りをしてどうするんですか。もう分かってるでしょう」


 あ、と。令はわざとらしく何かに気付いた風に声を上げる。


「それとも、認めたくないのかな。自分が『人』ではないということを」


 笑みを浮かべるその表情には、どこか嘲るような色があった。


 ガイアスはそれに反論を用意できなかった。


「たいへんですねえー。『人』に求められるものと、『王』に義務付けられるものは方向として真逆もいいところだ。『人』になり切れない『王』の身でありながら、『人』を捨てきれない『人間』の身であるために自身の内で齟齬が生まれてしまう。―――だから、能力が劣る私に、こうまで好きにやられてしまう」


 ガイアスはその言葉を、黙って聞いていた。


 その通りだと思う。

 ガイアスは、貴族を対処する手段も、令を対処する手段もいくつか考えついていた。

 だが、それを実行するのは憚られた。

 そのほとんどが、人道的な手ではなかったからだ。


 それは、『人』としては正しいのかもしれない。


 だが、『王』としてはどうだろうか。


 考えるまでもない。失策だ。


 令の言った通り、『王』の最低限の責務は国を守ること。


 それは、人道に優先されるもの。いかなる手を用いても優先されるもの。


 だが、ガイアスはそれをできなかった。


 彼の中の人の性が邪魔をした。


 『人』と『王』。

 『王』と『人』。


 相容れないものを無理に取り入れるから無理が出る。


 だから能力的に劣る令にも、付け入る隙を与えてしまう。


「これまでは貴方の能力の高さゆえ、問題になることもなくどうにかできていた。だがそんなハリボテは、この先には何の役にも立ちませんよ。貴方の能力が如何に高かろうと、それだけではどうにもできないものもある。今のこの国のようにね」


 ガイアスは答えられなかった。


 それが答えだった。


 令はそれに安堵する。

 下手な肯定も、上手い否定も口にしなかったことに。


 ガイアスの首を捉える令の腕に、少しだけちからが籠る。


「この国は末期に近い。国という大木は棄族という病に蝕まれ、民である枝葉は苦難に満ちている」


 でも、と彼は続ける。


「まだ終わりじゃない。終わらない限り、どうにでもなる」


 ガイアスは、その腕にどこか力強さを感じた。


「だけどね。これは貴方、『王』という樹幹にはどうしようもない。幹にできるのは、支えることだけ。それだけしかなく。それだけでいい」


 そこにあるのは、退かない覚悟。


「そういった病魔をどうにかするのは、劇薬である私の役目だ」


 そして、かすかな寂寥。


「貴方にできないことは私がやります。だから、貴方は自分が、『王』ができることをしっかりやってください」


 その言葉を聞いた途端、何かがすとんとガイアスの胸に落ちる。

 それが何かは分からない。


 だが、自分に確かになにかが起こったのを自覚した。


「まあ自分の思うようにやれば、貴方の場合うまくいくんでしょうけど。下手に物事考えると逆効果になると思いますから気を付けてください」


 そんな不可解な変化を引き起こした令は、微かに笑む。


「そうなったら、私はこの首を落としたくなるかもしれませんし」


 そして、喉笛を左手が掠めるように撫でた。

 

