【プロットタイプ】狂言:痴話喧嘩
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
キョーカの旦那様は割と誰でも大丈夫だけど、瑠衣たんのお嫁さんはキョーカしかありえないと思うんですよ。
「瑠衣たん、また朝早く何処行くの?」
朝早くからコートを着込んで出掛けようとすると、同居人から声が飛んで来た。
彼奴の妹の面倒を頼まれてから、早一ヶ月。休日に一度は会っている。どうやら其れが気に触ったらしく、だる絡みされる。面倒なので、そのまま放置。
「え。無視。答えたくないこと? じゃあ浮気だ。浮気だ浮気だ浮気だ浮気だ。あー浮気男〜!!」
捲し立てる様に『浮気』という言葉を繰り返し、ヒステリックに絶叫する。俺の体に蛇の様に纏わり着く。非常に鬱陶しいので、体から引き剥がす。
「うっざ」
「浮気男に絡んで何が悪い!!」
瞳孔がガン開き。興奮状態。相手方のスイッチが入ったので、これは暫く付き会わないと離れてはくれない状態だ。俺は本日待ち合わせる相手に電話を掛ける。
すると其れを見ていた同居人が駄々を捏ねる様に床中を転げ回る。
「はぁ〜? 嫁がいるのに堂々と浮気相手に電話っすか!? 良い度胸っすね」
「うるせぇ!! 電話中なの分かんねぇのか!! とっとと眼科行け!!」
仕方がない。付き合ってやろう。
「第一、テメェの物言いがそそられねぇんだよ。煽るならもっと言葉を厳選しろ。物書いてんなら、『浮気』を連呼してねぇで、語彙力見せつけろ。カカシ頭」
「はぁ〜? 浮気する様な脳みそ伽藍に言われたくないんですけど〜? 君の脳みそレベルに合わせて語彙を選定してやってんだよ。綿さえ詰まってねぇ伽藍堂!!」
そう言って胸ぐらを掴み合い、互いに睨み合った。
ここまで言い終わったところで、漸く熱が急降下する。急激な盛り上がりと、急降下を繰り返して血管が切れないか心配であるが、盛るだけ盛って散りたい俺達には丁度良い。
傍から見れば本気の喧嘩と思われるだろう。が、これは俺達にとっての日常であり、演劇であった。つまりはただの狂言でしかない。
「さて、次のテーマは浮気男についてにしようかな」
「じゃあ俺はメンヘラ彼女に構われる話にするわ」
そう、互いが互いに冷静な目をして見つめ合った後、同居人、鏡花は俺の襟元を整えて、僅かに口角を上げた。
「じゃあ、行ってらっしゃい。私はまた、新しい役をこさえとくから」
結婚はしても恋愛感情は全くなく、完全に利害の一致によるものです。
だからこれはただの演劇。狂言。
でもガチで瑠衣たんに恋して、また役を捨てるという事はありそう。恋愛感情の理解のためです。
瑠衣たんの苦難は続く。
浮気された嫁が旦那を問い詰める。
この心情を理解する為に、あえてだる絡みしてます。
別に浮気じゃない事は百も承知だし、相手がお兄さんの妹であることも知ってます。
相手もそれは了承済み。
浮気出来ないと踏んでいるけれども、利用出来る場面は利用しているタイプ。
瑠衣たんは女の人に全く興味がタイプ。
でも創作に女性を出す時に、下手な空想を入れたくないという思いの元、身体、心理に興味を持ってそう。
だからそれを知る為だけに結婚をしそうな、ネジぶっ飛び、狂人なところがあります。
其れを満たしてくれるのは、鏡花以外に居ないんですよ。
鏡花は上手く演技して、相手の望む奥ちゃまになってくれそうだけど、瑠衣たんは絶対無理。
『それ、俺の人生に必要ないだろ?』でぶった切ります。