019_祭りは浴衣の為にある
少し長いエピソードが続いたので軽いものを・・・と思ったのですが。
それはそうと小説を書くって本当に大変な作業ですね。 感想を一首。
十分に・確認したと・思っても・残る脱字と・誤字の多さよ
お粗末でした。
あと、最近になって初めてアクセス解析なる項目に気付きまして、
それにより多少は読者さんが存在することを知りほっとしています。
それまでは最初に10Pを付けて下さった方一人だけかと思っていて、
その方が継続して読んでくれているかな? どうだろうな? と不安でした。
誰も読んでないのに、ただ一人遊びの投稿なんて虚しくなりますからね。
体調が悪い時は筆を休めることになりますが、何とか完結させようと
考えておりますので、出来ましたら最後までのお付き合いをお願い致します。
尚、現時点では漠然と全100話くらいかなあと考えております。
「国語と政治・経済と数学が・無いいぃぃ!!!」 と叫ぶ五十嵐を伊藤に任せ、
俺たちは高梁の家に向かっている。 俺と昂輝と沢瀬の3人だけで行動するのは
随分と久しぶりな気がする。 今年に入ってからは初めてになるかも知れない。
「・・・本当に近いな」 「そうですね、でも老舗という割には・・・」
初めて高梁の家、和菓子処吹屋を訪れた昂輝はその近さに少し驚いているようだ。
俺の家から歩いて10分、700mしか離れていない。 俺も初めて来た時は驚いた。
最寄り駅が別なので、もっと離れていると想像してしまうからそんな錯覚を生む。
そして沢瀬の驚き、創業150年を超える老舗とは思えない近代的な外観には訳が
ある。 事業拡大に伴い店舗部分を5年前に建て直したのだそうだ。だから築5年
の、まだまだピカピカな店舗兼工場な創業150年の和菓子屋だったりするのだ。
「じゃあ2人は適当にお菓子を選んどいて。 俺は咲羽ちゃんに 「美倉さん!!」
頼物を渡してくるからと自宅入口の在る裏に回ろうとしたら、店から咲羽ちゃん
が飛び出してきた。 お店の制服を着ているから、丁度お手伝い中だったようだ。
◇ ◇ ◇
お持ち帰りの菓子を選んだあと、包装待ちを兼ねてイートインコーナーでの談笑。
咲羽ちゃんは、サボりじゃなくて接客ですよと何故か昂輝に説明を入れる。 昂輝
の表情の硬さを誤解したのだろう。違うから、昂輝は普段からこんな表情だから。
「これ・・・美味しいですね」「そうですよね! 人気なんですよ、この美人団子」
美人団子・・・何でそんなネーミングになった? と思える団子は洋風にチョコを
コーティングした三色団子でベースはみたらし団子。 みたらし餡は日本茶に合う
が、コーヒーや紅茶にはイマイチ合わないから、みたらし餡の代わりにチョコで
作ってみてよ! と高梁にお願いしたら、本当に作ってくれたものがこれである。
ホワイトチョコ・ストロベリーチョコ・抹茶チョコの三色、結構人気なんだとか。
「えっ⁉ このお団子、蒼君の発案なんですか?」
「そうなんですよ、美人団子の他にも焼き栗羊羹とか小豆煎餅とか檸檬葛とか」
いやー・・・ホント高梁はいい奴だ。 俺の我儘を何でも聞いてくれる。
それなのに、何で一緒に寝てくれなくなったんだろう? 俺、何かしたっけ?
・・・昂輝もだよな、中学生になってからは一緒に寝てくんなくなった。
・・・やっぱりくっつかれると暑苦しくて嫌なのかな?
