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目が覚めるとそこは…異世界だった!Ⅱ エステルマギの埋蔵金  作者: 鷹茄子おうぎ
第3章 予定外

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ピザと決意

何やかやとしているうちに、時刻はとうにお昼を過ぎていた。出かけたばかりのゲオルクには悪いが、書き置きを残してとりあえず昼食をとることにしよう。


昼食はチーフズクレア砦内の『ピザ専門店オレクシ』で食べることになった。ピザ専門店となっているものの、ピザ以外のメニューも充実しているようだ。だが、今回いただくのはもちろんピザである。


ここはアインラスク、やはりシーフードピザだよな…ってことで俺が選んだのは、アンチョビとピナ牧場のカチョカバロを使った6種類のチーズのピザだ。


海の香りのする塩漬けのアンチョビと、甘いトマトは最高に合うね。6種のチーズを使っているだけあって、ピザを持ち上げたらチーズがビヨ~~~ンと伸びるのも面白い。チーズの美味しさもピカイチだ。さすがはピナ牧場、侮れないぜ…。もちろんモチモチとした香ばしい生地も、文句なしに旨い。


これ程のピザを出す『オレクシ』は、ただのピザ専門店ではない。真のカペリピザ協会なる団体から認められたピザ専門店なのだ。お墨付きをもらえるとはね…なかなかやるじゃないか。


『オレクシ』には個室もあり、俺達はもちろん個室に案内された。昼食の後、女子は仲良くおしゃべりタイムである。あんなことがある前に入り浸っていた雑貨屋トークで大盛り上がりだ。


もちろん、俺は蚊帳の外である。よく見ると、アマユキのテンションが微妙に低いね…そういえば、ちょっと違うって言ってたな。何がどう違うのかは分からんが、それでもちゃんと会話に混ざれるのはさすがだ。十分すぎるほどに休憩した後に先程の部屋に戻ってみると、既にゲオルクが帰ってきていた。


「戻ってたのか…昼休憩はちゃんと取ったか?」

遠慮しなくてもいいんだぜ。


「ひ、昼ご飯はちゃんと食べました」

どうも昼ご飯は食べたが、休憩はほとんど取っていないようだ。ゲオルクの性格上、今から休めと言っても聞かないだろうし…ここはもう少し考えてやるべきだったな。


「そ、それから…ルアンザラーン商連合ですが、明日の13時過ぎなら大丈夫だそうです」

そうなるとルアンザラーンの件は一先ずここまでだね。


「あの男の身元はどうなっている?」

「い、今、部下が調べています」

そうか…ならば俺達もそっちに合流するか?


「あ、あと…クランドールさんからこれを、預かっています」

手渡されたものは、アインラスクのどこかを拡大したものと思しき地図と、家の間取りを描いた図のようだ。なんだこりゃ?


「私達にそこを拠点として使うように、とのことだろう。すぐそこのようだな」

ああ、なるほどね。ちょっと地図を見ただけで分かるとは…さすがはカレンである。そうなるとここは拠点を確認しに行きたいところだ。


「俺達はこれからそこを見に行く。ゲオルクは部下と合流して、あの男のことを調べてくれないか?」

この砦でできることはもうなさそうだし…これが最適手のはずだ。


「わ、分かりました!」

勢いよくゲオルクは部屋を飛び出して行った。そういう性分だから、仕方がないんだろうね。


クランドールが用意してくれた拠点は、チーフズクレア砦から目と鼻の先にある民家だった。セルゲイザル通りで見たような、隙間なく建っている家々のうちの一軒だ。4階建ての建物で、5人が暮らすには十分な広さがある。民家というよりはちょっとした邸宅だな。


内装も豪華という訳ではないが、充実している。いつも俺が使っている部屋と似ているね。ユリーシャが使う分には質素すぎるかもしれないが、そもそも軍の魔法戦士が寝泊まりする施設なので、そこは仕方がないだろう。


アインラスクの家々は、中庭を囲むように建てられることが多い。だが、この民家は一番端っこなので中庭には面していない。住むということを考えた場合にはマイナスになるが、中庭からの襲撃を気にしなくてもいいと考えると、むしろプラスである。


「いい所だな」

民家内を一通り見て回り、何の変哲もない感想が俺の口を衝いて出た。


「ありきたりだね」

すかさずアマユキから突っ込みを入れられる。なかなかに手厳しいですね。


「6人で住むには丁度いいですねぇ…」

いやいや、5人だろ。俺はほんわかなフェリシアさんに、声には出さずに突っ込んだ。でも、そうではなかった。


「あぁ、ティアリスが来るのね」

長い付き合いのアマユキは、すぐに6人の意味を汲み取った。でも、俺には汲み取れん。


「ティアリスが?」

なんで?


「カレンがリアルナさんに報告したら、ティアリスを派遣することを条件に認めるってことになったそうですよ~」

なるほどね。


リアルナさんが俺達だけでは不安に思っているのかどうかは分からないが、今のところこの件の裏にいるヤツの正体はまったく分かっていない。用心するに越したことはないだろう…ティアリスは性格的にはアレだが、その実力は折り紙付きだ。しかも今は都合よくカルケーストにいる。


ここまで俺達レガルディアの魔法戦士は後手を踏んできたが、ここからは違うぜ…。反転攻勢だ、見てろよ!

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