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月影のもとへ  作者:
41/56

40話

厘と侺が地上へ行っていた間、すでに菫とユウによる訓練が始まっていた。

菫による魔力移動の訓練とユウによる体術訓練だ。

菫は魔力の流れが見えるタイプなので、指摘が的確で分かりやすいのだが、

魔力操作は非常に難しいため、多くのメンバーが苦戦していた。

ユウによる体術訓練は疲れてきて終わろうと思ったタイミングで回復魔法を掛けられて終わることが出来ない。

ユウの訓練はなかなかにハードそうだ…。


「厘、侺。おかえりなさい」


「「ただいま」」


二人に気付いた菫が声を掛けてくれる。

俺たちも訓練に参加するというと、厘も魔力操作の方の指導に回ってほしいと言われ、対応することになった。

魔力操作に関してはすぐに身に付くものでもないので、気長に訓練する必要があるのだが、菫が試してみたいことがあるというので、まずは厘で実験することになった。


「すぅ姉、俺は何したらいい?」


「まず、お腹あたりに魔力を集中させて頂けますか?」


「了解!」


厘は集中して魔力をお腹に集める。その際、傭兵団のみんなに見やすいように魔力のエフェクトが見える様に意識する。

すると、厘のお腹あたりに赤い魔力の渦が集まってくる。

それを見て傭兵団の人たちはなんだそれ?すげーなどざわつく。


「厘にはお腹に魔力を集めて頂きましたが、初心者はお腹すら難しいです。まずは利き手の掌に魔力を集める意識をしてみて下さい」


「「はい!」」


「コツは、魔法を放つ直前の状態を保つことです。間違って魔法を放たないよう注意して下さい」


「魔法を放つ直前を保つ…?いやあれは身体の中から一気に放出してるから保つとか以前の問題の様な…」


「その身体の中から放つ感覚があるのでしたら、その中心を意識して魔力を体内に留めてみて下さい」


「えっと、ちょっと待ってくれ。魔法を放つときのイメージは…うわぁ」


盛大に魔力を解放してしまった。幸い、水魔法だったため侺が凍らせて事なきを得る。


「はぁ…はぁ…すまん、侺くん。ありがとう」


「いえ、大丈夫ですよ。今、魔法を放つ直前に少しだけ魔力を留めれていたので、その感覚をつかんでみて下さい」


「え?いや、でもまた同じことしてしまうかもしれないし…」


「では、あちら側に向かって練習してみて下さい。畑があるので、水魔法でしたら畑の水やりにもなりますし」


「おぉ…!それなら問題はなさそうだ。何から何までありがとう!向こうで練習してくる!」


自然と水魔法の使い手は畑の方を向いて一列に並び練習を始めた。

隣同士でどんな感じ、こうイメージするとやりやすいなどの意見交換を交えてやっている。

一方、厘の方はみんなの前で実演していた。


「まず、魔法を放つとき身体の中心が熱くなって、その後掌を通って魔法が放たれるんだ。

 こんな風に、中央で魔力を練る。そのあと腕を通って掌へ…っと」


「「おぉ~!」」


「イメージ分かったかな?やってみようぜ!」


「おぉ!」


「やってみる!」


実際に見せてもらえた為か、身体の中心で魔力を練ることは出来る人がちらほらいた。

だが、やっぱり掌へ持って行くのが難しいらしく、途中で力尽きたり、魔法を勢いよく放出したりとなかなかうまくいかない。

ただ、身体で魔力を練ってから魔法を放つ場合は普段よりも威力が格段に上がっているという実感があるらしい。

少し意識するだけで魔法の威力が上がるなら操作できるようになったら更に威力上がりそうだとみんなのやる気にもつながった。

菫は、身体の中心で練り上げた魔力を吸い込むことで、身体の中を移動する感覚を覚えさせていた。


「魔力が…ひ、ひっぱられる…」


「なんだこれ…自分で練った以上の魔力が吸い取られていくぞ…!?」


「ふふっ。その魔力が動いている感覚を覚えて下さい。それを自分たちで調整してみて下さい」


身体の中から魔力が無理やり引っ張り出される感覚は少し不気味だったが、

一部のメンバーにとっては感覚として伝わったため、ゆっくりだが掌まで魔力を移動できる人も出てきた。

魔力を抜かれる感じが酔うみたいで、しばらく動けなくなるメンバーもいた。

そんな感じで三者三葉の魔力操作の教え方を実施し、向き不向きを確認しつつそれぞれがアドバイスしながら訓練を進めていった。

最初ノーマルの人はユウの体術訓練の方ばかり参加していたが、何がきっかけで開花するかわからないため、

魔力操作の訓練にも参加してもらうことにした。案の定、ノーマルの人も魔法が使えるようになる人が現れた。

初めは魔力を練る事すら出来なかったのだが、菫の闇魔法のマジックドレインで身体の内側から無理やり魔力を吸収する事で、

魔力の存在を認識し、魔法が使えるようになる人が続出した。チェンジャーとして能力が開花した人たちは歓喜した。

ただ、これは菫が世界のモノと契約し、世界のモノの力を借りた結果出来たのだ。

そうやって、地上でモンスターを討伐し、訓練をしながら地下避難所で生活すること1ヵ月、ついに魔力操作を習得した人が現れた。

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