俺はすぐにくっつきたがるからな・・・確かに暑苦しいかも知んない。
・・・考えても仕方ないから団子を食べよう。 うん、ブラックによく合う。
等とのんびり考えていた時・・・壁に貼られた危険物に気付いてしまった。
本日8月29日17:00から、千代池公園で開催される夏祭りのポスターだ。
・・・このポスターを沢瀬に気付かれたら、間違いなくヤバいことになる。
・・・その前に、気付かれる前に店を出なければならない、一刻も早くに。
もし気付かれたら・・・絶対に女物の浴衣姿で街を練り歩かされてしまう。
完全休日モードだった俺の中で、緊張のバロメーターが一気に跳ね上がった。
「あっ、蒼君!」 「 ( ギクッ! ) 」 「何か頼物があったのでは?」
「そっ・そうだった、はいこれ頼まれていた物」と俺が差し出したのは分厚い本。
姉ちゃんのサークルが委託販売する、同人誌の最新カタログを頼まれていたのだ。
今時紙のカタログ? と思うかも知れないが、委託販売に掛かる手数料を回収する
為と、サークルが契約している印刷所を遊ばせない為の措置にもなっている。
そういうことで一冊2000円と、同人誌2冊に相当する高価なものになっている。
だからプレゼントしてあげたいのだが、咲羽ちゃんが納得してくれないので代金
をきちんと受け取る。 2000円でも送料が掛からない分安上がりなのだそうだ。
「・・・それとこれはお土産、お兄さんたちと一緒に食べて」
そういって渡したのは海の家オーナーさん手作りのクッキー、カフェ限定販売で
とても美味しかったから鎌倉土産はこれにしたのだ。 あとひとつ、紙袋も渡す。
「こっちは咲羽ちゃん用、眼鏡を掛けた優男さんから布教用にと貰ったものだけ
ど、百合漫画だから咲羽ちゃんなら喜んで貰えるかな? と思って持ってきた」
マンイチの会場で5冊入りの紙袋を、鑑賞用・保存用・布教用と3セット貰った
もので1セットは既に沢瀬に、残り1セットは鹿原先輩にプレゼントする予定だ。
「こっ、これは薫坂先生のサイン本⁉ それも数量限定のセットバージョン!!」
えっ⁉ あの眼鏡、有名な人だったの? そんでその本って貴重なものだったの?
俺は要らないって言っているのに、無理やり押し付けられた代物なんですけど?
「本当にいいんですか? こんな素晴らしい物を頂いちゃっても?」
「あ、うん、どうぞどうぞ、喜んで貰えたら俺も嬉しいし・・・」
沢瀬の『ふふ、結構面白いお話ですね』とのテンションの違いにちょっと引いた。
これがガチ百合と百合漫画好きの違いなのだろうか? 何となく百合っぽい鹿原
先輩の場合だとどんな反応になるのだろうか? ・・・少し楽しみになってきた。
・・・と、そんなことを考えている場合ではない! 高梁(兄)に会えなかったのは
少し残念だが、すぐにでも退出しなければ祭りのポスターに気付かれてしまう!
「えーと・・・包装も終わっただろうし。俺たちはそろそろお暇を・・・」
「それじゃあ、蒼君発案のお菓子も6個ずつ追加でお願いします」
「ありがとうございます、すぐに準備しますのでもう暫くお待ち下さいね」
・・・延長戦に入ってしまった。 なんとか気付かれずに済んで貰いたいのだが。
あぁ、早く会計を済ませて、1分1秒でも早くお店の外に出たいのに・・・
店員さんのとても丁寧な仕事が、今この時ばかりは忌まわしいとさえ思われる。
そんな焦りを悟られぬよう、咲羽ちゃんに何気ない会話を投げかけてみる。
「ところで、今日はお兄さん・・・寛佳はどうしてるの?」
「お兄なら夏祭りの出店準備で千代池公園に行ってますよ」
◇ ◇ ◇
・・・・・・・・・とんだ落ちが付いてしまった。
結論を言えば、今日の夏祭り開催を知らなかったのは地元民である俺だけだった。
2人共五十嵐からのメールで知らされていたらしい。 それなのに店のポスターで
祭りに気付き、予想される展開に狼狽える俺の姿がとても可愛らしかったと沢瀬
は楽しそうに語り、昂輝は黙ったまま空いている方の手で俺の頭をポンポンした。
・・・・・・・・・
・・・・・・なんか・・・
・・・なんか懐かしさを覚えてしまうのは、昔はいつもこんな感じだったからだ。
だいたい俺が落ち込んだり凹んだりして、沢瀬が怒ったり喜んだりして、昂輝が俺
を慰める。たまに昂輝が怒った時には沢瀬は激怒して、俺が必死で2人を宥める。
いつのまにか昂輝との距離がちょっと離れ、沢瀬との距離がかなり近付いたけど
・・・それでもこの3人で居る時は、いつもこんな感じになるのがとても不思議
で、とても心地良くて、ずっとこのままでいたいと思ってしまって、悲しくなる。
・・・・・・そんなことが、本当に出来たらいいなと、切に思いながらも。
・・・現実が、それを許してくれないだろうから・・・
・・・・・・・・・
「ていっ!」 感情を持て余してしまい、つい昂輝に抱き着いてしまった。
沢瀬が『どうして私に抱き着かないんですか!』と訴えるが仕方ないじゃん。
そんなに大きくなカメラを抱えているんだから。 落としたらヤバいでしょ?