 この男の気まぐれ一つで、今簡単に自分は命を落とす。

 だがガイアスは、それを恐ろしいとは思わなかった。


「それは、忠告か?」


「これは、警告だよ」


 逆に、どこか安心した。


 今まで、自分を止めようなどという者はいなかった。


 自分よりも上のものが居ないというのは、その責任が常に自分に回るということ。


 ガイアスはそのことに後悔したことも、気おくれしたこともない。


 だが、どうしても、心のどこかで自制が効いていたのかもしれない。


 今、ここに自分が間違ったとき、それをどうにかできる存在がいる。


 それを想ったとき、心が軽くなるのを自覚した。


 自分が失敗したら、それを処断する存在がいること。


 他人に頭を下げること、弱みを見せることが許されない『王』である彼にとって、それはとてもありがたかった。


「そうか。心しよう」


「ならばよし。もう言うことはないですよ」


 どこか穏やかな様子でガイアスがそう答えると、令は腕を解く。


 ガイアスは回りが動こうとする前に、手をだしそれを制する。


「セリア殿。せめて城門までは自力で歩いてくださいね」


 そんな回りを気にせず、令はからかうようにセフィリアへと目を向ける。


 それを受けたセフィリアは何故か顔を赤く染めると、立ち上がり無言でガイアスたちに礼をして出口へ向かう。

 挨拶を抜いた些か礼を欠いた所作。それを怪訝に思いながらも、ガイアスたちはそれを見送る。


「それでは皆さん、ごきげんよう」


 令はその言葉と、屈託のない笑みを残し、セフィリアとともに扉の向こうへ姿を消した。









 月明かりの中、盃を液体が満たす音が彼の耳を揺らす。


 それを口許へ運ぶと、疲れで鈍った頭に酒精が程よく沁み込む。


 ガイアスはあの対談の後始末をし、一日分の政務を終えた後、城の中庭で夜空を見ながら酒を飲んでいた。


 地べたに腰を下ろしたことで、下から伝わる土と草の感触が心地よかった。

 

