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二章


   二章


 ゴザーラは苛立っていた。

「まだなのですか?」

 何度も同じことを言ってしまう。

 その度に、サンクから返される言葉も同じだった。

「落ち着いてください、姫様」

 姫様、と呼ばれることに少し抵抗を感じる。

 確かに自分は、ウルース大地を支配した女王キザラの血を引いている。

 しかし。

 ゴザーラは自分が住む家の中を見渡してみた。

 つるされたシャンデリアは、一部が壊れている。

 豪華な絨毯には、赤い染みがついている。

 床の大理石は、欠けている箇所が多い。

 ゴザーラが物心ついた時から、住んでいる家はこうだった。

 小さい頃の自分は、よく両親にねだったものだ。

「引越ししたい。普通の家でいいから、こんなボロボロじゃない家に」

 その度に、不細工な父と綺麗な母はさとしてきた。

「我らのような高貴な一族が、庶民の家に住んではいけないのです。どれだけ、キザラ様がお嘆きになるか考えなさい」

 そんなものか、と思っていた。

 だが、今から五年前に召使いのサンクから聞いた言葉に、ゴザーラは世界がひっくり返るようなショックを受けた。

 その頃すでに、老婆だったサンクはこう告げた。

「引越しは、できないのです。ご主人様が莫大な額の借金をかかえていますから」

 そんな話、両親は一度もしてくれなかった。

「なんのための借金? 一族の復興のため? それとも、貧しい人を救うため?」

 サンクは沈黙の後、静かに言った。

「剣闘士の戦いのためです」

 剣闘士?

 太っていた父。

 とてもじゃないが、戦える体じゃない。

「嘘をつかないで。お父様が戦うわけがない」

「もちろん、ご自身は戦いません。戦うのは、別の方」

 え、と五年前の自分は怪訝な顔をした。

「その剣闘士は、我が一族に忠誠を誓った人なの?」

「いいえ、全く忠誠心は関係ありません。ただの、ギャンブルですから」

「はあ?」

「ご主人様はしょっちゅう『剣闘士の祭場』に行っては、予想が外れて大金を失っているのです」

 なにも言えなかった。ただただ呆然としたのを覚えている。

「奥様は、やめてくれと何度もおっしゃっているのですが」

「お父様が、拒絶している?」

「いいえ。『分かった。おれも損はしたくない。やめよう』そんな風におっしゃいます。

 しかし次の日には、平気で約束を破るのです。問い詰められると『足が勝手にあそこへ行ってしまう。おれでなく、おれの足に文句をつけてくれ』と返されます」

「な、な、な」

 そんなろくでもない男だったのか!

 それなら「おれはギャンブルはやめられないんだ。許してくれ」と返した方がましだ。

「あ、あの馬鹿親父が!」

 その晩に起きたのは、激しい親子喧嘩。

 四日間に及ぶその喧嘩で、ゴザーラは何とか父親を家から追い出すことに成功した。

 美しい母は、涙を流して喜んでくれた。

「ごめんなさいね。ゴザーラに、本当のことを言えなくて」

 ゴザーラは、母の手を握って微笑んだ。

「お父様から禁じられていたのなら、仕方ないわ」

 それから数か月後、父が死んだことを聞いた。

 借金まみれの極貧生活で、酒におぼれて死んだそうだ。

 なんとも思わなかった。

 美しかった母が死んだ時は、三日間号泣した。

 唯一の救いは、サンクがずっと手を握っていてくれたこと。

「私の力ではとても代わりにはなりませんが、姫様をお守りし、幸福へと導きます。あなたのお母様もそれを望んでおられるはず」

 母の死の悲しみに泣いた後は、サンクの優しさに泣いた。

 父のことは憎んでいる。

 理由は二つ。

 一つ目は、私と違って賭け事にうつつを抜かすところ。

 二つ目は、私とよく似ている所があること。

 金具を叩く音がして、ゴザーラは現実に戻された。

 帰ってきたのだ!

 どうだろう。

 ボードゲンとの交渉はうまく行ったのか?

