第5話 銀貨40枚だ
夜になり、なんとか見つけた宿の部屋で、状況の整理と目標を決めておく。
目標はおろされた魔王を見つけ出すこと。
魔王がおろされる地点とか決まっているのかな?
情報を集める必要があるなぁ。
魔王なんだしラルヴィック魔王国が有力そうなので、こちらに向かおう。
海を渡るという事は船がいるな。
明日は港も確認してみよう。
朝になり宿を出て港に向かうと、大きな船が何隻も停泊していた。
1隻で100人くらい乗れるだろうか? 100人以上いるように感じるが・・・
「すみません」と船員らしき人に声をかけてみた。
「おう!なんだ坊主?」と聞かれた。
「エスタシング島に行く船はありますか?」
「ああ、それなら1週間後に船が出るぞ!あと30人乗れるがどうする?」
おお、奇跡。
「料金はいくらでしょうか?」
「銀貨40枚だ。」
足りん!!全然足りん!
「わかりました。教えていただいてありがとうございます」
と答えてとりあえず逃げた。
当面はお金を稼ぐことからだな。
ギルドで依頼を探そう。
5日間、薬草採集やイノシシなどの討伐を行い、その間の宿代やもろもろの出費を差し引て銀貨10枚が手元に残ることになった。
2日後の出航には間に合わないが、気長にやっていこうと思う。
そうそう、せっかくなので武器を新調しようということで、身体にそぐわないほどの大きいハンマーにした。
叩き潰すのが性根にあっているらしく、かなりのお気に入りだ!
ハンマー・・・かっこいい!
翌朝ギルドで依頼を受けて街の外にでる。
日課のような美しい流れだなと感心しながら依頼をこなす。
今回の依頼はオオカミ10匹の狩猟だ。
血抜き込みで1匹銀貨1枚だ。
血抜きも終わり容量特大の魔法でオオカミをしまう。
これも魔王の力にあった魔法だ。
生きてると入れられなくて、収納中は時の流れが止まるという不思議な魔法だ。
ギルドへの納品と報告で街に戻ろうとしたら、街の入り口で少数の軍隊が睨み合いをしていた。
よく見ると両軍とも同じ鎧だ。
片方はなんか豪華な鎧来ている人がいるけど、貴族かな?
何を揉めているのか、お仲間だろうに。