あっ、いや、店内でのコント映像を消し去るチャンスだったか⁉ ・・・残念。
◇ ◇ ◇
「あんたらが秀才過ぎるから私が苦労してるんだ! 解ってるか! 特に美倉!」
帰っても五十嵐の不満は治まってなかった。・・・腹でも減っているのだろうか?
ちょっと待て、今お茶を淹れてやるし、お菓子ならたんまりとある。あり過ぎる?
まぁこの面子なら結構食べるし、田辺も姉ちゃんも帰って来るから大丈夫かな?
ちなみに五十嵐の不満はただの八つ当たりだ。 なので誰も本気で相手にしない。
宿題会と銘打って、宿題を写しに来たのだが当てが外れて不機嫌になってるだけ。
先ず同じように宿題に追われて、ピーピー言ってるだろうと予想していた田辺が
宿題をとっくに終わらせていて、小田部さんの誕生会に御呼ばれしていたこと。
それが癪に障ったらしいが、俺の姉ちゃんは俺以外には結構厳しいのだ。 田辺も
マンイチ見学の絶対条件と突き付けられたおかげで、3日で宿題を終わらせた。
次に全科目を写す気満々だったのが、3科目が免除対象で写せなくなったこと。
免除対象とは、期末試験で満点を取った科目は宿題が免除されるという飴制度。
この飴は親に負担を掛けることもない、実にいい飴だと思う。 うん、美味しい。
俺は全科目免除だし、他の3人も5、6科目免除になっている。 それが3科目
重なった為、その3科目分は五十嵐自身の力で完成させることが必要になった。
「うう~、1年の時は多くても2科目だったのに・・・あんたら努力し過ぎだ!」
いや、そこはお前が努力すべきところだと思うが? 殆ど酔っ払いの絡みだぞ?
何にしても今日が29日で良かったな。 31日だったら2学期早々罰当番確定な。
◇ ◇ ◇
「ふふ、今日はまだ29日、明日も明後日もあるから余裕よ。だから今日は遊ぶ」
お茶とお菓子で態度が変わった五十嵐・・・やっぱり腹を空かせていたのだろう。
そして至った結論も実に五十嵐らしい・・・いい加減進化した方がいいと思うが。
「どれも美味しいけど、一番はこれかな」 「これだな」 「私は蒼君団子ですね」
そして五十嵐の開き直りと並行して、俺の我儘菓子の食べ比べ会が行われている。
伊藤が珈琲羊羹で昂輝が檸檬葛、五十嵐と沢瀬は美人団子か・・・結構割れたな。
俺が一番好きなのは薄くスライスした純栗羊羹に蜜を縫った後、バーナーで炙る
焼き栗羊羹なのだが、あれは秋限定商品なので今回は無い。次点の小豆煎餅は人気
薄か・・・豆煎餅のような小麦粉の生地に、シナモンと甘く煮た小豆を混ぜ込んで
からしっとりと焼き上げた和風クッキー・・・小豆とシナモン、美味いと思うが?
夕方になり田辺が帰宅、高槻市の美倉酒造本社に行ってる姉ちゃんからは帰りは
20時過ぎになると連絡があったので、姉ちゃん抜きで祭りに行くことになった。
「焼きそばとかお好み焼きとかもあるのか?」 「俺が知ってると思うか?」
あれだけ和菓子を喰ったのに、食べ物の屋台があるのか聞いてくる昂輝・・・男も
甘いものは別腹なのだろうか?それとももう既に消化吸収を終えたというのか?
