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箱館・怪談散歩  作者: オブチアスマ


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第86歩 TV出演

 Fさんは昔、仲間とTVに出たことがあった。

それは仮装をして審査してもらい点数を競う番組だった。


 活気あるリハーサルが行われFさんは、ある三人組と仲良くなった。

その三人は感じの良い人たちで、すぐに打ち解けたが

一人だけは、ずっと話もせずニコニコと笑って側にいるだけだった。


 本番が始まり、その三人の演技も見学した。


TVで見たタレントたちが目の前にいて

皆、思い思いの演技で楽しく、あっという間だった。


 すべてが終了すると会場で打ち上げになった。


そして記念に出演した者同士がプレゼント交換をした。


 その時Fさんは仲良くなった三人とプレゼント交換をした。


「あれ、あの、もうひとりの人は?」


あの大人しかった人が見えないので聞いてみると

最初から二人だという。


「あれ、あ、そっかぁ、なんか勘違いしちゃって、すいません・・・」


お茶を濁し会場を後にした。


『もう、なんだって俺わあっ・・・・』


 後日、家で放送を見たが例の三人は、やっぱり二人しか映っていなかった。


TVを見ていたFさんは何故だか涙が溢れてきて止まらなくなり独り泣いてしまった。

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