 駆けだそうとするゴザーラを、サンクが押しとどめた。

「姫様、まずは私が使者に会います。少々お待ちを」

「分かったわ」

 広い部屋を小走りで走って、象の絵が描かれた重い扉を開けてサンクは出ていく。

 どうなったのか。

 うまく行ったのだろうか。

 ボードゲンの性格からして。

 帰ってきたサンクがドアを開けると、ゴザーラは息を荒くして迫った。

「どうだった? ボードゲンの返答は?」

「ボードゲンの元へつかわした使者、ではありませんでした」

「へ?」

「カルナンという男を知っていますか?」

「ああ、カルナンね。あいつがどうしたの?」

「姫様への恋文です」

 なんか、とてつもなく嫌な気になった。

「カルナンはお嫌いですか?」

「いいえ、嫌な予感がしただけ。別に、嫌悪してはいないわ」

「……はい」

「読みあげてくれる?」

「承知いたしました。書かれていることを朗読いたします」

 サンクが咳払いをした。

「ゴザーラ様、あなたを一目見たその日から、あなたの美しさに……あ、姫様」

 手紙を奪って、びりびりに破いた。

「ふざけるな!」

 ゴザーラは叫んだ。

「やはり、お怒りになりますか」

「何が美しさだ! 地獄に落ちろ、カルナン!」

 この家には、鏡が一枚もない。

 その理由は、自分の顔が父にそっくりだからだ。

 歴史上最も不細工な姫君。

 ウルース大地の誰もが使う通称である。

 何故だ?

 どうして、美しかった母に似なくて、性格だけでなく顔もひどかった父に似てしまったのか。

「あなたは美しい」

 と言われると殺してやりたくなる。

 しかし「あなたは不細工ですね」と言われても失礼だから殺してやりたくなる。

「あなたの顔は普通ですよ」と言われるのはまだましだが、腹が立つ。自分の顔はどう見ても普通よりひどいからだ。

 容姿に関して唯一怒りを覚えないのは、サンクの言葉。

「姫様は私よりはるかに美しいです」

 本気で言っているのが分かる。

 なんと言っても、サンクは八十七才なのだ。しわだらけでしみも多い、老いた女のサンク。母が死んだ今、世界一好きなのがサンクだ。

「早く、肉体の泉の水を飲みたいわ」

「姫様の願いは重々承知しています」

 あれを飲めば、自分は絶世の美女になれる。

 いや、ただの美女でない。

 最高のプロポーションの体の、男が夢でしか見られないような完璧な女性になれる。

 ウルース大地の全ての男が自分に惚れるだろう。

 そうして、自分に陰口を叩いた男を見返してやるんだ。

 金具を叩く音がして、再びゴザーラの動悸は激しくなった。

 果たして、うまく行ったのか?

 ゆっくりと扉が開いた。部屋に入ってきた召使いの女。

 太っている四十五歳のマリンは、悲しげな顔をしていた。

「駄目だったのね?」

「はい、姫様。申し訳ございません」

 ため息をついた。

「いいわ。たぶんこうなるだろうとは思っていた」

 肉体の泉に触れるのを許されるのは、ウルース大地で最強の者以外には三人しかいない。

 最強の、今で言うとボードゲンが認めた者だけである。

 すでにジャゴーとギンカンが特別な肉体を持っている。

 最後の一人に、自分なんかを選ぶはずがない。

「まあ、いいわ。お母様の服が、宝飾が失われなくて良かったとも言える」

 ゴザーラはいたわりの心をこめて言った。

「きっと、神様がおっしゃったのね。母の形見を手放すな、と」

「あの、本当にすみません」

 ゴザーラは笑いかけた。

「だから、いいと言っているじゃない」

「それが、最悪の事態になってしまったのです」

「え?」

 最悪の事態?

「なにが、なにが起きたというの?」

「ボードゲンは、あの男は私が持って行った物を全て奪った後で、私を追い返したのです」

「なんですって!」

 サンクが、悲痛な叫び声をあげた。

「抗議すると、『文句があるならおれを倒して、奪い返せ。一対一の戦いなら受けてやる』と言いました」

 ゴザーラの体が、怒りに震えだす。

「おのれ、おのれ! ボードゲン!」

 理不尽にも、大切な母の形見を奪ったのか!

 涙は流れない。

 悲しみではない。自分を支配しているのは、怒りだ。

「姫様、このサンクが悪かったのです。こうなる事態を、想定すべきでした。間違った進言をして、本当に申し訳ございません!」

「いいえ、サンクは悪くない。悪いのはボードゲンよ!」

 ゴザーラはこぶしを握り締めた。

「いいわ、そこまでほざくのなら、私がボードゲンを倒す」

「姫様!」

 サンクが慌ててゴザーラの服をつかんだ。

「おやめください! どんな残酷な目に会うか分かりません」

「やめないわ。絶対にやめない! あいつを倒せば、母の形見は取り戻せる。そして、自分は絶世の美女になれる!」

 復讐のため、大切な物を取り戻すため、美女になるため。

 これしか道はない!

