51話
魔王の謁見室を出たダークシードとナイトグルームは別室にいるブラッドヴェンジェンスとヴォイドレイスに話をするべく移動する。
移動の間は2人とも無言だった。
部屋に入ると各々くつろいでいた。普段4人はこの部屋で過ごすことが多い。
魔王の右腕として活躍している4人は自然と四天王と呼ばれるようになっており、
他の悪魔とは一線を引かれていた。力も一線を画している。
そのせいか、魔王の側近として話を直接聞くのは四天王の4人で、その内容を他の悪魔に伝えるのが今の役目である。
特にだれが決めたわけではないが、悪魔たちは4つの集団に分かれており、それぞれの四天王の下について行動していた。
縦割りにはなっているが、横のつながりも悪いわけではないため、統率は取れている。
「ブラッドヴェンジェンス、ヴォイドレイス、魔王様からの伝言を伝える」
「魔王様に謁見したのか?お前ら。何故俺を呼ばなかった!」
「僕も…魔王様に会いたかった…」
「あなたたち、話を聞きなさい」
「ダークシードは真面目過ぎ…」
ヴォイドレイスはナイトグルームの後ろに隠れながらダークシードを指さして文句を言う。
はぁ、とため息を付き眉間にしわを寄せる。
小言が始まると察したナイトグルームは再び話し出す。
「魔王様からの伝言は、”単独で行動するな。世界のモノを味方につけた人間は強いぞ。油断が命取りになる”以上だ」
「なんだそれは。世界のモノ?」
「あぁ、ブラッドヴェンジェンスはまだ若いので知りませんでしたね。世界のモノというのは、
ものすごい魔力を有しており、普段は人間界に干渉しないのですが、人間と契約する事でその力を
人間に渡すことが出来ます。その力を使える人間は魔力量が半端なく多くなるので、通常の人間より強いのです」
「通常の人間より強くても人間だろ?何をそんなに怖がってるんだよ」
「ブラッドヴェンジェンス、あなた、魔王様が人間ごときを怖がっているとおっしゃるのですか?」
「はぁ!?ちげーよ!」
話を聞いていたヴォイドレイスは少し不満そうな顔をしている。
「ヴォイドレイス?どうした?」
「ナイトグルーム…今回の魔王様の言葉、どう思う…?」
「どう思うも何も従うまでだ。ヴォイドレイスは従わないのか?」
「従うよ…。僕たち弱いって思われてる…?」
「そうではありません。魔王様は細心の注意を促しているだけで…」
「お前が魔王様の事わかった風に喋るな!」
「ブラッドヴェンジェンス、落ち着きなさい」
その後もダークシードとブラッドヴェンジェンスの言い合いは続き、話を聞かない2人に対してナイトグルームが切れてしばらく口がきけなくなったのはまた別のお話し…。
「ナイトグルーム、怖い…」
ヴォイドレイスは一言呟いて部屋を後にした。