「美倉は夏祭りに行ったことは無いの?」と伊藤が聞いてきたので夏祭りなんか
無かったと答える。 あの公園、春の音楽祭は有名だけど夏祭りは無かったのだ。
ていうか、この辺りには神社が無いせいか、音楽祭以外のお祭り等全く無かった。
だからこの夏祭りは、俺からすれば完全な不意打ち攻撃だったのだ。
◇ ◇ ◇
「和服ってエコだな」 浴衣を着せられていて思わず漏れた言葉だった。
俺は女物だと浴衣の着付けすら出来ないが、沢瀬は和服の着付けが出来る。
驚いたことに五十嵐と田辺も自分で着付けが出来るそうだ。 ちょっと意外。
だから俺は沢瀬に着付けられているのだが、その最中に思わず漏れたのだ。
バスケ部では小柄な五十嵐は、身長も体重も殆ど俺と変わらない。違いは胸だけ。
沢瀬は男子平均並みの身長で胸もデカい。 この3人が同サイズを問題無く着れる
のだから、その汎用性の高さは素晴らしい。 和服の素晴らしさを初めて知った。
「あんた・・・その感想は無いでしょ?」「そうだよねぇ」「蒼先輩らしいです」
女子3人と俺が浴衣を着終え、見せあった際の感想を求められた結果の反応。
五十嵐、伊藤、田辺が揃って『それは無いだろ』と言わんばかりの口調で語る。
何で?・・・だってほら、服で最も重要なのは機能性でしょ?
そこを褒めることこそ最上級の褒め言葉になるんじゃないの?
綺麗とか似合っているとか等、どうでもいいことと思わない?
そんな俺の主張は完全にスルーされ、そのまま皆で公園に向かったのだが通りが
普段には無い人の多さだった為、予想通りぞろぞろと練り歩いての移動となった。
浴衣姿で大きなカメラを構える沢瀬には、周りはちょっと引いていたように思う。
公園に着いたら人の数は更に増えた。 大盛況といったところか? 今まで夏祭り
が無かったこともあってか子供が嬉しそうに声を上げていて・・・ちょっと辛い。
子供が嫌いという訳でないが、大きい声、特に高い声は頭に響くから苦手なのだ。
だから人の少ない左方向へ避難する。 多分入口から入って池を反時計回りに回る
のが正規のルートなのだろうが、俺と沢瀬は屋台の出ていない左ルートを選んだ。
「俺たちはこの辺でのんびり待っているから」
他の4人は賑やかな右ルートを選んだ。 田辺は少し躊躇したようだが
やはり屋台の魅力には逆らえなかったようで、五十嵐たちに付いていった。
・・・左ルートはとても静かで心地良く、そして少し寂しかった。
離れた処の賑わいが、僅かな疎外感を覚えさせるのかも知れない。
・・・でも俺は、こちら側しか選べないんだよな・・・きっと、最後まで。
沢瀬のカメラに映る今の俺は・・・一体、どんな表情をしているのだろう?
ちゃんと・・・笑えていたらいいのだけれど。
「こんな公園があったのですね?」 「うん、普段はわんこの穴場になってる」
静かさに飽きたのか、沈黙が辛かったのか、沢瀬が話しかけて来たので応える。
本来は散歩とかウォーキングとかの表現を選ぶべきだろうが、俺が興味あるのは
わんこの散歩だけだ。 その他大勢が何をしようが、ただの背景にしか感じない。
「・・・これは、花火ですね」 「うん、静かで綺麗な花火だ」
それ程大きな池でないので本物の花火は危険がある。 だから水面にプロジェク
ションマッピングで映された偽物の花火なのだが、その静かさが神秘的な美しさ
を醸し出すことになっている。狙ったものなのか?それとも瓢箪から駒なのか?
何もない処で佇むだけなのは流石に侘しいか? と思っていたので嬉しい演出だ。
「少し、先に進んでみる?」 「そうですね、何かあるかも知れませんし」
この公園は池の周りをぐるりと散歩道があるだけでなく、大小2つの広場がある。
祭りのメイン会場は大きい広場の方だろうが、この先にある小さな広場にも屋台
のひとつやふたつくらいあるかも知れないので、暇潰しに行ってみることにした。
「・・・高梁?」 「あっ! 美倉に・・・沢瀬さん、来てくれたの?」
小さな広場には吹屋の屋台があった。 あと簡易テーブルセットが12セット。
他にも3件の食べ物屋の屋台があり、テーブルは共用イートインなのだろう。
よく見たらここは、全て吹屋同様に近所のお店が出店している屋台だった。
「大きい広場は本職のテキ屋さんで、僕たち小売店組合の出店は小さい広場
