表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月影のもとへ  作者:
26/56

25話

この異空間で技の開発をするのもいいのだが、今日は魔力を使い過ぎてこれ以上は高出力の魔法は放てないのだ。

それに、あまり異空間魔法を使い過ぎるのも身体によくないのだ。

時間の流れが現実世界とはズレるため、身体への影響があるらしい。

詳しいことはわかっていないが、とりあえずよくないことだという認識だけ持っている。

今回の様に街や他の人々に被害が及びそうなときや、戦いが見られたくないとき以外は使用しないようにしている。


「とりあえず、戻るか」


「だね、悪魔を倒せたって…ねぇ!どうしよう!!生徒会長になんて言う!?」


「あー…。遅かれ早かれバレたと思うし。それに、あの生徒会長は信用できると思う」


「侺がそういうなら…大丈夫かな」


「あぁ、それに悪魔を一人倒してしまったんだ。ほかの悪魔にも目を付けられるようになる」


悪魔に襲われる可能性があるという事は、これ以上は学園にとどまる事は出来ないだろう。

学園の復旧に加え、街の復旧も加わった。学園の外とはいえ生徒が関わっているとなれば、

学園としても復旧作業を一緒に行うことにするだろう。

そうすると学園の再開はまた遅くなる。それを理由に学園から離れることにする。

いつでも退学届けが出せるように準備してあったため、このまま行方をくらましても問題ないだろう。

二人は少し森の方へと向かい、茂みに隠れる位置に来てから、異空間から戻ってくる。

街と森の間にある広い草原に居た菫たちと合流する。

森の方から出てきた二人にユウとヨウは驚く。

菫だけはにこにこしながら二人の方へ近づいてくる。


「厘!侺!大丈夫か!?」


「悪魔は…」


「お二人とも、お疲れ様です」


「ユウ、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」


「生徒会長、悪魔は俺たちが倒しました」


「すう姉!回復と支援魔法ありがとう!」


それぞれに声を掛けながら合流する。

ユウはよかったと厘へ抱き着く。

菫は二人の様子を伺いつつ、回復魔法を掛ける。

生徒会長は、黙って二人と菫を眺めている。


「悪魔を倒した…回復と支援魔法…?あの一瞬で回復魔法と支援魔法を二人に掛けたのか…?」


正確には、ユウが時空を切り裂き、一瞬だけ異空間とつながった時に、

菫は何と異空間の補強、二人の回復と支援魔法を掛けるというすご技を繰り広げていた。

そして、菫は異空間にいた厘と侺、悪魔の位置すら把握していたのだ。

完全には見えていないのだが、そこに人が居て、何をしているのかはわかるのだそうだ。

ちなみに厘と侺には異空間から建物は確認できるが、人は一切確認できない。

交わることが出来ない空間なのだ。

建物が認識できるのは、建物がその場所から移動しないからである。

状況報告をしていると、街の方が騒がしくなってきた。学園からの応援が到着したのだろう。

今はとりあえずこの場所から離れることが先決だと判断し、みんなを連れて一度森の方へ向かう。


「これからどうするのですか?」


森の奥の方、街の人たちの声も聞こえないくらいの位置に来たところで菫が二人に声を掛ける。

菫の言葉を聞いて、ここであれば大丈夫だと判断し、立ち止まる。


「すぅ姉、俺たちはもう学園には戻れない。悪魔を倒してしまった以上、他の悪魔に狙われるようになるから」


「えぇ、それは承知です。その上で、これからどうするのかと伺いました」


侺は頷くと続きを話す。


「とりあえず、俺と厘はしばらく実家へ帰って、技の特訓をしたいと思っている。

 今回の悪魔襲撃で分かったけど、俺たちはまだ力不足だ。

 すぅ姉に言われた狭い範囲攻撃を検討したいんだ。悪魔は俺たちの想像してたよりずっと強かったから…」


ヨウは驚きと、疑問を抱きながらも黙って聞くことを選んだ。


「わかりました。それでは、お二人はしばらく実家で雲隠れするという事ですね。

 次にユウくん、あなたはどうなさいますか?」


「俺!?」


突然話を振られて驚いているが、どうするかはユウ本人に決めてもらう必要がある。

侺としては、悪魔に目を付けられたことを考えると一緒に特訓をして欲しいが、そこは強要出来るところではない。


「さっきも言ったが、悪魔は俺たちの事を、悪魔が倒せる人間と認識してしまった。

 狙われるのは俺と厘だが、俺たちと一緒にいたものとしてユウにも被害が及ぶかもしれない。

 それを踏まえたうえで、俺たちと一緒に来るか、学園に残って生活するか、どちらかを決めて欲しい」


「学園に残る際は、責任をもって私が護衛をさせて頂きます」


「え?え?厘と侺が学園を去るのは決定事項なのか?」


「あぁ、これ以上学園に居たら今度は死人が出るかもしれない。

 だから俺たちは学園をやめることにしたんだ」


「…。それは今すぐ、か?」


「今すぐだ。荷物は全て破棄しても構わないものしかないからすべて置いていくし、学園にはもう戻らない」


「ちょっと待って、そんな急に?」


「生徒会長、悪魔の力、身をもって体験しましたよね?

 今回襲ってきた悪魔は、悪魔の中でも下位のモノでした。

 次に来る悪魔はアイツより強い」


「…そんな、あれで下位だっていうのか?」


ユウは学園と二人を天秤にかける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