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箱館・怪談散歩  作者: オブチアスマ


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第72歩 2001年

 2001年の夏、大工のKさんは時々、自宅二階から

出漁して海に浮かぶイカ釣り船の漁火(いさりび)を眺(なが)めていた。

地元の人間でさえ海に浮かぶ漁火は何度見ても美しく

飽きのこない風景だった。


 漁火の見える窓を開け部屋でくつろいでいると

21時過ぎ家人が部屋に入ってきて


「UFOだ」という。


言われて窓から漁火の浮かぶ海を見ると

イカ釣り船の上空にオレンジ色の光が浮かんでいて

横に移動したり消えたり現れたりを繰り返すと

光の数は増えて五個ほどになった。


大きさは船と同じくらいの大きさで船のすぐ上に現れていた。


 船の漁師さんは、なるべく顔を上げずに下を見て作業しないと

目の表面をライトの光で火傷(やけど)してしまうため、

もしかしたら頭上のUFOに気づいていないかも知れなかった。


 すると米軍基地からか、それとも航空自衛隊か解らないが

ジェット戦闘機が飛来してきた。


―ゴオーというジェット機のエンジン音がしている。


海でUFOも珍しいが夜間のジェット機は、もっと珍しいと思った。


目を離さず見ているとオレンジの光は消えて見えなくなり

UFOもジェット機も居なくなった。


 翌日TVや新聞を見たがニュースにUFOの報道は無かった。

 

 しばらくたって、そんな出来事も忘れていた2004年。


ある日、仕事場で同業者と話をしていると、その同業者は釣りが趣味で

Kさんの住む町の岸壁で時々夜釣りするのだと云い


「そういえば一度夜釣りをしていてUFOとジェット機を見た」

と彼は話しだした。


 やはり2001年の夏で時間帯も21時過ぎ、どうやらKさんと

同業者の彼は違う場所から

同じものを目撃していたらしい。

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