「お願い。止めないで、サンク」

 サンクはしわだらけの顔を震わせた。

 下を向いて、ぶつぶつとつぶやく。

 考え事がある時、サンクはいつもこうする。

「分かりました。止めはしません」

「分かってくれたのね、サンク」

「ただし、条件があります」

 老婆のサンクは低い声を出した。

「このウルース大地に、肉体の泉を求めるものは多いです。その連中の中で、聖魂の宿る泉に触れた者は、姫様を含めて何人いますか?」

「四人」

 はい、とサンクはうなずく。

「姫様。妹が病のシガース。男になりたいユリード。剣士のキギダン」

 何を言いたいのか、分かってきた。

「まずは、そいつらを倒せということね」

「はい。この三人に勝てば、ボードゲンに挑んでもかまいません」

 ゴザーラは黙った。

 熱の泉には、触れられない。

 美女になりたいから泣いたことなどない。

 天候の泉にも触れるのは不可能。

 鉄の泉は、恐らく達成できないだろう。

「自分が触れるのが許されるのは、花の泉だけか」

 花の泉に宿る聖魂の条件は三つ。

 ウルース大地全土を支配する王の血を引いていること。

 そして、その王の一族が没落していること。

 それに加えて、女であること。

 今のウルース大地では、その条件を満たすのはゴザーラだけだ。

「分かったわ。三人とも、倒してみせる」

 ゴザーラの声にこもっていたのは、決意と怒り。

 三人を倒す!

 そしてジャゴーとギンカンを倒し、ボードゲンを殺す!

 成し遂げてみせる。

 この家に、鏡がおけるようにするためなら死もいとわない。

「まずは、シガースから倒すわ!」

 天国から見ていてください、お母様!


 ■■■


「おれはもう負けて、脱落したよ」

 シガースの言葉に、拍子抜けした。

「そうなの?」

「ああ、そうだ。ユリードには勝てなかった」

 へえ、とゴザーラは返す。

「最愛の妹の命を、諦めたのね」

「いや、違う」

 シガースは首を振った。

「ユリードが約束してくれた。メリアンヌの病を癒すって」

「え? どうして?」

「たぶん、メリアンヌが好みのタイプだからじゃないかな」

 自分の顔が引きつるのが分かる。

 メリアンヌは美少女だと知っている。

 ユリードの心は男。

 綺麗な女が、そんなに好きか!

 おのれ、男め!

