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妃教育とカインが訪ねてくる以外の時間を上手く使い準備を進めなければならないけど…。
妃教育は侯爵令嬢だったのもあり、一日にかける時間はそこまでかからないが、、問題はカインだ。
カインが訪ねてくる時間は毎日不特定だ。
私は街で買い物をしたり、街で散歩したりすのが好きなのだけれど、この前街に遊びに行った時そろそろ帰ろうかなと思ったらカインがいた事がある。
あの時は本当にびっくりした。
王城で散歩している時も、気がついたら後ろでニコニコしている事もある。
本当に心臓に悪いからやめて欲しい…。
きっと侍女の誰かが私の行動を報告していると思うから、そこさえ誤魔化せられれば1人で行動できる時間は確保できるはず。
よし、そうと決まれば行動あるのみ!
街へ行くため私は部屋を後にした。
◇◆◇◆
街に着いた後私は、宝石や服を売れそうな所と新しい家を紹介してくれそうなところを探した。
探したと言っても、護衛もいるし表立って探す訳にはいかないので歩きながらきょろきょろとめぼしいところを確認するだけだ。
そうしながら歩いていると声をかけられた。
「リリー様じゃないですか」
振り向くとルイス・アーヴァインが居た。
ルイスは侯爵令息で2人目の攻略者だ…。
カインは俺様系の見た目をしているが、ルイスは王子様系の見た目をしていると思う。
「今日はどちらに?」
「少し息抜きに…ルイス様はどちらへ?」
「僕は…おつかいです」
そう言い、ちらっとブティックがある方を見た。
あぁ、なるほど…ルイスには姉がおり、その姉のおつかいとしてよく街へ買い物に来ている。
その関係でルイスとは街でよく会うようになり、その度に少し会話をする程度の仲になった。
主人公がきたらこうして会話することも無くなるのかな…などと考えていると「そういえば…」と思い出したように、
「ご婚約おめでとうございます」
と言われた。
おめでとうと言われても、数ヵ月後には婚約破棄するのにな…と思いつつも「ありがとうございます」と伝え、少し話をした後「では、また今度」と言いお別れした。
ルイスと別れたあと、目当ての店を探し何ヶ所か目星を付け王城へと戻った―――。
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