45話
「ごめん、相手の方がレベルが高いから少ししか足止めできない」
「十分です、ヨウさん。厘、いくよ」
「おっけー」
「「光の精霊よ、彼の者を貫け!」」
天空に厘と侺が集めた魔素が集まってくるのを感じた。
すると、次の瞬間一瞬で光がモンスターの元へ一直線に落ちておく。
モンスターがもがいてヨウの風の楔を破った瞬間、光に焼かれて断末魔の叫びを上げて蒸発していった。
「おぉー!うまくいったね!侺!」
「あぁ、今までの中で一番きれいな魔法だったんじゃないか?」
「二人ともナイスだね!でも…」
ヨウの視線の先には世界のモノがいる。
よく見るとキースとレインは少し不貞腐れているように見える。
キースはともかくレインまでも。
何故だろう、なんだか嫌な予感がする。
「アース、なんでキースとレインは拗ねてるのかな?」
-んー。キースは炎、レインは氷の精霊なんだよね。なのに違う精霊に力を借りてしかも強い攻撃魔法を発したことに拗ねてるんだと思うよ-
「確かに、今までの彼らは得意な炎と氷の魔法を中心に技の開発をしていたからね」
-そこ。なにこそこそしてるの?-
-いや、今日の晩御飯になりそうなモンスターいないかな?って話してたんだ!!-
-それは他の人が探してる-
-そうだったねー!だって、ヨウ!-
「はぁ…アースは嘘をつくのが下手なんだね」
-ちょっ!ヨウ!-
-いいよ僕たち今日は帰る-
「え?レイン?」
「キース?」
-じゃあな、厘-
「ちょっと待って!キース!!」
「アース、帰るってどこに帰ったの?」
-あーあ。拗らせはめんどくさいなぁ…。僕たち元々はドライアドの森にいたんだ。たぶんそこに行ったんだと思う-
「ドライアド…?」
「ドライアドの噂は本物だったのか…」
「厘くん、ドライアドって言うのは森に宿る精霊とされていて、この世界で唯一植物の魔法を使えるんだ」
「植物の魔法…?何それカッケー!」
-そう、それ故にヒトとの契約が出来ないドライアドは森を出ることがないから、ヒトの世界には一般的には知られていないんだ-
「俺たちはそのドライアドの森にいってキースとレインを連れ戻さないといけないんだな」
-んー。まぁそうなんだけど…しばらく放置しても問題ないと思うよ-
「いいの?」「いいのか?」
-何も言わずに不貞腐れるやつらなんて放っておけばいいんだよ。めんどくさい。時間の無駄-
「アース、何か怒っていないか?」
-別に。ただ戦い方のレクチャーしてただけなのに嫉妬するところが違うよね-
アースの何か腑に落ちないところに抵触したらしい。
頑固なところがヨウにそっくりだなと思いながら、話を聞いていた。
アース曰く、しばらくしたら戻ってくると思うから放置で問題ない。
まずは街の復興を優先した方が良さそうだ。
今回は被害が尋常じゃないため、ムトスの全街に対してヨウが仕切る予定だ。
その際、厘、侺、菫、ユウはそれぞれ別の街を担当することになりそうだった。
本当に放っておいていいのかわからないが、今は優先事項があるため、しばらく放置することにした。
各街にモニターと投影機を設置してあるため、全地域での一斉展開が可能だ。
この技術により各街毎の連携が格段に上がる。
菫の発明は世界をも変える力があるのだが、量産や販売は行わないとのこと。
少し残念に思いながら、活用させてもらえることをありがたく思うことにする。
「各拠点の傭兵団は、振り分けられた区画の瓦礫の撤去を行ってもらう。
班の振り分け表はすでに各拠の統括者に渡してあるので、一度その通りに班を組んで欲しい。
一部、南の街から北の街への派遣もあるから、この説明会終了後すぐに移動してほしい。
一般市民にも瓦礫の撤去は手伝ってもらえるように話は付けたから、
各々一般市民の誘導も併せてお願いする。
何か不具合があればすぐに近くの責任者まで連絡をしてくれ。
必要なものがあれば遠慮なく言ってほしい。極力準備する。
ある程度の道具はこちらで準備したから、使用してくれ。
以上だが、何か質問ある人いるかな?」
「調理は調理担当がいるから良いとして、食糧調達係も今回は瓦礫の撤去作業に組込まれているけど、どうしたらいいですか?」
「食材に関しては、ここ数日のモンスター討伐でストックが多くあるから、調達しなくても大丈夫なはずだけど。
アキラ、そのあたりはどうなっているかな?」
「はっ。隊長がおっしゃる通り、食材のストックはふんだんにあります。1週間は困らないと思います。
順次各地域ごとに配布する手はずを整えています」
「1週間は食糧の心配はしなくて大丈夫だ。新規の調達に関しては別途検討する。
ほかに質問はあるかな?」
「撤去した瓦礫はどうしたらいいですか?」
「瓦礫は再利用する予定だから、木材と鉄に分けて1か所に集めて欲しい。置き場所は後ほど担当地域の地図を渡すからそこに記載してある。
また、木材と鉄以外については別で使用するからそれも分けて集めておいて欲しい」




