20話 捕食者
いろいろ考えたんですが、魔獣の名前は漢字に横文字のルビ振ることにしました。
振るのはその話での初出だけですが
ご意見くださった方ありがとうございます
そこは広場のようになっていて、周りを岩壁に覆われ、ところどころに人の身長ほどの大きさの岩が点在していた。
そして「岩餓鬼」は、巣と思われる穴の前に数匹立っている。
「まだ気づかれていないようだな。
普通なら全員で連携し、リスクを抑える戦いをするとこなんだが・・・」
サムスさんは困ったように続ける。
「組んで初めてでいきなり連携が出来るはずもないし、そもそもお前に至っては、規格外過ぎて周りに合わせた戦いが出来るとは思えん。
だからお前は単独で、それ以外は俺ら3人と君ら4人の組でやろうと思うんだが、どうだ?」
確かに、慣れてもいないことをいきなりやれと言われても、出来るはずもなく、動きも悪くなり、ろくに戦うことなど出来ない。
敵が多いという苦境に流されることなく、現状を冷静に見極めて最善手を選べるのは流石だ。
「おっしゃる通り、私の戦い方は他人が助けに入るといったことを一切考慮しないものですので、1人の方が都合がいいですね。
それに無理に協力しようとしても非効率的でしょうし、それが最善だと思います。
君らはどうだ、不安だったりするか?」
「いやまったく。」
「私も。
この4人ならば余程の数でない限り問題ないですし。」
皆にこれでいいか確認すると、予想通りの答えが返ってくる。
応えていない年少の2人も、頷いているので問題ない。
ネスト陣はもともと、サムスさんがこの手のことを考えているそうなので、反対があるはずもない。
「しかし、・・・?」
「ん?、気が変わりでもしたのか?」
「いえ、そうではありませんよサムスさん。
・・・自分でもよく分かっていないので気にしないでください。」
「?(全員)」
何だろうな、岩場全体に漠然とした違和感がある。
だが何故かは分からないし、とりあえずはおいとこう。
段取りが決まったところで乗り込むと、すぐさま奴らは気づき甲高い叫びを上げる。
すると巣穴から続々と出るわでるわ、ざっと見ても50匹以上の群れ。
何処から手に入れたのか、それぞれがボロボロの剣やナイフなどの武器を持っている。
醜悪な面をした小さな鬼でも、ここまで揃うとなかなか威圧感がある。
「やはりかなりの数だな・・・
それぞれのノルマでも決めておくか?」
ライガンさんが笑いながら言う。
ここで深刻になってもしょうがないし、むしろ空元気でも軽く思っていた方がいい。
本人が自覚しての発言かは分からないが、その言葉で固くなっていたクルスとルルの緊張が緩む。
まあ確かに多いし、母国で軍人だった兄姉と違って、実戦慣れしていないこの2人なら緊張してもしょうがない。
それじゃあ、こうしよう。
「私が7割を引き受けますよ。
皆さんは余りをお願いします。」
「ちょっ、レイさんそれは無理が無いですか!?」
「そうです!
