23話
片付けて店を出ようとしたとき、近くから爆発音が聞こえた。
「なに!?」
店の外では土煙が上がり、近くを歩いていた無事な人たちが逃げ惑っている。
一部は怪我をして足を引きづりながら歩いたり、歩けずにうずくまっている人もいた。
厘たちは急いで外へ出る。
すると、そこには悪魔が佇んでいた。
厘たちを見つけると、にやりと笑う。
「みーつけた」
瞬間的に悪魔が力を解放する。
ヨウはとっさに受け身をとるが、それは選択ミスだ。
悪魔の全力の力を受け身で防ぎきれるはずがない。
こんなところで悪魔に会うなんて…だが、今悪魔が見つけたと言っていなかったか?
目的をもって自分たちを襲いに来たのだとしたら…学園を出たこと自体が選択ミスだったのか。
少なくとも、今俺が攻撃を受ければ他の4人は無事だ。そうしたら学園へ戻って応援を呼んでもらって…
そんなことを考えている間に物凄い衝撃が襲ってきて吹き飛ばされる。
「くっ…」
背中を強打、する前に双子とユウに抱き留められる。
「え…何ともない…?」
衝撃派が当たった瞬間、何かがはじけるような感覚があった。
まさか…。
さすがに即席のバリアでは今の一撃で破壊されたか…。
学園を悪魔に狙われた時点で、俺たちが学園の外に出たら必ず襲ってくるに違いないと思い、
全員にバリアを展開しておいたのだ。
だが、補助アイテムなしの即席バリアだったため、悪魔の一撃で破壊されてしまった。
次回からは持ち運び可能な補助アイテムを持ってこよう。
「大丈夫ですか?生徒会長」
「あぁ…大丈夫だ」
侺は素早くヨウの様子を伺う。大丈夫と判断できたため、菫に視線を向ける。
「すぅ姉、どこか避難できる場所あるかな?」
「それと、街の人の手当も」
「まずは街の広場に。そこから南に行けば森があります」
「わかった。まずは広場にけが人を運ぶ。それと同時に悪魔を森の方へ誘導するよ」
「わかった」
そう言って二人は動き出す。それに合わせて菫も動く。
ユウは少し狼狽えつつも、言われたとおりに、まずはけが人を担ぐ。
そして、広場の方へと向かう。
その動きをみつつ、ヨウも自分の役割を判断する。
軽いけが人には治癒魔法を掛け、けが人を広場へ運ぶように指示を出す。
そうやって少しずつ街の人を広場へ誘導する。
厘と侺はというと、さっきいた場所から少し離れたところで悪魔と対峙していた。
菫たちが動きやすいように悪魔を別の場所へ誘導したのだ。
狙いは最初から二人だったようで、何も言わずについてきてくれた。
「ふーん、仲間の保護を優先するんだ」
「なぜ学園を襲った?」
「え?あぁ、最初はただの八つ当たり。イラついてた時にたまたま目に付いたところを襲っただけ」
そこで面白そうな人を見つけたのにバリアが貼られていたから、傀儡を使って襲撃させた。
そっちはただの様子見だった。
今日は気配を探っていたら学園のバリアから出たことが確認できたから遊びに来た。
というのが、悪魔の言い分だった。
「遊びに、ね」
「そ。楽しませてよ♪」
そう言うと再び悪魔から衝撃派が飛んでくる。
厘と侺は衝撃に備える。1撃であればひとまずバリアで防げる。
その間に一時的な異空間を作り出す。
「闇の精霊よ、彼の者を異なる世界へと導きたまえ!」
異空間に入った瞬間、強い衝撃に襲われる。
侺が風の魔法で衝撃を吸収してくれたから、大きなけがはしなくて済んだ。
「へぇ、これは異空間?そんな事も出来ちゃうんだぁ、君たち。やっぱり面白いねぇ」
悪魔が近くの建物に向かって攻撃を放つ。
しかし、攻撃はそのまま建物をすり抜けていってしまう。
「ここは街であって街ではない空間になるんだ、ここには何もないのかな?」
いろんな方向に魔法を放つ。
が、全てどこにもぶつからずに彼方へ飛んでいく。
「すごいね、ここならなにも気にせず戦えるねぇ!」
実際はそんなに長い時間この異空間に居られるわけではないのだが。
それをあえて言う必要はないだろう。
まずは森の方へ誘導、そして可能なら異空間が消える前に致命傷を与える。