といった風に住み分けているんだよ。 お互いにやり方も目的も違うからね」
そう語る高梁はさらしを巻いた祭り法被姿で、どこの若衆さんかと思った風体だ。
最初は顔でなくさらしが巻かれた大胸筋に目が行った為、誰ですか?と考えた程。
ちなみのこの祭り法被は、小売店組合出店者のユニフォームの様で皆が着ている。
テキ屋さんに商売上有利な大きい広場を譲ったのは、多分高梁たちの目的が単純
な利益ではなく、祭りを盛り上げる為のサービスとお店の宣伝にあるからだろう。
その意図は、無料の休憩所を兼ねたイートインコーナーの存在からも明らかだ。
俺と沢瀬は、そこで吹屋のミニ氷あんみつを食べているからそれがよく解かる。
テーブルの上、ビニールシート下の店舗紹介や商品宣伝が如実に物語っている。
「でもさぁ高梁、ワンコインにしたいのは解かるけどお店と同じ値段だと場所代
分が赤字になるんじゃないの? ここの設置にだって費用が掛かったろうに?」
最初は商品の中身を落として調整したのかと思ったが違った。 お店と全く
同じものを同じ値段で提供していたら商売的にはマイナスになると思うのだ。
「そこはまぁ地域サービスもあるけど、場所代も免除して貰っているしね。
あっ、場所代免除は僕たちだけじゃなくて、テキ屋さんの方も同じだよ」
「ふ~ん、随分と太っ腹な主催者なんだねぇ?」「あれっ⁉ 美倉知らないの?」
「 ? 」 「この夏祭りのスポンサーは美倉のお姉さんだよ」 「 へっ⁉ 」
「町内会長さんが夏祭りをしたいけど予算が確保出来ないって泣き付いたら、
お姉さんが全額ポンって出してくれたって・・・そんな話を聞いたんだけど」
いや、姉ちゃんは確かに気前がいいが、理由も無く援助や寄付はしない筈だが?
「それがね・・・信じられないとは思うんだけど、美倉に浴衣を着せる絶好の理由
になるからと言って快諾した・・・という話になっているんだ。無茶苦茶だね」
あ・いや・・・うん、その無茶苦茶ぶりは完全に姉ちゃんだわ。
「そういえば、五十嵐さんも祭りの話は茜さんから伺ったと言っていましたね」
成程・・・自分が用事で動けないから五十嵐を動かしたということか。
「茜さんから、私が帰るまで絶対に蒼君の浴衣は脱がせるなと云われましたしね」
つまりは、全て姉ちゃんの掌の上だったと・・・流石だぜ、マイシスター。
後で知った話だが、五十嵐は姉ちゃんからりんご飴をオーダーされていたらしい。
そして昂輝へのオーダーは焼きそば・・・好きだな、姉ちゃんも、焼きそばが。
その結果、浴衣姿でりんご飴を齧る俺を肴にビールで焼きそばな俺の姉ちゃん。
・・・・・・・・・ 一体何が面白いのよ?
「蒼先輩! 今度はこのチョコバナナを齧って下さい! 出来るだけ艶っぽく!」
「そんなに沢山食えるか! 自分で始末しろ!!」 「ええ~っ⁉」
◇ ◇ ◇
後日、最後の1セットを鹿原先輩に渡そうとしたら一緒に居た酒辺のテンション
が爆上がり!・・・普段は大人しい酒辺の豹変に、俺も鹿原先輩もちょっと引いて
しまう程だった。それで結局は酒辺へのプレゼントになったが無茶苦茶喜ばれた。
・・・これはこれで、目出度し目出度し・・・なのかな? なんてふうに思った。
そんな話を姉ちゃんにしたら『香坂君の漫画は受けに受けるのよ』と云われた。
・・・受けに受ける? 駄洒落みたいだな?
千代池公園 :一応は架空の公園ですが、実在する公園をモデルにしています。
蒼の住んで居る処がどの辺りを想定しているかも推測可能かと。
BLは乙女の嗜みなんて言葉があったり、なかったり。 であるなら百合は紳士の
嗜みなのかと問われると・・・何とも微妙に感じます。 実際どうなんでしょう?
メカこそが紳士の嗜みではなかろうか!なんてふうに考える作者は昭和世代故?
コント映像 :通常運転時の蒼は考えていることが顔に出易いので、夏祭りの
ポスターを気にしているのも、見ない様にしているのもバレバレ。
創作和菓子ですが、調べてみたら珈琲羊羹は考えていた通りのものがありました。
チョコ団子も三色ではないけどありました。檸檬葛は似たような名前の物があり
ましたが、商品そのものは考えていたものと違っていました。でも多分カット檸檬
を葛で固めたお菓子もあると思います。焼き栗羊羹と小豆煎餅は相当品を見つけ
ることが出来ませんでしたが、多分何処かで作られているかと思います。