 言葉も返さずに、ゴザーラはシガースの家から背を向けた。

 下手な舗装で歩きにくい道を避けて進むゴザーラに、サンクがついてくる。

「嫌なやつね、ユリードって」

 え、とサンクがつぶやく。

「どこが嫌なのですか?」

「体は女性でも、所詮は男の心。女を顔で判断する屑よ」

 サンクはなにも言わない。何を言っても自分を傷つけてしまう。それが分かっているのだ。

 小さな虫が飛び交っている。ゴザーラは、別に虫が嫌いではなかった。虫は、自分の容姿について何か言ってくることはないのだから。

「マリンは?」

「ユリードを探しているはずです」

「そう」

 立ち並ぶ平凡な家屋を、かすかな羨望の思いで見つめる。

 豪華でありつつ廃れた屋敷に住む自分。普通の家に住むことは、まだしていない。いや、一生引っ越しはしないだろう。

母と共に住んだ、思い出のある屋敷なのだから。

マリンが駆けてくるのが見えた。

 肥満体のマリンは、びっしょりと汗をかいている。

「はあ、はあ、はあ」

「大丈夫? マリン」

「は、はい」

「どこにいるの? ユリードは」

「ここだ」

 いきなり、声がした。

 マリンの背後から、丸坊主の女が出てくる。

 化粧をしていない顔で、冷たい視線の持ち主。

 ゴザーラは憎々しげににらみつけた。

「あなたがユリードね」

「ああ、そうだ。ゴザーラ」

「要求するわ。私と戦いなさい!」

「やめておけ。負けて、恥をかくだけだ」

「な、なにを――」

「私はすでに、二つの泉に触れた」

 ゴザーラは息を飲む。

「天候の泉と、後はなに?」

「熱の泉だ。花の泉にしか触れていないお前は、絶対に勝てない」

 ユリードの見下した顔。

「いいわ! 倒してやる! あんたこそ、敗北して笑われるといいわ!」

「ふうん」

 ユリードの眼は冷たいまま。

 しかしこいつは美女や美少女には優しげな顔を見せるのだろう。そうに決まっている。

「あんたみたいな男、ぶっ殺してやる!」

 ユリードが吹き出して笑った。

「なにがおかしいのよ?」

「いや、男と言われたのがうれしくてな。どうやら、思っているよりいい奴だな。お前は」

「はあ? ぶっ殺してやる、と言ったのにいい奴とはなによ?」

「別に。ただの事実だ」

「顔と違って、心はいいと言いたいの?」

 ユリードは顔をしかめた。

「そんなつもりはない。勘違いするな」

「なに? 馬鹿みたいと言いたいの? 被害妄想のかたまりを、軽蔑する気持ち?」

「コンプレックスのかたまり」

「なんですって!」

「私と似ているな、お前は」

 一瞬、何も返せなかった。

 ユリードは背を向けて、歩き出す。

「逃げるの? 私と戦うのが嫌?」

「別に。民家の前で戦うのが非常識だ。理由は、それだけだ」

 さてはこいつ。

「有利な場所で戦うつもりね」

「まさか」

 ユリードが返してきた声は素っ気ない。

「変な勘ぐりはやめろ。花が咲くところで戦うつもりだ」

 ゴザーラはにらみつけるが、ユリードはこちらを見ようともしない。

「どこで戦うの?」

「お前が決めていい」

 素っ気ない言葉。

「なら、南の広場にするわ」

 ユリードはこちらを見た。冷たい視線。

「なによ。文句があるの?」

「あるなら口に出してる。くだらぬことを言うな」

 あの、とサンクが言った。

「ユリード様、もう少し礼儀をお守りください」

「礼儀?」

 歩きながら視線を走らせるユリード。

「どんな礼儀だ?」

「姫様に非礼すぎます」

「いいや、構わないわ」

 ゴザーラが言うと、サンクは顔をゆがめた。

「しかし、姫様」

「お世辞は嫌いよ。軽蔑していながら馬鹿丁寧な口調をしてくるよりも、失礼な方がいい」

 そうか、とつぶやいてユリードは歩いていく。

 ゴザーラは空を見上げた。

 晴れている。雲もほとんどない。

 こいつは、雨を降らせるつもりはない。それは分かった。

 大道でなく、あえて脇道を進むゴザーラ。近道をしているわけではない。こんなに狭くて臭い道を歩くのは、自分の顔を見られたくないからだ。

 ユリードは、黙ってついてくる。

 幸いなことに、カルナンに会う前に噴水が見えてきた。銅でつくられた樹木の像とそれを取り囲んで水をあげる噴水は、女王キザラの代から南の広場のシンボルだ。

 南の広場には、大勢の人が集まっていた。多くは子供だ。やかましくわめいて、走り回っている。

 ゴザーラは念じる。

 次々に水色の花が咲きだす。

 子供たちが、驚いた顔をする。

 すぐに、体中をかきはじめた。

「おい! 不細工な姫君だぜ!」

「本当だ! 不細工過ぎてかゆい!」

 腹が立つから更に花粉を多めに出した。もっとかゆくするために。

 案の定、やかましくわめきながら散っていく子供たち。

 くたばれ、ガキども!

