表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月影のもとへ  作者:
42/56

41話

「アキラ、おめでとう!まさか君が一番初めに魔力操作を習得するとは思わなかったよ」


「私もです。魔法が苦手なディバインでしたから。まさかこれほどまで魔法が使えるようになるとは思いもしませんでした」


「おめでとうございます。習得が物凄く早かったけど、何かコツみたいなのありますか?参考までに皆さんにも共有をお願いします」


「コツと言いますか、起きている間はずっと魔力を身体中に張り巡らせていました」


「え?訓練中だけでなくずっと…?」


「はい。ずっとです」


「それは何というか…魔力切れ起こしませんか?」


「起こしました。3度ほど高熱でうなされたら魔力操作出来るようになってました」


「……」


「あら、皆さんはマネしない様にお願いします」


「それはマネしません」


「けど、訓練時以外も魔力操作を意識して行動するのは悪くないと思う」


「だな。魔力切れまでやっちゃうと良くないけど」


「えぇ…ただでさえ普通の訓練もきついのに…」


「でも、それで魔力操作が習得できるなら…!」


「俺たちでも1日2時間の訓練で3か月半かかったんだ。今の4時間の訓練だと2か月弱はかかる計算だからな」


「でもそれはある程度魔法を使えるポテンシャルがあっての事だよね?」


「ヨウさん、そうでもないかもしれません。ノーマルの方の方が飲み込みが早いように感じます」


「ふむ。もともと魔法を放つ感覚を知らないから、魔力の流れを理解しやすいのか」


「えぇ。その通りです」


もちろん、ディバインのなかにもだいぶ魔力操作に慣れてきた人も居るから絶対とは言えないのだが、

ノーマルだった人の方が上達している人が多いのは事実だった。

ただ、中には全く魔力がない人も居るみたいで、そういう人はユウの体術訓練に集中していた。

ユウの終わりのない訓練は意外にも人気で、訓練が終わった後死ぬほど筋肉痛になったけど、

日を追うごとに訓練の効果が現れて身体が鍛えられている感覚がすごいのだとか。

なぜか訓練を行っているユウ自身は細身のままなのに、訓練生たちはみんなどんどんマッチョになっていく。

ユウ曰く、マッチョになりすぎるとモテなくなるじゃん?だから筋肉はある程度付いたら落とすようにしてる。との事だった。

それは狙って出来るものなのだろうか?


「そろそろ地上のモンスターもだいぶ減ってきた頃だよね」


「えぇ。だいぶ減っています。悪魔の動きがないのが気になるところなのですが…」


「確かに、悪魔は何をしているんだろうか?」


「一度も南の街に近づいていないんです。そんなことありえるのでしょうか…?」


「菫さんもやっぱり、違和感を覚えましたよね…。どちらにせよ、悪魔を倒さないとバリアを解くことは出来ないので…。

 そろそろ悪魔討伐に向けて動き出す段階かもしれませんね」


「そうですね。傭兵団のみなさんも、だいぶ強くなりましたからね。主に体力と筋力方面が…」


「ははっ!みんなかなりたくましくなったよね。面影がなくなっちゃった子もいるからね」


「だとしても悪魔はかなり強いです。正直チェンジャーになった程度では歯が立たないかと…」


「そうなんだよね。それでも、みんなで力を合わせたらって希望を持ってしまうんだ」


「数は力ですからね。みんなで一緒に頑張りましょう」


だが、本当に悪魔と対峙するには力不足なのだ。

悪魔の情報を集めて、分析したうえで倒しに行く必要がある。

数が有利なのは間違いないのだ。

うまく活用できれば、だが。


訓練から2か月、魔力操作を習得した人が出始めたころ、北の街が全滅したとの連絡が入った。


「アキラ、今すぐ東の街へ向かってくれ。あそこは北の街と地下でつながってる。住民をここまで避難させるんだ」


「承知しました。では広場にワープポイントを作って向かいます。もしもの際はお願い致します」


「出来る限りで良い。悪魔に見つかったらすぐに切り上げてくれ」


「はい、では行ってまいります」


「アキラさん一人に行かせて大丈夫なんですか?」


「うん、君たちをバラスのは得策ではないと思って」


「西北の街が狙われているみたいなんだ」


「つながっている東の街ではなく、西北の街がですか?」


「うん。どういうことかわかる?」


「俺たちをおびき寄せる罠…ですか」


「そう。東の街の住人の居場所はもうすでに悪魔にバレている。という事は、あえて襲撃せずに僕たちが動くのを待っている可能性が高い」


「この2か月間、悪魔が大人しかったのは、ムトスから出られないからじゃない。出る気がなかったんだ」


「最初から狙いは俺たち…という事ですね」


「おそらく。以前倒した悪魔の仲間か何かなんだろうね」


「なんで南の街の近くの森でモンスターを凶暴化させたんだろうと考えていたんだ。

 やっぱり、君たちを狙ったんじゃないかな?」


「そうですね。これは俺たちのミスです。悪魔を…」


「待って。さっきも言ったけど、別行動をとるべきじゃない」


「けど…!」


「君たちを狙っているのは君たちのせいじゃない。それに、傭兵団の戦力底上げをしてくれたのは間違いなく君たちだ。

 感謝こそすれ、怒る事は一つもないよ」


「ヨウさん、ありがとうございます。それで、どうしますか?俺たちはヨウさんの指示に従います」


「ありがとう。まずは東の街の傭兵団が到着したら、菫さんのドレインで無理やりにでも魔力操作を意識させて、

 ヨウくんの体術特訓を実施してほしい。その間に、もう数名を西の街に派遣して、住人を避難させる。

 傭兵団は西の街に残して、派遣したうちの傭兵団とで訓練を開始してくれ。

 西北の街には僕が向かう。悪魔と遭遇する可能性も格段に上がるから、数名住民避難の手伝いで連れていく」


「わかりました。そしたら俺と厘は西の街へ行きます。避難誘導員はモモさんたちを向かわせてもいいですか?」


「わかった。モモの部隊を派遣しよう。すぐに移動してくれ」


「はい」


二人は西の街へ移動を開始する。ほかのメンバーは後を追って出発してくるだろう。

ヨウ一緒に移動を開始しており、街の途中までは一緒に向かうことになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