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月影のもとへ  作者:
14/50

13話

「すぅ姉!そいつでラスト!」


「わかりました」


厘と菫は召喚され続けるモンスターと戦っていた。

倒しても倒しても召喚されて出てくるモンスターにどうしたものかと考えあぐねていたのだが、

モンスターの出現には限度がある事が判明した。

召喚者と思われる人物の周りには魔力回復アイテムの空き瓶が大量に転がっていたのだ。

一言に召喚といえど、別の場所からモンスターを移動させてくるわけで、

モンスターを召喚している術者も相当の魔力を消費しているとみられた。

そして、厘たちが術者を見つけるや否や、魔力回復アイテムを一気にあおり、大量のモンスターを召喚して逃げたのだ。

追いかけようにも、大量のモンスターが目の前に迫っていたため、やむなく目の前のモンスターを倒すことを優先する。

逃げた術者は、ただでさえモンスターの隙間から垣間見えただけなのに、

姿形が分かりにくいローブを着用し、フードを目深にかぶり、更に仮面をしており、誰なのか全くわからなかった。

更に、目くらましの魔法が掛けられていた。十分すぎるほど用意周到な準備に、この襲撃が計画的犯行であることが分かった。

とりあえず、召喚されたモンスターを取りこぼさないように倒していったのだ。


「よし、これで討伐終了!魔石も回収っと」


ざっと200個以上ある魔石を回収する。

一時的に袋の中に魔石をすべて収納する。

すると、その袋の大きさが変わらずに魔石が袋の中に吸い込まれていく。


異次元空間巾着袋といい、中にしまったものは袋の重さに全く影響しない。

実はこの異次元空間巾着袋はかなりなレアアイテムであり、存在自体が伝説化されているものになる。

なぜ厘がそんなレアなアイテムを所持しているかというと、例の地下神殿に収納されていたものなのだ。

あの地下神殿、不思議なもので進化した者でないと入ることが出来ない様になっている。

というのも、昔近所の遊び仲間を連れて行ったことが1度だけあるのだが、

その時だけ入口がいくら探しても見つからなかったのである。

場所もしっかり覚えてマーキングしていたのにもかかわらず、入口だけきれいさっぱりなくなっていた。

後日、厘と侺二人で確認しに来たらきちんと入口はあったし、中にも入ることが出来たのだ。

その後、菫を連れて行ったのだが、やはり入口はちゃんとあり、中にも入れた。

以上の事から、菫は進化した者しか入ることが出来ないだろうと結論付けた。

ユウはあきらかに進化していたので、大丈夫だろうと思って連れて行ったのだが、

きちんと入口があって安堵したのは二人だけの秘密である。



「かなりの数のモンスターが倒されたみたいね」


「…なぜこのような襲撃を?」


悪魔はその問いには答えずに笑みだけを浮かべる。

質問した亜人-ダークエルフ-はそっとため息をつく。

この人はいつも肝心なことを言わない。

問題が起きた時に対処するのがどれほど大変か、そろそろ理解してほしいのだけれど。

心の中で抗議するが、声に出して言う事はなかった。


「中に入っていったモンスターがほとんど倒された…?」


「そうみたいだねぇ。やっぱり、面白くなりそう。今日は様子見だけだったからもう帰ろっと」


妖艶に微笑むと悪魔はその場から消えた。


「え?うそ、置いて行かれた…!?」


ダークエルフも急いでその場から立ち去る。

次の瞬間、悪魔とダークエルフが居た空間に隕石が落ちてきたのだが、

本人たちは気付くことがなくその場から立ち去った。

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