 夜空を見上げる。


 雲一つなく、満天の星々と、輝く月が彼を見下ろしていた。


 ただ一人になったこの瞬間、心落ち着くこの一時が彼は好きだった。


 夜に身を任せ、そのまま溶けて行ってしまいそうな感覚が、不思議と安心感があったから。


 穏やかな心のまま、しばらくその感覚に浸っていたが、ふと気付けば脳裏に今日の出来事が浮かぶ。


 黒い髪と黒い瞳。そしてコロコロと変わる表情が特徴的な一人の男。


 楽しそうな邪気のない笑い。愉しそうな邪気しかない嗤い。タノシソウな何もないワライ。


 どうしようもなく、何かがずれている男。


「分からんな……」


 手始めに、ガイアスはその人間性を考えてみたが、その行為自体の無意味さに気が付き溜息を吐く。


 あの男がどういう人間か分からないのではない。


 むしろその逆。


 判断材料が多すぎるのだ。


 あの男は、嘘を吐かなかった。


 言葉巧みに相手を誘導し、勘違いさせるが、その言動に虚偽はない。


 それがガイアスを困らせた。


 つまり、あの男が見せた、純粋、冷酷、嗜虐、聡明、過激、配慮。すべてが嘘偽りない一面だということ。


 矛盾する感情と性質を幾重にもその身に蓄え、あらゆるすべてを飲み込み、その本質が全く見えてこない。


「相容れないものを抱えてるのは、お前だろうが」


 その言葉にあるのは嫉妬か。


 それとも、悲壮か。


 気晴らしに酒を煽る彼からは、その感情は読み取れない。


 ガイアス自身も、その判断をつけかねていたのだから。


 ただ、一つだけわかることがあった。


「嫌な奴だよお前は」


 盃を再び酒で満たす。


 琥珀色の酒が月光を浴び、輝きを放つ。


 それをジッと、ガイアスは見つめる。


 嫌な男。


 それがガイアスの抱いた、令という男の評価。


 こちらの心をかき乱す。こちらの考えを突き放す。こちらの常識を打ち壊す。


 何にも縛られず。何にも従わず。何にも頓着しない。


 ただ、己の思うままに、すべてを滅茶苦茶にする。

 そんな行動ばかりの、規格外品。


 なのに。


 そうであるはずなのに。




 なぜか、嫌いになれない。




 何にも縛られないくせに、傍らに他人を置いている。


 何にも従わないくせに、こちらへ譲歩してくる。 


 何にも頓着しない癖に、最後に忠告をしてくる。


 男の行動とは裏腹に、その情動は、あまりにも人間臭かった。


「本当に嫌な奴だよお前は」


 そんな、気に食わない行動ばかりの癖に、嫌いに成りきらさせてくれないあの男が、ガイアスは嫌だった。


 盃を飲み干し、大の字になり寝ころぶ。


 ガイアスは、暗闇は嫌いだ。


 闇は人を惑わす。


 道は分からなくなり、巻き込まれたものを不安に揺らし、恐怖で縛る。


 だが、夜は好きだった。


 明るいだけの世界では、人は休めない。


 明日をより幸福に生きるために、一時の闇は安らぎのために必要だった。


 だから、彼は思う。


「この『夜空』みたいなやつだ」


 虚天をみやり、ガイアスはこぼす。


 はじめ、謁見での令の行動を見た時は、ガイアスは『海』のようだと思った。


 ときに凪のように安らぎ、ときに荒れ狂いすべてを飲み込む。大海。


 だが、ここにきてその印象は変わる。


 『海』とたとえるには、あの男の存在はあまりにも希薄すぎた。


 矛盾を繰り返し、すべてを飲み込んでいるがために、あの男には『主幹』が見えない。


 だから、たとえるとしたらもっと薄く、曖昧なもの。


 今彼の上にある、存在すら曖昧な、だがどこまでも深く際限なく広がる、『夜空』のように。


「……さて、俺のやることをせねばな」


 しばらくの間そうして夜空を見つめ、ガイアスは身を起こす。


 そしてこれからのすべきことを頭で巡らす。


 そんなとき、彼の耳に草を踏む足音が届く。

 彼にとって馴染みの深い調子。


「やっぱりここにいたのね」


「普段肩肘張って『王』をやっているんだ。息抜きくらい気分のいい場所でしてもいいだろう」


 その声に背を向けたまま、ガイアスは答える。


 フレイナも、そんな父の様子に疑問は挟まない。


「それはいいけど、あまり飲みすぎないでよね。あ、ほらそれ酒精の強いやつじゃない。あまり飲みすぎると身体に悪いわよ。父様はお酒に強いのは知ってるけど、それで身体に影響がないわけじゃないんだからね。後で滋養のいい草粥作るからちゃんと食べてよ」


「お前は俺の母親か」


 誰もいない場では相変わらず何かと世話を焼こうとする娘に、ガイアスは苦笑を漏らす。

 だが、それを聞いたフレイナは顔を曇らせる。


「……母様でもこう言ったわ、たぶん」


「……だな」


 俯いた娘の頭に手を置き、乱暴になでてやる。


 するとフレイナは、顔を赤くして文句を言い始めるが、別に手を払いのけたりはしない。


 それが可笑しくなり、いつもより多めに『誤魔化し』てやると、フレイナは先ほどまで抱いていた影をなくしていた。


「それで、何か用があったのか」


 今彼らが居る中庭は、別に人がいて不自然な場所ではないが、このような夜更けに用がない人間が立ち寄る場ではない。

 なので、ガイアスは聞いた。


 そして、彼女は一度目を閉じ真剣な顔になる。


「お察しの通りです父様。一つお願いがあって参りました」


 真っ直ぐに、ガイアスの目を見て、彼女は続きを口にした。


 その申出を、長い沈黙の末に、ガイアスは受け入れた。










 暗闇のなか、二人の男女が夜道を進む。


 しかし、歩いているのは一人だけ。


 もう片方は、その歩く人物の背に負われていた。


 その背負われた方である女性は、羞恥からか顔を赤く染めている。


 暗闇で顔色が分からないのは、彼女にとって救いだろうか。


 尤も、背負う人間にはそのことがばればれだったのだが。


「まだ立てませんか。もう城を出て結構経ちますが」


「……無理です」


 背負う男は背の女性の返事を聞き一つ息を吐くも、特に嫌な顔をせず歩く。


「全く。あの程度でこうなるなんて腑抜けにもほどがありますね。最後の方なんか一言もしゃべれなくなってたし」


 ただし、毒を吐くのは忘れない。


「あの状況で普段通り過ごせるわけないでしょうが! あれだけ好き勝手やれる貴方こそ、頭の螺子が二、三〇個ぶっ飛んでんじゃないですか!?」


「二、三〇個ってもはや故障とかの次元ではないですね。欠陥品や大破品の類」


「貴方の場合それで正常なんでしょう」


「ええまあ」


「この……!」


 返しの毒はことごとく躱され、女性は唇を噛む。


 彼女が悔しそうに顔を歪める一方、視界に収まる後頭部からでもいやらしく笑ってるとわかる男が恨めしい。


 彼女、セフィリアが彼に背負われている理由は簡単。


 腰が抜けてしまっていたから。


 狭い石造りの重厚な一室。そこに集まるのは上から数えた方が速い実力者と、その彼らすら引っ掻き回す破綻者。そして空気は居るだけで圧死してしまいそうなほど敵意でどす黒く濁り切る。


