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月影のもとへ  作者:
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2話

校庭にたどり着くと、酷い惨状だった。

体育の授業の準備をしていた別のクラスの生徒たちが叫び声を上げながら逃げ惑っていた。

爆発に巻き込まれて吹っ飛ばされて、怪我だらけの生徒も複数人いた。


「なんだよこれ…」

「厘、あそこ…何かいる」


侺は指差した方を厘が見る。

人の形をした、明らかに人ではない何かがそこにはいた。

頭には角が生えており、耳がエルフのように尖っている。

よりによって、1番現れてほしいない種族がいた。

その人でない何かは、背中から大きな黒い羽を生やしていた。


「悪魔…だよね」

「これはヤバいな、さすがに…」


その悪魔が厘と侺の方を向く。

二人を見てニヤリと口角を上げた。新たな獲物を見つけたと言わんばかりに。



この世界にはモンスターと呼ばれる生き物がいる。

一般的に知られているモンスターとは、動物に似た姿をしており、もちろん知能はない。

だが、ごく一部だが、人と同じ姿をしたモンスターも存在している。

その人と同じ姿をしたモンスターは知能がある。

動物型のモンスターを魔獣、ヒト型のモンスターを亜人と表現することもある。

この呼び名は一部のものしか知らない。

亜人はほとんどヒトに干渉してこないため、知られていないし、存在を隠されているのだ。

ただ、亜人は魔獣に比べて格段に強く、とても厄介な存在である。

人間のように慈愛の心を持ち合わせておらず、かなり惨忍なのである。

かなり稀だが、ハイオークやアンデッドキングなどの魔獣から亜人に突然変異するモンスターも存在する。変異種と呼ばれているが、姿形は魔獣に近いが、人語を理解し、知能も授かる。

そういった変異種はめったと発生しないため、ほとんどの人に知られていない。

また、亜人はその中でも下位、中位、上位に分類わけされており、危険度が違う。

変異種の亜人は下位に分類されている。

中位に分類されているのはエルフなどの魔力に長けた種族たち。

エルフの事を非戦闘種族と例える人も多いが、戦えないわけではない。

筋力や体力が低い代わりに魔力が強い。

争いごとを好まないだけで、実はかなり強いのだ。

温厚な性格のため、自ら望んで人間に攻撃することはしない。

そのため、住処などには極力近付かず、刺激を与えなければほとんど害はない。

上位は危険度がかなり高い。

上位に太刀打ち出来る人間はかなり限られる。

その上位の中で最も危険視されているのが悪魔だ。

悪魔は、全てのモンスターの王である魔王の側近、直属の配下だ。

魔王を除いたら全てのモンスターの中で1番強いのが悪魔だ。


この世界には魔王も存在している。

過去に何度も人間対魔王率いるモンスターの戦争が起こっている。

その度に、人間側もモンスター側も甚大な被害が出ており、何度も反映と衰退を繰り返してきた。

だが、ここ数千年の間は魔王が存在していなかったため、魔王の存在自体が空想の物語と化していた。

王宮にある図書館の立ち入り禁止区域に禁書として過去の戦争の記録が残されているらしい。

らいというのは、厘も侺も実際に見たことがないからだった。

どういう伝手かわからないが、その禁書を読んできたと教えてくれる人がいたのだ。

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