先ほどはああ言ってましたが、やはり危険ですよ!」
驚いた様子の2人だけでなく、全員が何とも言えない顔をする。
さっきの俺の発言に一応の納得を示してはいたが、いざとなればやはりそうくるよな。
「君ら、あの数に惑わされて冷静さを失ってるだろ。
俺の魔法を見ておいて、今更あの程度の連中に後れを取ると本気で考えてるのか?」
「あ・・・」
「た、確かに、そうですね。」
「おいおい、お前らは何を見たんだ。
あんな夢物語のような話を本気にできるほどの魔法って一体・・・」
「同じ魔導士としては到底信じられる話ではありませんね・・・」
「お前にそう断言されると、俺たちがおかしいように感じられるよ・・・」
どんな数だろうとあの程度の敵であれば、俺の魔法ならば一発で炭の山にできる。
それを分かってるので、彼らは簡単に納得した。
ネスト陣は呆れた様子だったが。
その後もあれこれ言われたが、テキトウに受け流し、反論し、強引にねじ伏せる。
サムスさんに指揮を頼んでおいてこれはないと自分でも思うが、俺は彼ら全員の強さをよく知らないので、念のために出来るだけの安全措置を取っておきたいのでそこは譲らなかった。
そうして反対する人間がいなくなったので、そういう割り振りでいくことになる。
その間にもゴブリンたちはこちらへと向かって来ていた。
かなり必死の形相になって走ってくる。
さっきよりも数が増えて、今は大体100といったところだ。
その戦力比、約13対1、半年前の俺だったら間違いなく逃げの一手を選んだことだろう。
「それでは始めますか。
よっ。」
今では羽虫程度の存在でしかないがな。
軽い掛け声とともに腕を振るう。
固まって押し寄せていた敵が、一瞬で現れた分厚い氷の壁で分断される。
その現象に敵味方双方の動きが止まる。
もう振り返らずとも気配からどんな反応をしているのか予想がついているので、さっさと戦闘を開始する。
「では私がこっちの多い方を担当するので、そちらはお任せします。
もし皆が苦戦しているようでしたら、お手数ですが手助けしてやってください。」
そう告げて返事を待たずに動き出す。
さて2日ぶりの対魔獣戦闘だ、楽しませてもらいますか。
・・・言うほど久しぶりでも無かったな
今回は相手もあの程度だし、魔法は無し、使っても下位で済まそう。
身体全体へと闘気を巡らせ、一気に接敵する。
まだ100mほどあった距離が1秒ほどで無くなり、とりあえずはその勢いのまま殴る。
ボシュッ
胴体はそのまま微動だにせず、頭だけがかき消えた。
ものっすごく脆い。
おいおい、この程度の一撃で爆散しちまったよ。
「魔の森」ならこの程度では怯みもしない奴が大半だったのに。
しかしこれくらいが森の外では普通だと言うし、あそこの異常さを初めて思い知らされた気分だ。
いきなり仲間が屠られて、群れに動揺が広がる。
俺にはそんなことはどうでもいいので、そのまま次の行動を起こす。
一体の頭を鷲掴みにし、全力で群れの中心部に向けて投げ捨てる。
「ギギャアアァァアア!!!」
聞くに堪えない鳴き声を上げながら、10ほどのゴブリンが巻き込まれ吹き飛んだ。
そいつらは大地というおろし金に削られて、見るも無残な姿となる。
「想像以上に弱いなこいつら・・・
武器を抜く必要すら無いとは。」
このまま一体ずつ投げていってゴブリンボウリングをやってもいいが、せっかくここまで数が居るんだから対集団戦でも練習してみようか。
そう考え、敵がまとまり向かってくるのを待ちながら、あっちはどうしてるか見てみる。
「おお。」
思わず感嘆の声を漏らしてしまった。
こちらの余りとはいえ、その数約30の敵。
それを相手に、彼らは完全に圧倒している。
ネスト陣は素晴らしい連携で相手の攻撃を完全に防ぎきっている。
そのスタイルはまさしく堅実といったもので、3人で固まり、各々の欠点を埋めあっている。
一見、防御を主体とした戦い方をしているように見えるのだが、怪我を負わないことによりすべての行動が滑らかになり、結果的に敵をより早く倒している。
そして我が仲間たちは、ネスト陣ほどではないもののかなりの連携を見せ、単純なスペックでも相手を圧倒している。
エルス以外は全員闘気主体で戦っているようで、体の一部や武器が発光している。
ちなみに俺も今は闘気を使っているが、彼らとは違った使い方をしているため光ってはいない。
レオンが大剣で敵を切り開き、大振りな動作で生じた隙をルルがレイピアの流麗な動きで補う。
この2人、背中合わせでもお互いの位置が見えているかのように動いてやがる。
その2人により守られたエルスとクルスが、距離の離れた敵を火力のある魔法と弓の精密射撃により殲滅している。
エルスが火力優先の濁流を生み出して敵を押しつぶす。
そしてそれでも生き残った幸運な、いや不運な奴は、クルスの急所を狙う、弓とは思えない正確さと連射速度により息絶える。
(実力がある程度予測できていたレオンとエルスは戦えるのは分かってたが、クルスとルルも明らかに、自己申告の一般レベルであるDを逸脱していないか?)