 そんな中、ある意味でただ一人だけ『常人』であった彼女が耐えられなくなるのは当然のこと。


 むしろ、腰を抜かして、口を開けなくなるだけで、意識を保っていたという事実には賞賛を贈って然るべきだろう。


 その状態でも体裁を保つために城から抜け出すまでは自力で歩いたのだから、もはや脱帽ものだ。


 目の前の存在と無意識に比較してしまうせいで、彼女がそのことに気付くことはなかったが。

 令の持つ人の感覚を狂わせる『毒』は、敵よりも味方にとって害悪となるのかもしれない。


「……で、なんで陛下に申出を断られて黙ってたんですか。退路を徹底的に潰して、それ以外の選択肢を無くして、相手の方から泣いて土下座してお願いさせるのを高笑いしながら見下ろしている未来を私は想像していたのですが」


「貴女、だんだん遠慮がなくなってますね。さすがにそこまでする気はありませんよ。………………今回は」


「聞こえてますよ」


 ボソリと告げられた最後の言葉に耳ざとく反応するセフィリアだったが、それに気はとられても誤魔化されはしない。


 後頭部に無言の視線をしばらく感じ、令は口を開く。


「あれは断られて当然ですよ。私は肝心なことを何も口にしてませんから」


 止まることなく歩き続ける彼の背で、セフィリアは首を傾げる。


 彼女は先ほど、気を失いそうなほど朦朧とした意識の中で何とか聞いていた会話を頭から引っ張り出して検討する。


 だが、特におかしなところは感じられなかった。


 双方に大きな利点があり、そして些細な不利益がある提案。普通であれば承諾されて当然だと思う。


「私は一言も、『目的』について語っていない」


 そして、令の言葉にさらに疑問が膨らむ。


「気に入らない貴族をどうにかするのとか、魔獣に備えるのが目的ではないのですか?」


 彼女にとって当然の疑問。

 言動の裏からでも嫌っていると全力で分かるほど毛嫌いしている貴族を消し去ること。そして国の危難である魔獣の侵攻の対処が目的だと彼女は思っていた。

 そしてそれは、あの場のほとんどの人間に共通する考えだった。


 その言葉を受け、令は笑う。


「面白いこと言いますね。あの程度の塵芥を消すためだけに、国民の支持を受けるよう誘導し、上層部へ喧嘩を売ったと? それだけの価値があの連中にあるわけないでしょう。そんなまどろっこしいことせずとも、私が直々に赴いてひとりひとり首を掻っ切るほうがよっぽど安上がりだ」


 物騒で、そして他者を障害どころか路傍の石ころほどの価値すら感じていないと如実に示す言葉。


 ただ殺すだけでは、のちに余計な遺恨を残す可能性もあったが、それにしても令は対処する術を幾重にも用意していた。


 だから、実力的に伴いさえすれば、抹殺、殺戮の選択こそが社会的に考えてある意味最良のものだった。


 それに、と彼はさらに続ける。


「魔獣の侵攻については、確かにある意味では目的ではある。ですがそれにしたって、わざわざ教会を壊す必要などなかった。下手すれば国全体に動揺が広がって、魔獣との衝突の際の各地との連携がうまく行かなくなる恐れもあったのだから」


