第14話 神討伐の大まかな計画
エレノアは宰相ドルーガに連絡を入れ、ラリーの申し出た数の兵士と、さらに同数を付近に待機させるように命じた。
装備品はウィンストン領の物にする為に、数量を買い上げ順次配布していくことで合意した。
エレノアは連絡役として、ドロシーの同僚であるメイドのリプリーを呼び出す。
「エレノア様。お久しぶりでございます」
元気そうじゃなと答えた後、
「ラリー殿。リプリーを連絡役として置いていく。リプリーを通せば宰相のドルーガやわしとの連絡もすぐに出来る。普段はメイドとして働かせてやってくれ」
「魔王様、ありがとうございます。リプリー殿、よろしくお願い致します」
「こちらもそ、よろしくお願い申し上げます」
応接室だと少し狭いという事で、大広間を借りることになった魔王一行は、地図を広げてこの先の予定を確認することとなった。
「マリー、リズ、ルークが新たに加わったことじゃから、おさらいも含めて今後を検討していく」
「ラリー殿の情報では勇者の召喚に成功しているとのことじゃ。いつもの通りだと、ノステルリーグ王国に入り、仲間を集って進軍してくるはずじゃ。おそらく聖女という者もいるじゃろうな。いつもおったしの」
「仲間を集うのであれば王都に向かうのではありませんか?」とルークが聞く。
「大きな街である方が、心強い仲間も見つかりやすいじゃろうし、ルークの言う通りかもしれん」
「わしらはこのバーリンガルとヘルモンテの間を抜けて王都に向かうという事で良いか?」
「この国境までを山越えして、関所を避けて入国する。何か意見はあるか?」
皆特にない様子で、無言でうなずく。
「今後の予定は決まった。明日休養を取って明後日の朝出発、国境付近で夜まで待機して夜陰に乗じて入国する」
その後、マリー・リズ・ルーク3人に神討伐の大まかな計画を説明するエレノア。
聞く度思う。
無謀な計画だと。
だが、エレノアは確信に満ちた顔をしている。
とはいえ、もう始まってしまった計画だし、約束もしているし。
うまくいくことだけを考えよう。
マリー・リズ・ルークの3人はその後もエレノアに質問しているようだ。
挨拶を交わした時に何か言っていたな。
色々聞かれているのだろう。
「アル、ノステルリーグ王国に戻ることになるけど、大丈夫ですか?」
「なあに。大丈夫さ、ジル!ありがとう」
強がりな笑顔だが、無理が出来るだけマシだと思っておこう。