そう思ったが、よく見ると年少の2人は年長と比べて確かにまだ動きに無駄が多いし、一撃の威力も低いようだ。
それを年長の2人が補っているのだな、ホントにぴったりの4人だ。
あっちはまったく問題ない。
と、そのまま眺めているうちに、驚く発見をいくつか見つけた。
エルスの剣には魔法陣が刻まれているのだが、魔法を使う時にそれが発光していたのだ。
どう見ても、明らかに何らかの働きをしていることが分かる。
予想を裏切り、本当に効果があったようだ。
これはこれから本格的に調べねばなるまい。
思い込みで効果が無いと信じ込んでいた自分を反省する。
そして彼らが使っている武器だが、闘気の通い方が俺のナイフと違って極めて滑らかだし、エルスのナイフはどうやら魔力を込めると簡単な魔法が発生する代物のようだ。
どうやらそういった特殊な材質らしい、後で聞くことにしよう。
最後にこれが一番気になったことなのだが、ルルがおかしかった。
と言っても挙動がおかしかったわけではない。
まだ実力が未熟なためか、一度攻撃を受けそうになるときがあったのだが、その時相手の動きが不自然に止まったのだ。
魔法でも使ったのかと思ったが、魔力が感じられるなど、ルルが魔法を使ったような様子は一切なかった。
よく思い出すとそれが起きたのは、皆がルルから注意を逸らしていて、さらに関係あるかは分からないが、誰からも顔が見えない時だった。
(ふむ、何かまだ隠していることがあったんかな?
しかし見たのは一度だけだったし、不自然ではあったが偶然なにかあっただけかも分からんから、とりあえず放っておくか・・・、て、おお。)
単なる勘違いの可能性も高いのでこれについては放っておくことにした時、まとまって押し寄せて来ていたゴブリンから斬撃をくらう。
しかし今の俺には生半可な攻撃は通じなく、精々皮を切る程度の意味しかないので、驚く以上の効果はなかったのだが。
「すまん、忘れてた。
では相手してもらおうか、小鬼諸君。」
残り60ほどの敵に向かってそう言い、切りつけてきた奴の首を手刀で落とす。
このまま素手でこいつらを片づけてもいいのだが、より実践的な対集団戦のシミュレートのために武器を使うことにする。
ナイフを抜き、手当り次第に切り捨てる。
敵の攻撃は、闘気の足場を使った高速の三次元運動ですべて回避する。
上に飛び、障壁を天井のような足場として真上から切りおろす。
着地した瞬間に一斉に襲いかかって来たが、体をほぼ地面と水平にして飛び、体を回転させながら弾丸のようにそのまま8ほどの敵を一気に切り捨てる。
闘気の障壁を移動手段として用いれるようになったことで、俺は人間が想像できるあらゆる動きをほぼすべて実行に移せるようになった。
盗賊を狩った時のように、地面も天井も無く、縦横無尽に暴れまわる俺にゴブリンどもは手も足も出ないようだ。
切って潰して狩って裂いて割って千切っておろして・・・、ひたすら暴れ続ける。
そのまま己の狂気の赴くままに、敵を狩り続けた。
ほんの十分ほどで残りが20ほどになり、向こうももう残り3分の1ほどまでには片付いているようだった。
しかし、俺にはもう敵を蹂躙することに喜びを感じる余裕はない。
無論、敵に負けそうとかそんなことではない。
ただ困惑していたのだ。
向こうも同じらしく、誰もまともな手傷を負っていないのに表情に余裕がない。
とりあえず、向こうの意見を聞くために氷を力づくで壊して合流する。
「サムスさん。
「岩餓鬼」ってのはこんなに闘争本能が強いものなんですか?」
「んなわけあるか!
奴らは基本、生きることを一番に優先するもんだ!
