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ヴァーベナル英雄物語  作者: 猫じゃらし
神討伐の英雄譚
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第1話 私の名前はジルニーク

初めて物語を書いた初心者です。

読みやすいように何度も確認したつもりです。

暖かく見守っていただけると嬉しいです。

私の名前はジルニーク。

元天使だ。

そして今いる場所は薄暗い牢の中だ。

私が何をしでかしたのか興味があるだろう?

だって元天使だっていうのだからな。


これは理不尽な罪なのだ。

神パスカルブに「それは違います」と反論したら反逆罪となってしまったわけだな。

ということで、こんな場所にボロボロの状態でぶち込まれているわけだ。


美しかった翼はもがれてしまった。

飛ぶことも出来ず、傷だらけだ。

神が慈悲深いなどと誰が言ったのか。

まもなく私は奈落に落とされて堕天使となるらしい。

天使としての誇りがあった分非常に残念だ。


「・・・」

何に祈れば良いのか分からなくなっていた時、向いの牢に新たな住人がやってきた。


新たな住人を牢に投げ込んだ見張りの天使が居なくなってから、新たな住人は私に声を掛けてきた。

「貴様・・・どうしてこんなところで罪人みたいに・・・天使のようじゃが?」

よくは見えないが、声からすると女性のようだ。


「元天使だ・・・私は罪を犯したらしい・・・理不尽な罪だがな・・・天使の位もはく奪された・・・」

お互い息も絶え絶えのようだ。


「そうか・・・憎くはないのか?」

「憎くないといえば嘘にはなるが・・・翼をもがれ天使ではなくなった私では・・・奈落に落とされるのを待つ以外に出来ることはない・・・残念だがな」

そう。非常に残念だ。

しかし手立てがないのも事実。


「君は・・・何者だ?」

「わしは・・・魔王と呼ばれている・・・」

「魔王?」

「そうじゃ・・・ここの・・・神パスカルブによって魔王として世界におろされ・・・そして勇者という者によって・・・倒される・・・」

「倒される度にここに連れて来られ・・・また世界におろされる・・・繰り返しじゃ・・・」

「こういうのを・・・奴隷という・・・のじゃろうか?」

かわいそうに。

魔王も大変なんだな。


「どこの世界に・・・おろされるんだ?」

「ヴァーべナルという世界じゃ・・・ふぅ」

ヴァーベナル、神パスカルブの世界だ!


「毎回・・・ヴァーベナルにおろされるのか?」

「そうじゃ。毎回じゃ」

「そうか・・その神パスカルブは私を・・・このようにし・・・た神だ」

「ほう?貴様さっき憎いと言っておったな?」

さっきまでの苦しそうな感じがなくなったな?回復でもしたのか?


「まあな・・・でもどうすることもできん・・・もはや立つことも出来ん・・・」

「一つ提案があるのじゃが、元天使。乗る気はないか?」

「ジルニークだ・・・魔王」

「そうかジルニークというのか。わしの名はエレノア。魔王エレノアじゃ!」

魔王が死にぞこないに何を提案するというのだろうか?

どちらにしろ私には選択肢はないだろう、このままでは死して消え行く運命だからな。

全力で乗るとしようか。

「乗った」

「まだ何も言っておらんが・・・?」


ふっ、呆れているようだ。仕方ないだろう?選べる立場ではないのだ!



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