 宗教という心の拠り所が、悪事に加担していたという事実は、国民の心に影を落としかねない。


 もしそのまま魔獣が襲ってきてしまえば、その気の落ち込みは致死につながる可能性すらあった。


 結果を見れば、令の言い回しにより悪いのはスルス教ではなくその下で私腹を肥やしていた馬鹿たちだと誤認させることができていたのだが。


 しかしそれも、これから令が対処しようとしているコトまで露見してしまっていればどうだったか分からない。


 棄族(・・)が目的ならばやることが大々的。そして魔獣の対処が目的ならばやることに無駄が目立つ。


 故に、『王』として非凡なガイアスと、老練なガルディオルとディックは結論を下した。


「私にとっては、そのどちらもが『手段』であって『目的』ではない」


 ガイアスが提案を断ったのはそのため。


 何が『目的』か分からない人間を頼るわけにはいかない。


 仮に令の力を借りて、この危難を脱したとする。


 だが、もし令の目的が国の崩壊や、乗っ取りであったら。


 その時、魔獣との戦いで疲弊し、人材を多数喪った<デルト>に対処できるか。


 答えは『分からない』。


 何も、『分からない』。


 故に、令を信用するわけにはいかなかった。


「…………では、貴方の『目的』は」


 それは、尋ねたわけではない。


 ただ、自身に浮かんだ思いがこぼれただけだった。


 セフィリア自身も、口を開いたことに気付かなかった。




「―――『  』を」



 であるのに。


 確かに、返しがあった。


 絶対に、答えてなどくれないだろうと思っていたために。


 絶対に、そんな『ささやかなこと』だとは信じられなかったために。


 答えた男の背の上で、頭が密着するほど近づいてなければ風にかき消されてしまいそうなほど小さかったその言葉を、疑ってしまった。


 そして、それを確認する勇気は彼女にはなかった。


「信用すべきではないことは、どれだけ旨みがあってもしっかり断る。……今回の件でガイアス殿は、信用に値する器量と、敬意に値する気性を見せてくれた。ならば、これからはこっちが示す番だ」


 令も、そのことが分かっていても、特に反応を示さない。


 ある路地裏で、男は立ち止まる。


「―――私の、俺の、『世界』を」


 セフィリアはそのことを疑問に思いつつ、ふと辺りを見渡す。


 そして、背筋に寒気が走った。


「既存をすべて打ちこわし、すべてを塗り替える、俺の『世界』を」


 辺りを、無数の小さく光る眼が彼らを囲んでいた。


 月明かりに照らされ、眼の正体が姿を現す。


 それは鼠―――の、姿をした何かの群れ。


 ざっと見ても、三桁を超えた群れが彼らを囲んでいた。


 それだけならばよかった。


 それだけならば、それなりに魔獣とやりあえるセフィリアにとって、警戒するに値しない。


 だが、その眼には一切の生気が感じられなかった。


 生き物であれば、微かにでも感じられる脈動が、呼吸の音が、温かみが、一切なかった。


「その上で、俺をどうしたいか改めて問わせてもらう。その時こそ俺は彼らとともに行動ができる。お互いがどんな感情を抱えていようと、ね」


「きゃんっ!」


 唐突に、令はセフィリアを背から落とす。


 尻もちをつき、悲鳴を上げる彼女に構わず、令は数歩足を進める。


 そして、足元に広がるのは陣の光。


 円形の中に、どこか有機的な模様が幾重にも張り巡らされた陣。


 彼の足元に広がったその中に、鼠たちは我さきに入り込んでいく。


 その陣を鼠が埋め尽くしたところで、光が一層強くなり、彼を覆う。


 それはほんの数秒のこと。


 それが終われば光は収まり、鼠たちも足元から退いていく。


 その中で、彼は俯き、息を荒げていた。


 彼女が初めてみる令の憔悴した姿に、セフィリアは立ち上がり、彼に近づこうか迷う。


 抜けていた腰が治っていることには、目の前の事件のまえには思考の果てに追いやられていた。


 その間にも、彼は懐から水筒を取り出し、中身を床に撒く。


 薄暗いために、その中身が液体であることしか分からなかったが、どこか粘着質な音を立ててそれは床に広がる。


 そして、鼠たちはそれを舐め始めた。


 セフィリアが口許を抑えて見ていることしかできぬ間に、鼠たちは一匹、また一匹と夜の帳の中に消えていく。


 そして、最後に身体に切れ目が入り半分千切れかけている一匹が残された。


 彼はその一匹に手を当てると、何事かつぶやく。


 するとその一匹は、一枚の紙切れへと姿を変えた。


 彼はそのまま、呆ける彼女へと目を向ける。


「最後の問いです。セフィリア=ルーナハイト。貴方は、私について来るか否か」


 そのまま、彼は真っ直ぐに彼女を見つめる。


「今ならまだ戻れる。知らずともいいことを知らずに、今の自分の『世界』を保っていられる。ついて来れば、もう後戻りはできない。今までとは違う『世界』を知ってしまえば、もう逃げられない」