こんな腕の2、3本失っても襲ってくるほど凶暴な「岩餓鬼」なんて知らねえよ!」
つまりはそういうことだ。
こいつら、両腕をもいで攻撃手段を失っても、両足を切り落として動けなくしてもお構いなしに襲ってくる。
ここまで必死に来られるとどうしても多少威圧されてしまうようで、こっちの面々にも余裕は感じられない。
「レオンさん!
後ろから来てますよ、気をつけて!」
「ああ、まったく!
こんなやりづらい戦い初めてだぞ、人間の軍人だってこんな殺意丸出しで向かって来ねえよ!」
「兄さん、喋ってる暇が有ったらさっさとそっちの敵を掻っ捌いてください!
4体もまとまっていては、私より兄さんの大剣の方が適してます!」
「レオン、ルル、大きいの使うから少し下がってて!」
「落ち着け。
焦っても状況は変わらんし、まともな判断も出来なくなるぞ。」
焦りが見え始めていたので、静かな声で窘める。
そう言うと答えはしなかったが、皆多少は冷静さを取り戻してくれた。
先ほどまでよりも目に見えて無駄が少なくなる。
「しかし確かにこりゃおかしいぜ。
なにがあったらこんなになっちまうんだ・・・」
「まあ考えても仕方がないことです。
今はここを切り抜けることを考えましょう。」
ライガンさんとフルートさんが言う。
確かにその通りだ、しかしこのままだと不確定要素が多いので、皆には悪いがもう終わらせてしまおう。
幸いというか大本の目的であった、実力を見せるというのは達成できてるし。
「全員私の半径3m以内から外に出ないでください。
もう終わらせます。」
「終わらせるっていったい何だよ!ってお前そう言えばあの数をほぼ片づけたのか・・・
てっきり対処できなくなって逃げてきたのかと思ったぜ。」
「・・・なかなか失礼なことをおっしゃいますネ。
氷漬けにして差し上げましょうカ。」
「すまなかった!
お願いだから許してくれ、言うことには従うから!
ほら、お前らも早くこっち来い!」
「わ、分かった!、今行く!」
「は、はい!」
サムスさんが慌てて仲間2人を呼ぶ。
思いがけず脅迫のような形になってしまったが、とりあえずは従ってくれるようなのでいいか。
皆は俺の言うことに今更逆らうはずもないので、全員が安全圏へと入ってくる。
そして再び、今回は氷の茨を自分たちの周囲に作り上げる。
入って来ようものなら、全身をズタズタにされて確実に息絶えるだろう代物。
直接凍らせなかったのは、実験したかったからだ。
そして、実験結果は直ぐに分かった。
「う・・・」
「こいつら、正気か・・・?」
「自殺願望でもあるのでしょうか・・・」
「2人は見るなよ。
まともなもんじゃない。
クルス、大丈夫か?」
「だ、大丈夫です。
この程度、レイさんの盗賊にした仕打ちに比べれば・・・」
「その考えかたは複雑だが、否定できんしいいや。
だがクルス、レオンの言うとおり無理するなよ。」
俺以外の全員の顔が恐怖に引きつる。
エルスとルルは見ないようにして黙ってはいたが、それでも目に入ったのだろう、顔を青くしている。
ゴブリンたちは茨に覆われた俺たちに尚も向かって来た。
そして、当然のごとく全身を切り刻まれる。
それでもすべてが、這ってでも、血で全身を浸しても、トゲに腹を破られて内臓がはみ出ても前進を止めなかった。
どんな子供でも分かるほどの、生物としての常軌を逸した行動だ。
そして数分もすると動くものはいなくなっていた。
その死体を俺は焼き尽くす、さすがにここまでのものを見せられれば不快だったのだ。
ここまでの結果になるとは俺も正直考えていなかった。
「エルス、ルル、もう目を開けてもいいぞ。
しかしこいつらには一体なにがあったんだろうな。」
ここまでいかれた事態が続くと、何がまともなのか分からないな。
―――いや、そもそもまともなことなどあるのか?