 心の中で叫んだ。

「これでいいか。ゴザーラ」

 広場にいるのは、三人だけになった。

 ゴザーラとサンクとユリード。

「ええ、始めましょう」

 ユリードの年齢は二十五歳。

 ならば、一番効果的な花は何色なのか簡単に判断できる。

 ユリードの周囲に赤い花が咲き始める。

 相当かゆいはずだが、ユリードは表情にすら出さない。ユリードが手をかざすのが見えた。

 その手から熱波が繰り出された。

 赤い花が、どんどん潤いをなくし、枯れていく。

 花をよけながら駆け出すユリード。

 想像以上の速さに、ゴザーラの全身から汗が出る。

 接近されるまでの時間は、驚くほど短かった。

 殴られる。そう思った。

 ユリードは、ゴザーラの手をつかんできた。

「降伏してくれ」

「な、なによ。攻撃しないの?」

「女を殴るような男にはなりたくない」

 じっと見つめてくるユリード。

「へえ、いい人なのね。ならば降伏してあげる……はずがないでしょ!」

 赤い花が咲いたのはユリードの足元。

 いくつもの花が敵の両足に巻きついていく。

 ユリードの顔から冷静さが失われる。もう全身に花粉が付着しているはず。

 このまま極限まで行けば、あまりのかゆさに耐えられず、発狂する。

 熱波を足元へ送るユリード。

 顔面を狙って、ゴザーラは殴りつけた。

「きゃあ!」

 叫んだのはゴザーラの方だった。

 顔が熱気に包まれている。

 火傷した手に必死で息を吹きかける。

「とりたくなかった手を、使うしかないか」

 ユリードは、突如ゴザーラを抱きしめてきた。

 動揺したのは一瞬。

「いやああ!」

 熱気がゴザーラを襲う。

「熱い! 熱すぎる!」

「降伏しろ。さもなくば、熱さに意識を失うぞ」

「だ、誰があんたなんかに」

「仕方ないな」

 更なる熱さがゴザーラを包み込んだ。

 意識がもうろうとなる。

「おやめください! もう、姫様は負けました! 手を離して!」

「サ、サンク……」

「姫様、降伏してください! しなければ、サンクは自害いたします!」

 今の自分に、花を咲かせる余裕はない。

 できるのは、サンクの思いやりを理解することくらいだ。

「負けよ。私の負けよ、ユリード!」

 ユリードが体を離す。

 一気に涼しくなる。

 サンクが駆け寄ってきた。

「大丈夫ですか? 姫様」

 ゴザーラは荒い息をつきながら、敵をにらむ。

「ね、熱の力がここまですごいとは、予想外ね」

「違うぞ」

「え?」

「日差しを夏のようにしたのも大きい」

 ゴザーラは、はっとした。

「天候の力も、使っていたのね」

「今、涼しいのも私の力だ」

 悔しさに、ゴザーラは顔をゆがめた。

 勝てなかった。

「これで」

 ゴザーラの口から、怨念のこもった声が出る。

「これで私は美人になれない。ちくしょう。美人なんて、全員死ねばいいんだ! 男なんて大嫌いだ!」

「変な人間だな、お前」

 ユリードの辛辣な言葉。

「美人が嫌いなら、自分が嫌悪する美人でないことを喜べばいいではないか」

 ゴザーラはにらみつけるが、ユリードは無表情のまま。

「男が嫌いなら、男が寄り付かないことに満足すればいい」

「どんな男にも恋心を抱いてもらえない、私の気持ちが分かるか!」

「どんな男の恋心も、おぞましくて鳥肌が立つ私の気持ちは分からないだろう」

 静かな声。

「思いなど、自分でも分からないことがある。ましてや他人に分かるはずがない」

 憤怒の形相を向けたが、ユリードは無表情のままだった。


 ■■■


「ただいま」

 玄関のドアを開けると、足音がした。

 駆け出してきたのはエミリー。

 小柄な体の腰まで伸びた、水色の髪が揺れている。

 青い瞳は濡れているように見える。

「おかえりなさいませ。ユリード様!」

 抱きついてくる。

「どうした? エミリー」

「帰りが遅いから、心配になって」

 抱きしめた時のエミリーの感触は、どんな時も変わらない。柔らかさを、愛おしく思う。

「私を案じてくれて、ありがとうな。エミリー」

「無事に帰ってきてくれて、ありがとうございます。ユリード様」

 水色の髪をなでる。至福の一時だった。

「明日はあの祭りの日ですね」

「ああ、そうだな」

 四大祭りの中で、待ち望んでいた祭りが来る。

 男祭り。子供祭り。老人祭り。

 そして女祭り。

「せっかくの祭りなんだから、早く寝ましょう」

「夕飯は?」

「コロキムのバター焼きです」

「へえ。ちょうど食べたいと思っていた」

「本当ですか?」

「ああ、えらいぞ。エミリー」

 エミリーがはにかむ。

 壁は灰色だ。ユリードの好きな色が灰色だからだ。

 内装を選ぶ時に、エミリーに意見を聞いた。どんな家に住みたいのかを。

 ユリード様が好きな家です、と頬を真っ赤にしながら答えてくれた。決して忘れられない、大切な思い出である。

 テーブルのがたついた椅子を引いて座り、台所で調理をするエミリーを見つめる。エミリーは料理が上手い。テーブルの木目を指でなぞりながら、ユリードは待つ。

 エミリーの持つ皿がことん、とテーブルで音を立てる。

「完成しました、ユリード様」

 夕食での話題は、今日の戦いのことだった。

「では、向こうは殴ってきたのですね。しかも顔を」

「ああ」

「ひどい! ユリード様のお顔を殴るなんて。見損ないました!」

「まあ、気にするな。全然痛くなかった。痛い思いをしたのは向こうの方だ」

「そんな相手でも殴らないなんて、優しい方ですね」

「普通だ。女を殴る男になりたくない。それだけのことだ」

「格好いいです、ユリード様」

 うっとりとした目つきでこちらを見てくる。

「ほら、コロキムが冷めるぞ。早く食え」

 コロキムを食べ終えたユリードは、残ったスープを飲む。

 エミリーは切ったコロキムを口に運んだ。丁寧に噛む。