 セフィリアは、その眼を黙って受け入れる。


 令は、踵を返し、勝手に歩き始める。




 セフィリアは、それを見て考える。


 これは、彼が出した答え方なのだろう。


 ついてきたいならば勝手についてこい。来たくなければ来るな。そういうこと。


 最終的なことは、だれの意志でもなく自分で決めろ。


 そう言外に語り掛けるその背を見て、セフィリアは歩を進めた。


 ―――前へと。


 正直な話、彼女は何も考えてなかった。


 令の言葉を真面目に受け止め、そしてそのことに嘘がないことも分かっていた。


 だが、彼女にとってそんなことはどうでもよかった。


 ただ、彼女は心配だった。


 目の前を突き進む、青年が。


 彼女は以前からある思いを抱いていた。


 令という人間は、どうしようもなく『個』が強い。


 何にも縛られず。何にも従わず。何にも頓着しない。


 それが、彼の何者よりも強い『個性』を培っていた。


 なのに。


 そうであるのに。




 時折、どうしようもなく『薄く』なる。




 先ほどの、こちらを見つめていた時のように。


 今にもこの宵闇に溶けてしまいそうなほど、存在そのものが希薄になるのだ。


 だからか。


 彼女は、彼が放っておく事が出来なかった。


 ここまで稀有な人間が消えてしまうことが、なんとなく、とても腹立たしいことに感じられた。


 だから。


 彼女は、明確に『嫌い』だとわかる人間に、ついていくことにした。









「ここは……」


 そしてたどり着いたのは、一軒の廃墟だった。


 彼女はそれに見覚えがあった。


 あの聖堂での戦いの際、光の剣で両断された建物。


 なぜこんなところに来たのか理解できないでいる彼女だが、令はずんずんとその廃墟の中へ進んでいく。


 それを慌てて追う。


「て、ちょっと!?」


 そして、見失ってしまった。


 廃墟の中は、瓦礫が積もって足の踏み場もない状態だった。


 入口から覗くと彼の姿はどこにもなく、勝手に行ってしまった彼に少し怒りが沸いた。


 と、そこで気付く。


 瓦礫は床に積もっているだけで、見通しは悪くない。

 彼が入って割とすぐに自分も来たのだから、それで影も形も見えないというのはおかしい。


 だから彼女は、床を観察する。


 そして、瓦礫に埋もれて見にくくなってはいるが、床に扉があるのを見つけた。


「一声くらいかけてくださいよ……」


 開くと階段があったので、彼女はそこから下へと降りる。


 そのあと、割とすぐに令は見つかった。


 階段を降りると、小さな通路の先に重そうな扉があり、その前に令は立っていた。


 だが、近づいていく毎に、ある異常に気が付く。


「ちょ、どうしたんですかっ!?」


 慌てて駆け寄ると、セフィリアは令の顔にハンカチを当てる。


 そのハンカチは、直ぐに血で染まる。


 令は、グランドとして着けたその眼帯のしたから血を滴らせていた。

 

貼り付けたような無表情に、さらに張り付いた紅。


 無機と有機の対比が、不気味な威容を醸し出している。


「気にしないでください」


「気にしないでって、目からの出血ですよ!? 下手したら一生目が見えなくなるのに!」


「いいんですよ、こういう場に来ると、自然とこうなるんです。―――それに、そもそも右目はとっくにまともに見えなくなってる」


 セフィリアがその言葉の真意を理解するよりも早く、何事か問い詰める暇すらなく、令はその扉をあけ放つ。


 その先には、ポツリポツリと蝋燭の光が点在し、それなりの広さを持った空間が広がっていた。


 だが、薄暗くて何があるのかはよく見えない。


 令はその中に一歩踏み出し、周囲の闇へ問う。


「こんばんは。時間もないだろうから早く用件を済ませよう。諸君は―――『生きたい』か。『死にたい』か」



 その言葉につられ、セフィリアは扉の中の『闇』へ目を凝らす。








―――そして、彼女の『世界』は壊れた。











 書類に埋め尽くされた一室。

 右も左も、下までも書類の海。

 唯一、上を向いたときだけ紙が目に入らないことが彼らにとっての救いだった。


 尤も、床に横たわり、「知らなかった。書類って凶器になるんだな」とか「もう紙見ただけで吐きそうだ……」とか「かみかみかみカミカミカミカミ……神?」とかうめき声を上げている彼らには関係のないことだったが。


