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月影のもとへ  作者:
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3話

もう少しこの世界についての補足をする。


モンスターを倒すためなのか、この世界の人は、普通の人-ノーマル-と呼ばれる人、能力者-ディバイン-と呼ばれる2種類の人たちに分かれている。

さらにディバインは、生まれた時から力を持っているオリジンと何かをきっかけにノーマルの人が強い力を得たチェンジャーが存在している。

オリジンは広く浅く力を使える人が多く、チェンジャーは一つの能力に特化した力が使える人が多い。

ただ、チェンジャーについては世界でも1割程度の少数しか存在しておらず、何をきっかけにチェンジャーとしての能力が発現するのか解明されていない。

また、オリジンがチェンジャーになったという記録は残っていない。

チェンジャーの数が少ないからか、チェンジャーとわかった時点で国に登録され、保護とまではいかないが、監視下に置かれる。

チェンジャーは国の自衛隊のような役割を担わされ、派遣要請に対して断ることができない。その代わり、国から莫大な援助がされ、チェンジャーのいる一家は働かなくても生涯生きていける。チェンジャー本人も、要請がなければ自由だ。


そんな事情からか、自らの暮らしのためにチェンジャーが欲しい家庭が多く、子供の出生率がかなり高い。

だが、中のには貧しい家庭の人も多く、生まれた子がオリジンだった場合は親権を放棄し、教会に子供を渡してしまう人が多い。つまり捨て子である。

ノーマルからチェンジャーになる可能性は極めて低いのにもかかわらず、一縷の望みをかけてノーマルを育てるのだ。そして、チェンジャーにならないオリジンは必要ない。


教会は、そんなオリジンが多く存在しているためか、各所に孤児院を建てている。

一般的には教会が隠しているから知られていないが、オリジンは地頭がものすごく良い。

孤児院でオリジンたちに教育を施し、働ける年齢になったら各企業への就職を斡旋している。

オリジンを教会に預けても、きちんとした教育を施されて、就職まで出来るのだから、子供を捨てることに躊躇わない親が増えたのも事実だった。


オリジンは頭がいい子が多いためか、親に捨てられたことも理解している。

少しひねくれてはいるものの、素直に育つ子が多い。

また、多くの教会の運営費用はというと、斡旋先の企業からの寄付で成り立っている。

企業側も教会で教育されたオリジンなら信頼出来ると相互利益が生まれているのだ。


ごくまれに、子供に恵まれなかった夫婦が教会に子供を引き取りたいと尋ねてくることもあるが、大抵は手に負えなくなりすぐに戻ってくることが多い。

オリジンといえ、能力者だ。

ノーマルでは対処できないことが多い。

そのため、ノーマルの人に子供を引き取らせることにはかなり慎重になっている。


厘、侺ともにチェンジャーである。

厘は炎、侺は氷をそれぞれ操る力がある。

チェンジャーだが、実はオリジンでもある。

オリジンがチェンジャーになった記録はないが、どういうわけかこの二人にはチェンジャーとしての能力があるきっかけにより覚醒したのである。

もともとオリジンとして認定されている二人のため、チェンジャーへの覚醒はないと判断されているからか、オリジンのフリをして暮らすことができている。

とある目的のため、国に管理されるわけにはいかないのだった。


「なんでこんなところに悪魔が来るんだよ」


そんな文句を言いながら厘は悪魔の攻撃を紙一重で避ける。

攻撃が避けられたことに驚いている悪魔だったが、次の瞬間から悪魔の猛攻撃が始まった。

侺は水のシールドを展開しながら悪魔の攻撃を防ぐ。

激しい攻防をしているうちに、悪魔が放った攻撃の爆風でグラウンドの砂が舞い上がり、あたりが砂埃で見えなくなる。

今ならチェンジャーとしての能力を使用しても誰にも見られないと判断し、二人は顔を見合わせて頷きあう。

周りは逃げ惑う人、倒れてる人ばかりで誰も二人のことを見る余裕はなかったのだが。

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