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ヴァーベナル英雄物語  作者: 猫じゃらし
巻き込まれハーフエルフの英雄譚
112/117

第112話 お前らか!派手に脱走しやがったのは?

どれくらい時間が経っただろうか?


見張りの野盗も、捕まっている乗客達にも、睡魔が訪れてきている様だ。

見張りがこの様子だと、交代もあり得る。


交代前の油断している今かしら?


私はクーリエの方を向き、頷いて親指で行くわよ、となんとなくのサインを出す。

クーリエは気づいたようで、船長に近づき始める事を伝えてくれている。


船長が皆に伝え終わった所を見計らって、見張りに向けて風の魔法で壁まで吹き飛ばし気絶させた。

同時にクーリエが、光のハンマーで牢を叩き壊す。


「今よ!走って!」


船長達は飛空船に向けて、走り出した。


私達は、野盗の出入り口から、一気に上階まで上がって、とりあえず目に入るものをひっくり返したり、投げ飛ばしたりしながら、注意を集めつつ進む。


「な、何事だ!お前、どうやって出てきた!」


数人の野盗が扉を開けて出てくる。


「邪魔よ!」

風の魔法で吹き飛ばし、気を失わせる。


今いる部屋が牢の見張りの詰め所だったかもしれない。

であれば、私達が上ってきた入口を壊しておけば時間が稼げそうだ。


「クーリエ、この入口を使えなく出来る?」

「任せてください!」


クーリエは土の魔法で壁を作り、入口を塞ぐ。


「よし!これで下は大丈夫そうね!どんどん進むわよ!」

「はい!」


私達は上を目指して上がっていく。

野盗は何人いるのか、どんどんやってくる。


2人でねじ伏せながら、さらに上がると地上に出た。


「ここが地上になるのね。草も木もあるわ。空なのに不思議ね」

「これは、何かの遺跡でしょうか?」


クーリエは、少し離れた所にある崩れた建物が複数ある所を見ている。


「それっぽいわね。これの発掘の為に攫われたのかしら?」


だとすると、先に捕まっている人が居る可能性が大きいわね。

今は、船長達を逃がすことが先決だわ。


野盗は達は、私達が出てきた建物を取り囲む様に立ち塞がっている。


「お前らか!派手に脱走しやがったのは?」

「だとしたら、どうするの?」

「この人数だぞ!取り押さえろ!」


こいつが野盗の頭目かしら?

全員倒してしまってから考える事にしましょう。


戦いは一方的だった。

年を取ったとはいえ、元白金級冒険者であるマリーに、思った以上に脳筋天使クーリエ。

相手が悪かったと言わざる負えない。


全てを蹴散らし、マリーは野盗の頭目らしき人物に、

「あなたが頭目さんかしら?」

と聞く。

「いや・・・おれじゃねぇ・・・」

「じゃあ、どこにいるのかしら?」


野盗は、一軒の家を指さした。

「あそこだ・・・」

「そう。ありがとう」

そう言って、マリーは野盗を地面に叩きつけ気絶させる。


「クーリエ。下に戻って、船長達が無事脱出出来てるか確認してきてくれる?」

「わかりました・・・マリー様、1人で行かないでくださいね?」

「じゃあ、待っているわ」


クーリエは、走って元来た道を戻る。


「心配してくれているのかしら」

それとも・・・

その気持ちはとてもありがたかった。


しばらくして、クーリエが戻ってきた。

飛空船は無くなっていた様なので、無事脱出出来たのだろう。


「さて。頭目さんにご挨拶に行きましょうか」

「そうですね」


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