 その中で、軽快に筆を走らせる音が一つだけ響いていた。


 その主は、最後に自分の署名をしたところで書類をひとまとめに整える。


「……今日のところはこれくらいか」


 首を回すと、折れたのではと疑いそうなほどの大きな音が鳴る。


 その過程で周囲の死屍累々の惨状が目に入る。


「軟弱物が」


 鼻を一つ鳴らし吐き捨てる。


 そこに、悲惨な末路を迎えようとしている人間への慈悲はなかった。


 とはいえ、それを責めるのは酷かもしれない。


 周囲十数人の仕事量からしても、この老人のそれを上回らないのだ。文句の一つ言いたくなる。

 しかも老人は、目に隈をつくり疲労が目に見えてはいたが、周囲の彼らのように撃沈してもいない。


 彼らの能力が低いわけではなく、老人の能力が化け物染みているのが問題なのだが。


 彼は立ち上がり、近くのポットに淹れられた茶をカップに注ぐ。


 書類にかからないように注意したが、飛沫が少しだけかかる。問題になる量ではないので無視したが。


 口を当てると、大分前に淹れられたのですっかりぬるくなっていたが、それでも疲れた今の彼には珠玉の味に感じられた。


 なんとはなしに、彼は月を見上げる。


 年期を重ね、くすんだ髪に月光が当たり、鈍く彩を放つ。


 後ろに括った髪の一房を手に取り、目の前に持ってくる。


 青の髪色。


 彼の孫娘が抱えている、生まれつきの色。


 だが、彼のそれは、昔とは違う。


 年嵩を経て、輝きを失った髪。だが、そのおかげでこのデルトでも特に問題になることなく過ごせているのは、果たして幸運なのか。


 いや、幸運なのだろう。


「お前は、この髪のせいでいなくなったのだからな……」


 思い浮かべるのは、幼少より見知った顔。


 かつての自分のように、蒼穹の『蒼』の髪をもった男。


「いかんな。年を取ると感傷が多くなって敵わん」


 息を吐き、かつてを振り払い、再び月見へと戻る。


 そうすると今度は、月の回りの暗闇、『黒』が目についた。


 先ほど感傷を振り払っておきながら、再度、彼はそれに囚われてしまう。


 あの男は今どうしているのだろう。


 さっきまでの通信からして、また暗躍していたのは分かるが、あの男の行動は箍が外れ切っていて読めない。


 またなにやらとんでもないことをしていないだろうか、そしてセフィリアは無事だろうかと心配になる。


 とはいえ、彼はそこまで気にしてはいない。


 少なくとも、命の心配は要らないと確信している。


 そう、命の心配は。


 それ以上に、精神的なものがどうなるか分からない。


「せめて加減してくれるとありがたいのだがな」


 セフィリアを令に就かせたのは、彼といることで刺激を受け成長を促せないかと思ってのことが一つ。


 セフィリアは何かと、ため込みやすい性質を持っている。


 言いたいことを言わず、無難な対応をしてお茶を濁す。


 一般人であれば、それで問題はないだろう。だが、彼女が将来それを許されるかどうかは分からない。それだけ彼らが持つ血は、大きなものだった。


 それを何とかしたいと思い、令を使うことにした。


 あれだけ『個』が強い男の傍に居れば、良かれど悪しかれど何かしら影響を受ける。


 そこから、自分に足りないものを得ることを期待していた。


 そうなれば、もう自分の庇護など必要はなくなる。


 それが償いになるとは思わないが、それでも自分の気が、木漏れ日程度には晴れるだろう。


 とはいえ、それもすべて、うまくいったらの話。


 もしかしたら、あの男の重圧に耐えきれず、再起不能の心障を負うかもしれない。


 そして、ディックの公算では、その可能性の方が高いとみていた。


 そうなったとき、自分は自分が許せないだろう。


 息子夫婦を失わせ、その形見すら采配で喪う。そんなこと、耐えきれるはずがない。


 だが、それでも彼は、その道を選択した。


 そうしたのは、『公算』以上の『心算』があったから。


「レイよ」


 夜空を見上げ、独り言ちる。




「お前は………………哀れが過ぎる」




 目を伏せ、心の苦味を押し殺した末に、それだけが口から零れた。


「分からんのだな。他人との関わり方が」