「サムスさん、あなたはこの依頼を過去に受けたことはありますか?」
「あー、そういや1回だけあったな。
それがどうした?」
「その時はどれくらいの数がいたんですか?」
「・・・確か、60といったところだったな。
その時はこっちは20くらい居たからまったく問題無かった。
・・・これ思い出して見ると、今回の依頼とお前の非常識さが改めて分かるな。」
「!、その時は前の依頼からどれくらいの期間が経ってましたか?」
「1月半といったところだ。
なにか気になることがあるのか?」
「・・・ええ、非常に、ね。」
そう言った俺に、全員から聞きたそうな視線が送られるのを感じるが、思考に夢中になっている俺に、それに応える余裕は無かった。
1月半で60、それが平均かは分からないが、1つの尺度として問題無いだろう。
それに比べて今回は6か月にも関わらず、精々100ほど。
繁殖には問題がつきまとうため、個体数の上昇には限度があるだろうが、この数は不自然だ。
4倍もの期間があったのだからもっと数が居なくてはおかしい。
そして実際に来て見た、狂気的としか言えない異常な行動の数々。
いくら殺されても一切引かず、結局全滅するまで戦い続けた。
まるで、もう後が無いかのように。
(後が無い、か・・・
もしかしてその通りだったのか?)
始め見た時から思っていたが、こいつらはどう見ても栄養が足りているからだ付きをしていない。
見渡すと、どの個体もガリガリに痩せているのだ。
思えば、この依頼は始めからおかしかった。
安全期間の3倍もの時間、ネストがそれほどの期間放っておいたという事実。
いくら職員がサボっていたとはいえ、普通に考えてそんなことが起こるわけがない。
人命がかかる事態であるのだから尚更だ。
となると、そんなことになった考えられる理由は―――
いや、脱線していたな、考えを戻そう。
考えつく痩せてしまう理由は、当然エサが足りないことだろう。
だが、さっきも言った通り奴らはエサが無くなったらまず人を襲うはずなのにそんなこともない。
つまり、ここから出られない理由が存在するのか。
思いつくものはただ1つ。
それは、圧倒的な捕食者の存在
だが、これまでの道程でそんなものは見つからなかった。
ゴブリンを岩場に閉じ込めておくためには、この近くに居なければならないはずなのだがな。
待てよ、そういえばあの違和感の正体は何だったんだ?
今もまだ感じているあの違和感。
いや、今ではむしろ強くなって焦燥感と化している。
それでも依然として何が原因かは分からない。
周りにあるのは、地面と岸壁と岩だけ。
・・・岩?
最初に上に昇った時でも見えていたな、あれらは。
というかここらにはそもそもそれしか物が存在しない。
・・・まさか、そういうことなのか?
信じられない気持ちがあったが、上に昇った時の光景、初めにここに着いた時の光景、そして今の光景を思い浮かべ、比較する。
そしてその結果は、
「そういうことかよ・・・
ホントに何でもありだなこの世界は。」
結論がでたところで、全員に警告するために顔を上げる。
しかし、ネスト陣の姿が見えなくなっていた。
「レオン、彼らは?」
「ん、お前が考えこんでしまって話しかけても反応がないし、ここに居てもしょうがないって言って馬車の馬が心配だから様子を見てくるってさ。
残党がいて襲われてるかもしれないし、尤もな意見だったからここは俺たちに任せて貰って先に行ってもらったよ。」
「んなっ!?
それはいつの話だ!」
「きゃうっ、ついさっきですよ。
ほら、あそこにまだ見えますし。」
そう言いエルスが指差したところには、3人が来た道を戻っている背中が見えた。
そして行先には、来た時は無かった岩が存在している。
「その岩に近づくな!!!!」
今日初めての大声を出す。
その言葉に皆は驚いていたが、それを気にする余裕はない。
叫びながら駆け出す。
闘気を使った全開での速さだ。
3人はこちらの言葉に気づいたようで立ち止まるがもう遅い。
―――次の瞬間、彼らのいた、岩の近くの地面が砕けた
お暇であれば評価をどうか!
あれっぽいですよね~
自分でも一応わかってますが、擬態生物やってみたかったんです
どうかお許しください