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ヴァーベナル英雄物語  作者: 猫じゃらし
巻き込まれハーフエルフの英雄譚
116/117

第116話 今頃ジルニークさんとエレノアさんがボコボコにしてるわよ

私達は準備を整えて、堕天使の居た立派な一軒家に戻ってきた。

それに気づいたのか、堕天使は昨日の様に大剣を構えて、家から出てくる。


「死ぬために戻って来たのか・・・おかしな奴らだ。ん?お前は・・・」


堕天使は大悪魔デストロメアを見て、なるほどとつぶやいた。


「大悪魔デストロメア。良い助っ人だな。だが、無駄な事だ」

そう言って、堕天使は攻撃態勢に入る。


大悪魔デストロメアは前に踏み出し、

「堕天使よ。貴様の目的を我がかなえてやろう」


堕天使は大剣を地面に突き刺す。

「どういう事だ?」

「貴様は世界を渡りたいのだろう?」

「そうだ。私の目的は神の世界に行く事だ」

「我は理を破って世界を渡る事が可能だ。ただし、一度で大量の魔力を消費する。再充填にはそれなりの年月がかかってしまうが」


「お前の力で、私は神の世界に渡れるという事か?」

「そう言う事だ。どうする?遺跡の転移門の作動を待つか、今この場で世界を渡るか。選べ」


「私は神の世界に行く事を望む。大悪魔デストロメア、頼めるか」

堕天使は即答した。

「分かった。なら我のこの自慢の魔力で、貴様に世界を渡らせるとしよう」


そう言って大悪魔デストロメアは魔力を練り上げ始めた。

私達は邪魔にならない様に少し離れて見守る事にした。


大悪魔デストロメアは膨大な魔力で魔法陣を描いていく。

そして描き終わりに魔力を注ぐと、魔法陣が光輝きだした。


「準備は整ったぞ。堕天使よ、覚悟は良いか?」

「ああ、いつでも構わん」

「それでは・・・行くがよい」


と大悪魔デストロメアは魔法陣に魔力を強く流し込み始める。

魔法陣はさらに強く輝きだし、その光はとても大悪魔が使用しているとは思えない程、神々しく輝いている。


「く・・・相変わらず膨大な魔力が持っていかれるな・・・」


そう言って手をかざして、より深くより強く魔法陣へ魔力を注いでいく。

次第に魔法陣の光は強くなって行き、目を空けるのも辛いくらいになってきた。


しばらく続いた後、突然目を開けていられないぐらいの強烈な光が魔法陣から放たれた。

光が消えた後、目を開けてみると堕天使の姿がどこにも無かった。


「成功したの?」


大悪魔デストロメアは疲れ果てた様子で、その場にへたり込んだ。


「・・・ええ・・・大丈夫なの?」

「ああ・・・うまく渡った様だ・・・しばらく休めば問題ない」


私が持っていた魔力回復の薬を渡す。

大悪魔デストロメアは、少し楽になった様だ。


「良い薬だな?体が少し楽になった」


「それで、堕天使は神の世界に行ったのね?」

「そうだ。今頃は神の世界に渡っているだろう」

これで一安心だ。

攫われた人たちも解放されるし、私達も地上に帰れるだろう、飛空船さえあれば。


クーリエは複雑な心境だろう

もし堕天使が神の世界に渡ったなら、もし堕天使が違う世界に渡ったなら、そう考えてしまうぐらいには優しい子なのだ。


「クーリエ。大丈夫よ。ちゃんと神の世界に渡って、今頃ジルニークさんとエレノアさんがボコボコにしてるわよ。ドロシーさんもいるしね」

「だと良いんですけど・・・」


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