「明日はどこをまわりますか?」

「エミリーが決めていい」

「本当に! なら、母に会いに行ってもいいですか?」

「リリンさんか。私も、会いたいと思っていた」

 会話に夢中になっているエミリーは、食べることを忘れている。あえて、注意はしなかった。

 長い食事の後で寝室に入る。昼間は白い壁は、暗くてくすんだ色に見える。

 二人で大きなベッドに並んで寝る。いつものようにユリードの左手を、エミリーの両手が包んだ。

「おやすみなさいませ、ユリード様」

「おやすみ、エミリー」

 エミリーはいつも通りすぐに寝息を立て始めた。

 ユリードは暗い寝室で、天井を見つめる。入口に近い隅にある染みに視線が行く。

 男になれるだろうか。

 射精が、どんなものかは分からない。

 驚くほど気持ちがいいことしか知らない。

 男になりたい。

 男になって、エミリーと交わりたい。

 左手は温かい。

 眠気は感じない。

 目指す目標の困難さ。

 達成した時の喜び。

 その二つが頭に代わる代わる浮かんで、離れなかった。

 朝が来て、エミリーは目覚める。

「よく眠れましたか? ユリード様」

「ああ、お前が手を握っていてくれたからな」

 はにかむエミリーが、可愛い。

 女祭りの日は、もちろん晴れにした。それも、秋の心地よい快晴だ。

「さあ、行きましょう。ユリード様」

 うなずいて、家を出る。

 町はごった返していた。

 家から出ているのが全員女なのは、確かめるまでもない。

 男祭りの日には外出を禁じられる女たち。

 女祭りの日は、逆になる。

 女しかいない道。贅沢な光景だ。

 エミリーはうれしそうに眺めて、右手でユリードの左手を握り締める。

 そのまま手をつないで、歩いた。小柄なエミリーは歩きが遅い。もちろん、ゆっくり歩いてあげる。

「ボードゲンに勝ったら、こんなこともできなくなるな。少し寂しい」

「なら、挑むのをやめますか?」

 まさか、とユリードは微笑む。

「男になるのは生涯の夢だ。叶えてみせる」

 エミリーはにっこりと笑った。

「ユリード様の喜びは、私の幸福です。必ず勝ってくださいね、ボードゲンに」

「ああ」

「ただ、絶対に勝てると確信できるまで、戦わないでください。ユリード様に万一のことがあれば、私は死にたくなりますから」

「分かっている」

 嘘だった。

 エミリーは、戦いがどんなものか理解していない。

 絶対に勝てると確信を持てる戦いはできない。ボードゲンが相手には。

 策を練って、賭けに出るしかない。

 死ぬかもしれんな。

 覚悟の上だ。

「お客さん! うちのフルーツは美味いよ!」

 客引きの声をあげているのは、背の高い女だった。年齢は、三十代後半か。質素だが清潔な服を着ている。

 ユリードは近づいた。

「おすすめは?」

「パーニイの果実だね」

「そうか。一つもらおう」

「あいよっ!」

 店を離れた後で、エミリーが見上げてくる。

「変わった物を買いましたね。パーニイなんて」

「なんだ。分かってないのか?」

「え? あっ、母のためですか!」

「せっかく会いに行くんだ。喜ぶ顔が見たい」

 エミリーが心底からうれしそうな顔をする。

「世界一思いやりのある方ですね。ユリード様は」

「こら」

 エミリーのひたいを優しく叩いた。

「言いすぎだ。こんなの、普通のことだ」

 女だけの道を二人で歩く。塔から出て来た尼僧が、弾んだ声を交わしている。時おり男の服を着ている者も見かけるが、そういう人々は男装しているのだった。

 男装している女性と一緒に歩きたいという思いは、理解できるような気がした。親しみを感じる。

 エミリーはきょろきょろと見渡している。

 ユリードはそんなエミリーを見つめた。

 可愛いな、と改めて思う。

 真昼に、リリンの住む家についた。初めて見た時は外見の貧相さに驚いた家だが、中は案外快適なのだ。

「お母さん、私とユリード様だよ」

 玄関のドアが開き、リリンの体が見えた。

「よく来たね。エミリー。そしてユリードさん」

 リリンは太り気味だ。

 太りすぎているわけではない。甘いものが好きなので、程よく太っている。

 年を取った女性は骨がもろくなる。だが、太れば骨は丈夫になるものだ。だから太るのはいいことだ。

 中年を過ぎた女性が太るのは神の恵みだと、ユリードは思っていた。

「パーニイだ。受け取ってくれ」

「ああ、こんなに立派なパーニイ。本当にありがとうね。ユリードさん」

 リリンは笑顔だった。

 感じのいい人だ。

 エミリーの恋人になってあいさつに行くと、すごく喜んでくれたのを思い出す。

「どんな男に言い寄られても嫌がる子で、ユリードさんに出会えて良かった」

 そう言って微笑んでくれた。

「客室を片づけるから、今夜はここに寝てくださいね」

「ありがとう、リリンさん」

「じゃあ、ゲームしない?」

 エミリーが言うと、リリンは笑った。

「あら、せっかくの女祭りなのに。家でいいの?」

「うん。お母さんと一緒にいたい」

 リリンはうれしそうな声を上げた。

 切り分けたパーニイを食べる。半分はリリンが。残りの半分はユリードとエミリーが食べた。ユリードの方が量は多い。

 エミリーがパーニイをさほど好きではないからだ。

 エミリーが好きなビスケットを食べながら、カードを十二枚ずつ配る。

 勝つとうれしいし、負けると愛しい人の喜ぶ顔が見える。だから、負けても楽しい。

 エミリーは勝つと子供のように喜んだ。

 負けると頬をふくらませる。リスみたいで可愛い。

 異変があったのは、七回目のゲームのためにユリードがカードを配っている時だった。

「あら」

 リリンが振り返る。

「いけないわ」

 平然とした口調だ。

「どうした? リリンさ……ぎゃああ!」

 カエルだ!