 彼は、セフィリアのことを心配していた。


 だが、それ以上にあの男のことが心配だった。


 ただの他人。


 出逢い、年どころかひと月足らず、顔を合わせた時間だけで言えば、一日にすら満たないかもしれない相手。


 にもかかわらず、彼は、あの男が心配でならない。




 放っておけば、いずれ確実な『破滅』を迎える馬鹿者が。


 ただの凡人であれば、別に気になどならなかっただろう。


 世の中というのは、そのような不条理がまかり通るもの。


 彼の息子も、その犠牲となったものなのだから。


 それでも。


 あれだけの男が、何も為さぬまま歴史の波に埋もれ、人々の記憶から消えていくというのは、ディックにとって非常に惜しまれるものだった。


「セフィリアだけでは足りぬだろうな」


 今までの行動から、ディックは令の内に抱えるものについて、誰よりも詳細に把握していた。

 ディック自身の、人を見抜く力、眼力は、彼の人生経験に裏打ちされている。


 その見識に基づき、ディックは一種の賭けとして、セフィリアを近くに置くよう依頼した。


 彼自身のために。彼女自身ために。そして何よりも、令自身のために。


 その結果、セフィリアはこの短い時間で一定の成果を上げてくれた。


 昨夜の通信からそれがよく分かった。


 だが、まだ足りない。


 言ってしまえば、セフィリアの存在は起爆剤のようなもの。


 もとより、あれ一人でことが済むとは期待していない。


 それだけ令の抱えるものというのは、救いようがなかった。


 あの哀れな愚か者を変えるのに必要なのは、もっと単純で。気心の知れる存在。


 そう、例えば―――


「む……?」


 彼の耳に、来客を知らせる呼び鈴が届く。


 このような夜更けに訪ねてくることに訝しく思いながらも、ディックは周囲の者に対応させようとし、やめる。


 屍たちはもはや意識がかなたへ飛んでしまっていた。


 仕方なく、彼は溜息を吐くと自ら扉へと出向く。


 板一枚を隔てた向こうに、確かに人の気配を感じたことから、悪戯の類ではないようだ。


 とはいえ、それはそれで夜更けに訪ねるという礼を失した行為なのだが。


 開けて一口文句でも言ってやろうかと思い、ディックは扉にてを掛ける。


「夜分に失礼いたします…………ディオセリクス様」


 そして、彼は一瞬で不機嫌から殺意すら滲ませる鬼面へと表情を変える。


 目の前の人物そのものに、隔意は一切ない。


 むしろ、ここ最近で顔見知りを超えるくらいには関係を進めている。


 彼が反応したのは、彼の呼び名だった。


「何の真似だ、小娘」


 今までの仕事の疲れを感じさせない、得物を威圧するかのような声。


 それを受け、金の女性は、顔をこわばらせるも、怯まず畳みかける。


「一つ。お願いがあって参りました。元<エリュシオン公国>三大公爵家の一角、ルーナハイト家の当主にして、最階位魔導士<三賢杖(トリニス)>の<青>を担い、史上最高峰の水冷魔導の使い手であった、貴方に」


 まるで誰かに言い聞かせるかのように彼女は言う。


 事実、言い聞かせているのだ。目の前の老翁に、自分はお前の秘密を知っているのだと。


 見方を変えれば、脅しとも取れる言葉。


 それに怒号を返される前に、彼女は行動した。


 地に跪き、宝石のような髪が土に汚れることを構わず、頭を垂れる。


 土下座という、最高位の謝意を示す姿勢を。


 突然の行動に、ディックは怒りを返す暇もなく目を丸くする。


 そして、エルスは、ここに来た目的を果たす。




「どうか、私に魔導のご教授をお願いします……!」




 ことがどう転ぶか。誰にも分からない。


 だが、行動することは必ず何かを変える。


 ほんの一石が、水面に波紋を広げるように。


 ほんの、の積み重ねは、やがて大きなうねりを生む。


 それがいい結果か、悪い結果かは、後の者が決めること。


 ならば、『今』を生きるものは、ただ信じて動くしかない。


 今の自分の動きは、きっとこれからを変えるのだと。


 ―――もちろん、良い方向へと。




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