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第52歩 深夜の坂道
山の麓には古くから公共施設や住宅街、商店街があり山側に向かって坂道が何本もある。
ある日、Kさんは女子二人で深夜、何本か坂道を車で廻って夜景を楽しんでいた。
各メディア撮影にもよく使用される幅の広い坂の上に車を停めて友人とおしゃべりしていると
―グラ・グラ・グラ・グラ・・車が揺れだした。
「地震?」
なんとなく坂道を見下ろすと兵隊さんが沢山いて、ほふく前進で登ってくる。
一緒の友人も
「何あれっ!」と声を上げた。
車は、まだ揺れている。
―グラ・グラ・グラ・・・・
咄嗟にKさんは
「目、瞑って見ないでっ!」
自分も目を瞑ってじっとしていると揺れが止んだ。
周囲にはなんの気配もなくなり誰もいない。
「うー、もう帰ろう」
その日、地震は観測されていなかった。