 緑色のそれを見た瞬間、ユリードは持っていたカードをぶちまけた。

「来るな! 来るなあ!」

 部屋の隅に慌てて逃げる。

 あの不気味な生き物が、部屋の中をぴょんと跳ねる。

「相変わらずですね、ユリード様」

 エミリーは落ち着いた声を出す。

 どうして、落ち着いていられるのだろう。

「私がつかまえます」

「なにい! 駄目だ! さわるなあ!」

 エミリーの顔に戸惑いが見える。

「え、でもユリード様」

「リリンさん、お願いします!」

「はいはい」

 リリンは笑いをこらえた顔で、カエルを布で包んだ。

「逃がして、いいですか?」

「ああ、殺さないでくれ!」

「へえ、優しいんですね」

「そうだ!」

 嘘だ。

 この床がカエルの体液で汚れるかと思うと、ぞっとするからだった。

 リリンがカエルを包んだまま玄関に向かう。

「大丈夫ですか? ユリード様」

「はあ、はあ、はあ」

「あの」

「もちろん、大丈夫だ。それより、決してカエルにさわるな。一生だ」

 ユリードはエミリーの両手を握って、眼を見つめる。

「どうして?」

「愛しいお前の手が、カエルにふれることを想像しただけで耐えられないからだ」

「はあ」

「いいか、絶対だぞ」

 くすくすとエミリーは笑う。

「分かりましたよ。約束します」

 深く息をついた。

「男になれば、平気になるのかな」

「ううん。たぶん、変わらないと思います。男でカエルにさわれない人はたくさんいます」

「そうか」

 ほっとする。

 あんなのが平気になって、自分の手がふれることを思うとぞっとする。

 リリンが戻ってきた。床に散らばったカードを拾い出す。

 そうか。自分がぶちまけたんだ。

「邪魔が入ったし、もうゲームはやめて寝る?」

「いいや、絶対にやめない」

 今眠ったら、夢にカエルが出てきそうだ。

「ドアを閉めて、続きをやろう」

 はい、とエミリーは優しく答えてきた。

 しばらくは、カエルが気になってゲームに集中できなかった。

 だから長引くのは仕方ない。

 深夜になるまで、ゲームは続いた。

「では、ここらでやめてお風呂に入りましょう」

 リリンがそう言った時には、かなり眠くなっていた。エミリーも眠そうだ。

 お湯をたっぷりためた浴槽に入る。体が熱くなってくると、全身を隅々まで洗う。気にいらない体だが、男になるまでは大切にしなければならない。

「お休みなさい、リリンさん。エミリー、お休み」

 客室を暗くする。

 こんなに小さなベッドに一人で寝るのは、久しぶりだ。寝心地のいい寝具に包まれて、安らかな眠りについた。

 目を覚ますと、とうに明るくなっている。

 夢にカエルが出なかったことには、本当に安心した。

「おはよう。リリンさん」

「ユリードさん。おはよう」

 リリンは微笑む。

「まだ、エミリーは寝ているのかな」

「ええ。起こさないであげて」

 台所に向かったリリンは、ふと振り向いた。

「そうだ。お客があったのよ」

「リリンさんに?」

「いいえ、ユリードさんに」

 手紙を差し出す。

「読んでくださいと言ってきた」

 この期間だから、もちろん男ではない。

「どんな女性が?」

「軍人だと思う。軍服を着ていたから」

 そうか。

 ならば、読まなくても分かる。

 ウルース大地に軍人は多いが、女の軍人は六秒戦団にしかいない。

「キギダンか」

「そうでしょうね」

 剣の達人として有名な、あの男からの果たし状か。

 自分はすでに、天候の泉と熱の泉に触れた。

 鉄の泉の水を飲んだキギダンから挑まれるのは、当然だった。

「強敵だな」

 ぼそっとつぶやいた。


 ■■■


 キギダンは物思いにふけっていた。

 意外と軍人は、眼を通さねばならない文書が多い。今も机の上に、読まねばならない紙が積み上げられている。いや、床にも多数落ちている。

 しかし、そういう紙を拾い上げる気はなかった。兵糧の調達のような重要な文書ではない。後回しにしてもいいだろう、と勝手に考えている。

 何より今の自分は、二年前に見たビリンのことを思い出していた。

 自分はいずれ、ビリンと出会う。

 キギダンの望みはただ一つ。

 最強の剣士と名高いビリンと戦い、六秒後に死ぬことだ。

