第8話 脅威のロボット兵を一掃せよ!!
女子高生として人生を送っていた、妹の彩華と姉の沙耶が突如として時空の歪みに飲み込まれてしまう。そして、そこで待ち構えていたのは…。
沙耶は、ノーゼンカムイ王国にある地下鉄で脅威が迫る東端門へ向かった。
「まもなく。国立図書館、国立図書館。通過待ちの為、五分停車します。運転停車の為、ドアは開きません。ご注意ください。」
車内アナウンスが流れ、地下鉄が待避線に入選して停車する。
地下鉄が停車して窓ガラスがスモーク状態になる。
そのタイミングで、沙耶が場所を移動してアストへ連絡を入れる。
「アストさん。今現地の状況はどうなっていますか?」
沙耶が、アストへ東端の場所の状況を無線で聞くと、アストから数秒遅れて返答が返ってくる。
「今現在ですと、敵の所在位置は東端門より南に十㎞の地点です。」
アストの返答を受けて、沙耶は自身の中での状況を整理する。
その間にも、地下鉄は運転停車を終えて東端門駅に向けて走行していく。
そして、沙耶は目的地に到着する。
「まもなく。終着、東端門。東端門です。下周線、東西線はお乗り換えです。本日もノーゼンカムイ王国上周線をご利用いただきありがとうございます。」
沙耶は、無事目的地に到着すると、アストへと連絡を入れる。
「アストさん。東端門に着きました。これから、どうすればいいですか?」
沙耶がアストへ問いかけると、アストから最新情報を伝えられる。
「沙耶お嬢様。えーと、もう間もなく敵がそちらに現れます。」
その連絡を受け終わるのと同時に、敵が現れ沙耶に銃口を向ける。
「ちょちょちょ…。待って。」
沙耶が、そう呟くのも束の間…ロボット兵は銃を沙耶に向けて乱射し始めるが…。
沙耶は、妖刀村雨を引き抜いて、飛んでくる銃弾を斬り始める。
「いきなりだけど、やるしかない。」
そう呟いたかと思うと、銃弾を斬りながら、敵陣に向けて特攻する。
「てりゃああああああ!!火炎斬り!!」
沙耶が、妖刀村雨に炎を纏い飛んでくる銃弾を斬りながら敵陣に突っ込んでいき、一台のロボット兵に標的を向けると、沙耶は戦いに飢えた狂戦士の如く攻撃を喰らわせる。
すると、ロボット兵の両腕をいとも簡単に斬り落として、体制を整えてからロボット兵の頭めがけて渾身の蹴りを喰らわせるとロボット兵の頭が吹っ飛び、ロボット兵が爆散する。
その様子を見ていた残りのロボット兵たちが、沙耶に向けて襲い掛かろうとするが…。
「あと何台よ。もう…。まぁいいわ。あたしのサンドバック替わりなりなさいよ!!」
そう叫ぶと沙耶は、どんどんと戦闘の激しさを増していき、次々とロボット兵を倒し始める。
それから、三十分の時が過ぎた頃…。
沙耶は、未だにロボット兵と激しい戦闘を繰り広げていた。
「次から次へと…。ホント、きりがないわね。なにか、いい方法はないかしら?」
沙耶が、戦いながら考え始める…。
すると、あることに気が付きそちらに標的を向ける沙耶。
「!!。見つけた…。あれを倒せば、何とかなりそう。」
そう呟く沙耶は、視線をロボット兵の居る遥か彼方に向けると…
そこには、沙耶が倒してきたロボット兵と色の違うロボット兵が一台居り、それを目視した沙耶は、そのロボット兵に向かいながら行く手を阻むロボット兵を倒しながら進み始める。
「機械には、電気効くはず…。雷光一閃!!」
沙耶は、稲妻の如くロボット兵の間を走り抜けていき、沙耶が通り過ぎた場所は帯電して・・・
まるで、雷雲の中と同じ状況になり、ロボット兵の動きが鈍くなる。
そして、色の違うロボット兵の前に来たかと思うと沙耶は、すかさずそのロボット兵に攻撃を喰らわせる。
「雷撃!!」
沙耶が、技を放った瞬間に、先程まで帯電していたところに落雷が発生して、手下のロボット兵が次々と爆発していくのだが…。
何故か、目の前に居るロボット兵だけは、爆発しないことに気付く沙耶。
「まさか・・・電気に耐性があるだと…。それなら…。」
そう言うと、沙耶は村雨を納刀して、拳に炎を纏わせる。
「火芸の極意…。炎の連撃!!」
そう叫ぶと、炎を纏わせた拳で、ロボット兵を殴り始めるが…。
ロボット兵の表面が、多少焦げたくらいで大してダメージが入らない。
すると、ロボット兵からの殴り攻撃を受けて沙耶が、後方へと飛ばされて門に激突するが…。
間一髪のところで、大ダメージを負うことは負かった沙耶。
だが、沙耶は少し怒りに満ちた状態になり、ロボット兵のところへ舞い戻り怒りをぶつける。
「痛いわね!!か弱い女の子になんてことをするのよ…。この、ガラクタが!!!」
怒りに満ちた沙耶は、ロボット兵を物凄い早さで、殴りまくり攻撃の与えるスキをも作らせない勢いで、ロボット兵を殴りまくる沙耶。
攻撃を喰らう度に、少しずつ装甲が剝がれていき、核の部分が露出する。
沙耶は、一瞬のスキも逃さずに、ロボット兵の核に攻撃を喰らわせる。
「女の子を怒らせたお前が悪いんだからね!!喰らいなさい、乙女の怒りよ。」
そう言うと、再び炎を纏わせた拳で、ロボット兵の核を思い切り殴る…。
すると、核を伝い全身に亀裂が入り始める。
それを見た沙耶が、状況を察して行動を起こす。
「爆発するな。コイツ…。」
そう呟き、ロボット兵との距離を開けて、少し経った瞬間に物凄い轟音と共に、ロボット兵が大爆発を起こす。それを離れたところから、見ていた沙耶は、アストへ連絡を入れる。
「アストさん…。任務完了致しました。これより、城へ戻ります。後処理の手配をお願いします。」
沙耶は、そうアストへ連絡を入れると、自身が乗って来た地下鉄へと乗る為、東端門駅へと向かった。
だが、またもや沙耶によって脅威が倒されてしまうことで、沙耶はより一層ノーゼンカムイ王国の有名人になってしまうのであった。
日常から急転して、非日常へと落ちていくがふたりは無事に乗り切れることができるのか…。そして、もといた世界に帰ることができるのであろうか。