 その夢を語ると誰もが呆れる。

「なんだ、その変な夢は。頭おかしいのか?」

 半数は、そう言う。

「そんなの、無理に決まっているだろう。頭おかしいのか?」

 残りの半数は、そう言う。

 だが、どんなに馬鹿にされてもキギダンの夢は変わらない。

 今から二年前の晩春に、ビリンはウルース大地を訪れた。

 真っ先に、ボードゲンの元へ向かった。

 城の前の広場でビリンがボードゲンと言葉を交わすのを、キギダンは見ていた。

「どうだ? ビリン。お前が驚くほど、おれは強いだろう」

「確かに、相当強いな。それは確かだ」

 ボードゲンは得意げに言った。

「そうか。あのビリンも恐れるほどおれは――」

「お前と向き合えば、殺すのに三秒はかかる。普通の兵なら一秒の一割以下。強敵でも二秒以下だから、お前は相当強い」

 見ていてびっくりした。

 いくら何でも、そこまで挑発することはない。

 ビリンは命知らずだ。

 誰もがそう思った。

 もちろん、ボードゲンは怒り狂った。

「おれと戦え! おれより強いと言い張るなら、逃げずに戦ってみろ!」

 そう言われると、ビリンは顔色一つ変えずに言い放った。

「いいだろう。ただし、条件がある」

「ああ? どんな条件だ!」

「お前の城にいる、全ての人間が同時に私へ戦いを挑むこと。老婆だろうが赤子だろうが、皆をこの広場に集めろ。そして、全員でかかってこい」

 見物していた全ての人々が呆れた。

 こんなにも愚かなのか、ビリンは。

 キギダンもそう思った。

 ボードゲンは、なめやがって、とつぶやいた。

「その根拠もない自信を、後悔させてやる!」

「ふうん」

 ビリンはつまらなそうな顔をしていた。

 広場には、二千を越える人々が集まった。

 ボードゲンは怒鳴った。

「皆の者、この無礼者を殺せ!」

 次の瞬間、ビリンは消えた。

 大剣が物を砕く音で、城に向かったと気づいた。

 そしてボードゲンの「皆の者、この無礼者を殺せ」というセリフの五秒後には、巨大な城はがれきの山となっていた。

 キギダンは、自分が夢を見ているのではないか、と何度も疑った。

 しかし、それは現実だった。

 ビリンが巨大な剣を片手で持って近寄ると、ジャゴーやギンカンさえ悲鳴を上げた。

 ボードゲンは硬直したまま、何も言えなかった。

「分かったか。お前は相当強い。ただそれだけの人間だ」

「お、お、おれを殺して、肉体の泉を手に入れるのか?」

 ビリンの見下した顔。

「愚かだな。その泉に宿る聖魂の条件は、ウルース大地で最強であること。そんな泉の水を飲んだら、この大地から出られなくなってしまう。

 地上最強の剣士である私が、何故こんな雑魚しかいない地に縛られなくてはならないのだ。見くびるな、ボ……」

 ビリンは視線をそらした。

「なんという名だったかな、お前は」

「お、おれは――」

「どうでもいい。悪くない大地だったな。雑魚しかいないから、休息になった」

 そしてビリンは、姿を消した。

 ボードゲンはその後、何日も悪夢にうなされ続けた。

 キギダンは一睡もできずに何日も、ビリンのことを調べ続けた。

 ビリンの称号を知った時、キギダンは震えた。

 地上最強の剣士・光速のビリン。

 会いたい!

 そして戦って、六秒かけて殺されたい!

 あの世で自慢になる。

「おれはなんと、あのビリンが殺すのに六秒もかかったんだ!」

 死後の世界にいるほぼすべての戦士から、尊敬されることだろう。

 諦めない。

 絶対にいつか、叶えてみせる。

 ドアがノックされる音がした。

「入れ」

 キギダンが言うと、女が入ってきた。軍服を着ている女が。

「どうだった?」

「ご報告いたします。ユリードは、戦いを受けるとのことです」

 無表情な女だ。

 これはキギダンの好みだった。

 男も女も、部下は無表情な方がいい。

 部下に、無表情になれと何度も言っている。

「そうか。ご苦労だった」

「失礼します」

 女が出ていく。

「ユリードは、軽く倒せるな。今のおれの力量なら」

 キギダンはかすかに笑った。






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